(仮訳)互いに近縁なDebaryomyces属菌の分子生物学的特徴づけ:公営の下水浄水場で分離された新種D. vindobonensisの提唱
Lopandic, K., et al., 2013. Molecular characterization of the closely related Debaryomyces species: proposition of D. vindobonensis sp. nov. from a municipal wastewater treatment plant. Journal of General and Applied Microbiology … Available at: http://www.researchgate.net/publication/236070497_Molecular_characterization_of_the_closely_related_Debaryomyces_species_Proposition_of_D._vindobonensis_sp._nov._from_a_municipal_wastewater_treatment_plant/file/72e7e515452a7cee32.pdf [Accessed March 12, 2014].
【R3-00497】2014/03/13投稿

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3行まとめ

様々な由来のDebaryomyces属菌の菌株を解析し、ACT1遺伝子とAFLP解析の組み合わせにより、種複合体の構成種が明瞭に判別できることを示した。
分子系統解析やAFLP解析の結果に基づき、下水処理場で分離された菌株をDebaryomyces vindobonensisとして新種記載した。
本種は近縁種と形態学的・生理学的に非常に類似していたが、ラムノースを資化し、デンプンを資化できず、50%グルコース添加培地で生育できることで区別された。
Vienna

(新種)

Debaryomyces vindobonensis K. Lopandic, U. Rentsendorj & H. Prillinger
語源…ウィンドボナ産の(Vindobonaはローマ帝国時代のウィーンのラテン語名)
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【よく似た種との区別】
Debaryomyces fabryii
同じD. hansenii種複合体に属する
表現型が非常に類似している
5.8S-D1/D2およびACT1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりデンプンを資化できる
本種と異なりL-ラムノースを資化できない
本種と異なり50%グルコース添加培地で生育しない
ACT1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
AFLP解析で明瞭に区別される
Debaryomyces hansenii
同じD. hansenii種複合体に属する
オーストリアに分布する
表現型が非常に類似している
5.8S-D1/D2およびACT1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりデンプンを資化できることがある
本種と異なりL-ラムノースを資化できないことがある
本種と異なり50%グルコース添加培地で生育しない
ACT1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ACT1遺伝子に15塩基の置換)
AFLP解析で明瞭に区別される
Debaryomyces subglobosus
同じD. hansenii種複合体に属する
オーストリアに分布する
表現型が非常に類似している
5.8S-D1/D2およびACT1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりデンプン、ラクトース、イヌリンを資化できる
本種と異なりL-ラムノースを資化できない
本種と異なり50%グルコース添加培地で生育しない
ACT1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
AFLP解析で明瞭に区別される
Debaryomyces tyrocola
同じD. hansenii種複合体に属する
表現型が非常に類似している
5.8S-D1/D2およびACT1に基づく分子系統解析で近縁
ACT1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
AFLP解析で明瞭に区別される
Debaryomyces prosopidis
同じD. hansenii種複合体に属する
表現型が非常に類似している
5.8S-D1/D2およびACT1に基づく分子系統解析で近縁
50%グルコース添加培地で生育する
本種と異なりデンプンを資化できる
本種と異なりL-ラムノース、セロビオース、サリシンを資化できない
ACT1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
AFLP解析で明瞭に区別される
Debaryomyces nepalensis
本種と異なりデンプンを資化できる
本種と異なりL-ラムノースを資化できない
本種と異なり50%グルコース添加培地で生育しない
AFLP解析で明瞭に区別される
5.8S-D1/D2およびACT1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他の分類学的措置)

  • 分子系統解析およびAFLP解析の結果に基づき、D. subglobosus、D. fabryi、D. nepalensisを互いに顕著に区別できる別種と考えた。