(仮訳)形態および分子データに基づく、アルプス産のPinus mugo針葉に生じるLophodermium pini-mugonisの新種記載
Hou, C-L., Li, L. & Piepenbring, M. 2009. Lophodermium pini-mugonis sp. nov. on needles of Pinus mugo from the Alps based on morphological and molecular data. Available at: http://www.ascofrance.com/uploads/forum_file/Hou-et-al-Lophodermium-MycProgr2009-0001.pdf [Accessed February 5, 2019] 【R3-05923】2019/2/5投稿

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3行まとめ

ドイツのアルプス山脈においてPinus mugo針葉に生じた菌を検討し、Lophodermium pini-mugonisとして新種記載した。
本種は子座がクチクラ下に生じ、表面が皺状で、分生子が楕円形、唇細胞の構造が複雑であることなどで特徴づけられた。
分子系統解析で、本種はマツ属よりもモミ属やトウヒ属植物を宿主とする種と近縁であった。
Oberstdorf, Bavarian Alps, Germany

(新種)

Lophodermium pini-mugonis C.L. Hou & M. Piepenbr.
語源…Pinus mugo
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lophodermium autumnale
同じマツ科植物を宿主とする
子嚢果が帯灰黒色
子嚢果表面が皺状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりドイツではなく中国などに分布する
本種と異なりマツ属ではなくモミ属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子果が知られていない
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が0ではなく0-3(-4)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lophodermium anhuiense
同じマツ属植物を宿主とする
子嚢果がクチクラ下に生じる
本種と異なり子嚢果表面が皺状ではなく平滑
本種と異なり明瞭な唇細胞を有するという特徴を欠く
Lophodermium pini-sibiricae
同じマツ属植物を宿主とする
子嚢果がクチクラ下に生じる
本種と異なり子嚢果表面が皺状ではなく平滑
本種と異なり明瞭な唇細胞を有するという特徴を欠く
Lophodermium nitens
同じマツ属植物を宿主とする
子嚢果がクチクラ下に生じる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢果表面が皺状ではなく平滑
本種と異なり明瞭な唇細胞を有するという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lophodermium confluens
同じマツ属植物を宿主とする
針葉に生じる
子嚢果がクチクラ下に生じる
本種と異なり生葉に生じる
本種と異なり子嚢果が融合する
Lophodermium kumaunicum
同じマツ属植物を宿主とする
子嚢果がクチクラ下に生じる
本種と異なり子嚢果の形状がかなり尖る
本種と異なり子嚢果下部の壁が円鋸歯状
本種と異なり子嚢果の縦断面が凹形