(仮訳)カタールにおいて臨床検体から分離されたTrichosporon属菌の分子同定および感受性:新種Trichosporon dohaense Taj-Aldeen, Meis & Boekhoutの分離
Taj-Aldeen, SJ. et al., 2009. Molecular Identification and Susceptibility of Trichosporon Species Isolated from Clinical Specimens in Qatar: Isolation of Trichosporon dohaense Taj-Aldeen, Meis & Boekhout sp. nov. Journal of Clinical Microbiology. Available at: http://jcm.asm.org/content/47/6/1791.short [Accessed October 1, 2016].
【R3-03343】2016/10/01投稿

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3行まとめ

カタールにおいて27例の患者(多くは非免疫不全)から分離されたTrichosporon属酵母を検討した。
27分離株をT. asahiiT. inkinなど5種に同定し、そのうち3菌株を基にT. dohaenseを新種記載した。
本新種は本研究で同定された種のうちアムホテリシンBに対するMICが最も小さく、他にもアゾール系抗真菌薬のポサコナゾールおよびイサブコナゾールに対して感受性を示した。
Doha, Qatar

(新種)

Trichosporon dohaense Taj-Aldeen, Meis & Boekhout
語源…ドーハ産の
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【よく似た種との区別】
Trichosporon coremiiforme
ヒト臨床検体から分離される
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアムホテリシンに対するMICが大きい
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの類似度97.8%、D1/D2の類似度99.8%)
Trichosporon inkin
カタールに分布する
ヒト臨床検体から分離される
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり42°Cで生育可能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの類似度96.3%、D1/D2の類似度99.0%)
Trichosporon lactis
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりソルボース、マンニトール、乳酸、亜硝酸塩を資化可能
本種と異なりメレジトース、デンプン、メタノール、グルコサミンを資化不能
本種と異なり37°Cで生育不能
本種と異なり0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育不能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの類似度96.3%、D1/D2の類似度98.3%)

(その他掲載種)

Trichosporon faecale (Bat. & J.S. Silveira) E. Guého & M.T. Sm.
※本種を原因菌とする真菌血症を初めて報告した。
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