(仮訳)分子および形態データにより明らかになった中国産の帯赤褐色~橙色の子実体を有する多孔菌類2新種
Zhang, X. et al. 2024. Molecular and morphological data reveal two new polypores (Polyporales, Basidiomycota) with reddish brown to orange basidiomata from China. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/126176/ [Accessed July 19, 2024] 【R3-11898】2024/7/19投稿

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3行まとめ

中国で採集された2種の菌を検討し、Aurantiporus orientalisおよびHapalopilus tabuliformisとして新種記載した。
前者は吉林省でコナラ属の生木、後者は内モンゴル自治区でマツ属樹木にそれぞれ発生していた。
また、A. alboaurantiusなど4種について新組み合わせを提唱した。
中国吉林省安図県長白山自然保護区

(新種)

Aurantiporus orientalis Y.C. Dai, Xin Zhang, Ghobad-Nejhad & Yuan Yuan
語源…東洋の
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【よく似た種との区別】
Aurantiporus pilotae
本種と異なり中国ではなく北米などに分布する
本種と異なりシスチジオールを欠く
Aurantiporus pseudoplacentus
子実体が帯橙色
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく米国などに分布する
本種と異なりシスチジオールを欠く
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aurantiporus mutans
子実体が帯橙色
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
本種と異なり中国ではなく米国などに分布する
本種と異なりシスチジオールを欠く
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aurantiporus tropicus
子実体が帯橙色
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくコスタリカなどに分布する
本種と異なりシスチジオールを欠く
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aurantiporus alboaurantius
中国に分布する
担子胞子が楕円形
担子胞子が薄壁
シスチジオールを有する
菌糸構成が1菌糸型
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が背着生
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aurantiporus roseus
中国に分布する
担子胞子が楕円形
担子胞子が薄壁
シスチジオールを有する
菌糸構成が1菌糸型
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が背着生
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国内モンゴル自治区アルシャー盟白寺森林公園

(新種)

Hapalopilus tabuliformis Y.C. Dai, Xin Zhang, Ghobad-Nejhad & Yuan Yuan
語源…Pinus tabuliformis
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【よく似た種との区別】
Hapalopilus eupatorii
子実体が背着生~半背着生
子実体縁部が繊毛状
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子が楕円形
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくドイツなどに分布する
本種より担子器が短い
本種より担子胞子が長い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hapalopilus ribicola
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくフィンランドなどに分布する
本種と異なりマツ属ではなく一般的に落葉樹に生じる
本種より担子器が短い
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子の幅が狭い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hapalopilus rutilans(アカゾメタケ)
中国に分布する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィンランドにおける分布が知られている
本種と異なりマツ属ではなく一般的に落葉樹に生じる
本種より担子器の最大長が短い
本種より担子器の幅が広い
本種より担子胞子の最大長が長い
本種より担子胞子の幅が狭い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hapalopilus percoctus
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくボツワナなどに分布する
本種と異なりマツ属植物ではなく双子葉植物などに生じる
本種と異なり子実体が傘状
本種より担子胞子が長い
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Aurantiporus alboaurantius (C.L. Zhao, B.K. Cui & Y.C. Dai) Y.C. Dai, Xin Zhang, Ghobad-Nejhad & Yuan Yuan
旧名:Phlebicolorata alboaurantia (C.L. Zhao
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【よく似た種との区別】
Aurantiporus orientalis
中国に分布する
担子胞子が楕円形
担子胞子が薄壁
シスチジオールを有する
菌糸構成が1菌糸型
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が背着生でない
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Aurantiporus mutans (Peck) Y.C. Dai, Xin Zhang, Vlasák, Ghobad-Nejhad & Yuan Yuan
旧名:Hapalopilus mutans (Peck) Gilb. & Ryvarden
(基礎異名はPolyporus mutans Peck)
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【よく似た種との区別】
Aurantiporus tropicus
子実体が色彩に富んでおり、傷つくと赤変し、乾燥すると暗色になる
子実体が背着生
子実体が乾燥すると縮む
管孔が密に凝集する
担子胞子が楕円形
担子胞子表面が平滑
担子胞子が薄壁
菌糸構成が1菌糸型
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aurantiporus orientalis
子実体が帯橙色
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
本種と異なり米国などではなく中国に分布する
本種と異なりシスチジオールを有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Aurantiporus tropicus (I. Lindblad & Ryvarden) Y.C. Dai, Xin Zhang, Vlasák, Ghobad-Nejhad & Yuan Yuan
旧名:Hapalopilus tropicus I. Lindblad & Ryvarden
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【よく似た種との区別】
Aurantiporus mutans
子実体が色彩に富んでおり、傷つくと赤変し、乾燥すると暗色になる
子実体が背着生
子実体が乾燥すると縮む
管孔が密に凝集する
担子胞子が楕円形
担子胞子表面が平滑
担子胞子が薄壁
菌糸構成が1菌糸型
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aurantiporus orientalis
子実体が帯橙色
担子胞子のサイズが類似している
担子胞子の形状が類似している
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコスタリカなどではなく中国に分布する
本種と異なりシスチジオールを有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Luteoporia albocitrina (Petch) Y.C. Dai, Xin Zhang, Vlasák, Ghobad-Nejhad & Yuan Yuan
旧名:Hapalopilus albocitrinus (Petch) Ryvarden
(基礎異名はPoria albocitrina Petch)
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