(仮訳)分子の研究に基づき記載されたチリ産のハリガネキノリ属新種
Boluda, CG. et al., 2015. Molecular studies reveal a new species of Bryoria in Chile. The Lichenologist. … Available at: http://journals.cambridge.org/abstract_S0024282915000298 [Accessed November 10, 2015].
【R3-02367】2015/11/10投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

チリ、ラ・アラウカニア州においてAraucaria araucanaに発生した地衣の一種を検討し、Bryoria araucanaとして新種記載した。
本種は地衣体が暗灰褐色の懸垂状で、プロトセトラル酸などの地衣成分を含むことなどで特徴づけられた。
また、B. glabraを南半球新産種として報告し、Bryoria節が多系統群であることを示した。
Chile, IX Región de La Araucanía, Provincia de Cautín, Comuna de Melipeuco, Conguillío National Park, Tramo Contrabandistas, Sendero Las Araucarias, close to Conguillío Lake

(新種)

Bryoria araucana Boluda, D. Hawksw. & V. J. Rico
語源…ラ・アラウカニア州の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Bryoria nadvornikiana(コフキハリガネキノリ)
偽盃点が不明瞭
地衣成分としてフマルプロトセトラル酸、コンフマルプロトセトラル酸を含むことがある
ITS+mtSSU+MCM7に基づく分子系統解析で近縁(同じBryoria節クレードに含まれる)
本種と異なりチリではなくヨーロッパ、アフリカ、アジア、ハワイ、北米に分布する
本種と異なり地衣体が懸垂状ではなく叢生(基部)~懸垂状
本種と異なり地衣体が暗灰褐色ではなく淡褐紫色~暗褐紫色
本種と異なり地衣体の基部が広く黒色
本種と異なり地衣体に小刺状の短く直立する側枝を末端以外にも有する
本種と異なり偽盃点が暗褐色ではなく白色
本種と異なり粉芽塊を有する
本種と異なり地衣成分としてバルバトル酸、アレクトリアル酸、アトラノリンを含むことがある
ITS+mtSSU+MCM7に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Bryoria poeltii
地衣成分としてフマルプロトセトラル酸を含む
地衣体の刺状分枝が疎ら
ITS+mtSSU+MCM7に基づく分子系統解析で近縁(同じBryoria節クレードに含まれる)
本種と異なりチリではなくヒマラヤに分布する
本種と異なり地衣体が懸垂状ではなく叢生(基部)~懸垂状
本種と異なり地衣体が暗灰褐色ではなく暗褐色~黒色
本種と異なり粉芽塊を有する
本種と異なり偽盃点が不明瞭ではなく明瞭
本種と異なり偽盃点が暗褐色ではなく暗褐色~黒色
ITS+mtSSU+MCM7に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Bryoria trichodes(ハリガネキノリ)
地衣体が懸垂状
地衣成分としてプロトセトラル酸、フマルプロトセトラル酸、コンフマルプロトセトラル酸を含むことがある
ITS+mtSSU+MCM7に基づく分子系統解析で近縁(同じBryoria節クレードに含まれる)
本種と異なりチリではなくアジア、北米に分布する
本種と異なり地衣体が暗灰褐色ではなく淡褐色~暗褐色
本種と異なり地衣体の刺状分枝を末端のみではなく側面に有する
本種と異なり粉芽塊を有することがある
本種と異なり偽盃点が不明瞭ではなく明瞭
本種と異なり偽盃点が暗褐色ではなく白色~帯褐色
本種と異なり地衣成分としてアトラノリンを含むことがある
ITS+mtSSU+MCM7に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Bryoria furcellata(コフキイバラキノリ)
地衣成分としてフマルプロトセトラル酸を含む
本種と異なりチリではなくヨーロッパ、マカロネシア、アジア、オセアニア、北米、中米に分布する
本種と異なり地衣体が懸垂状ではなく叢生する
本種と異なり地衣体が暗灰褐色ではなく淡褐色~暗褐色で基部がしばしばより暗色
本種と異なり地衣体の刺状の枝が疎らではなく疎ら~豊富
本種と異なり粉芽塊を有する
本種と異なり偽盃点を欠く

(南半球、チリ新産種)

Bryoria glabra (Motyka) Brodo & D. Hawksw.
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Bryoria fuscescens
ITS+mtSSU+MCM7に基づく分子系統解析で近縁(同じImplexae節クレードに含まれる)
ITS+mtSSU+MCM7に基づく分子系統解析で明瞭に区別される