(仮訳)分子系統および形態に基づき中国産のAmyloporia属の新種が明らかになった
Cui, B-K. & Dai, Y-C., 2013. Molecular phylogeny and morphology reveal a new species of Amyloporia (Basidiomycota) from China. Antonie van Leeuwenhoek. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s10482-013-9994-1 [Accessed June 2, 2014].
【R3-00773】2014/06/03投稿

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3行まとめ

中国・海南省と台湾で採集された褐色腐朽菌を、形態学的検討および分子系統解析の結果を基にAmyloporia pineaとして新種記載した。
本種は背着生の一年生の子実体を形成し、分子系統解析では広義のA. crassaと近縁であることが示された。
また、アミロイドの骨格菌糸を持つAntrodia subxanthaを、分子系統解析の結果を基にAmyloporia属に移した。
中国海南省昌江リー族自治県覇王嶺国家森林公園

(新種)

Amyloporia pinea B.K. Cui & Y.C. Dai
語源…マツ属の
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【よく似た種との区別】
Antrodia crassa(広義)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が一年生ではなく多年生
本種と異なり肉が白色
本種と異なり肉が脆い
本種より担子胞子の幅が広い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amyloporia sitchensis
子実体が背着生
孔口の形態が類似している
担子胞子が僅かに屈曲する
シスチジオールが紡錘状
菌糸構成が2菌糸型
本種と異なり子実体が一年生ではなく多年生
本種と異なり骨格菌糸が非アミロイドではなくアミロイド
Amyloporia nothofaginea
本種と異なり中国ではなくアルゼンチンに分布する
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり実質が主に生殖菌糸からなる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amyloporia sordida
本種と異なり子実体が厚い
本種と異なり子実体が明瞭な層状である
本種より担子胞子の幅が顕著に狭い
本種と異なり骨格菌糸がKOHに対して強い溶解性を示す
Amyloporia sinuosa(ワタグサレキン)
骨格菌糸が非アミロイド
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり孔口が円形ではなく波状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amyloporia stratosa
骨格菌糸が非アミロイド
本種と異なり子実体が一年生ではなく多年生
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Amyloporia subxantha (Y.C. Dai & X.S. He) B.K. Cui & Y.C. Dai
旧名:Antrodia subxantha Y.C. Dai & X.S. He
(参考)本種の記載論文→R3-00774
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【よく似た種との区別】
Amyloporia xantha(チョークアナタケ)
中国に分布する
肉眼的形態が非常に類似している
子実体が黄色系
子実体がいくぶんチョーク質
骨格菌糸が顕著なアミロイド
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より孔口のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が長楕円形~円筒形でない
本種と異なり実質が主に生殖菌糸からなるという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amyloporia alpina
子実体が黄色系
子実体がいくぶんチョーク質
骨格菌糸が顕著なアミロイド
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より孔口のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される