(仮訳)地中海産の新種のアミガサタケ、Morchella palazoniiおよびヨーロッパ産アミガサタケ属Morchella節の検索表
Clowez, P. et al., 2015. Morchella palazonii sp. nov. (Ascomycota, Pezizales) : une ouvelle morille méditerranéenne. Clé des Morchella sect. Morchella en Europe. Documents mycologiques. Available at: http://www.ascofrance.com/uploads/forum_file/DM36-reprint-Clowez-Morchella-palazonii-0001.pdf [Accessed September 1, 2016].
【R3-03257】2016/09/02投稿

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3行まとめ

スペインで採集されたイエローモレルの一種を検討し、Morchella palazoniiとして新種記載した。
本種は分子系統解析では同じ地中海産のM. galilaeaおよび南米産の未記載種に近縁であった。
ヨーロッパ産アミガサタケ属Morchella節の8種を含む検索表を掲載した。
Spain, Andalusia, Aracena

(新種)

Morchella palazonii Clowez & L. Romero
語源…菌学者のFernando Palazón氏に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Morchella galilaea
地中海地域に分布する
子実体が中型
子実体の形状が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスペインではなくトルコ、イスラエルなどに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Morchella esculenta(アミガサタケ)
スペインに分布する
頭部の肋脈が縦方向に発達する
頭部と柄の付着部に”vallécule”(湾曲部)を欠く
子実体が触れたり傷ついたりすると赤変する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスウェーデンなどにおける分布が知られている
本種より子実体の丈が高い
本種と異なり頭部が幼時から伸長するという特徴を欠く
本種と異なり頭部の網目が(特に幼時)円形ではなく多角形
本種より柄の頂部の幅が広い
本種より子実体の赤変性がしばしばずっと弱い
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
本種と異なり肋脈が厚壁の細胞からなるという特徴を欠く
本種と異なり肋脈の細胞が粘質の滲出物に覆われるという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Morchella castaneae
スペインに分布する
トネリコ属およびコナラ属植物の樹下に発生することがある
焼け跡に発生する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクリ属植物の樹下に発生することがある
本種と異なり頭部が円筒形ではなく長卵形
本種より子実体あたりの頭部の網目の数が少ない
本種と異なり頭部の網目がほとんどの場合等径ではなく不規則な多角形
本種と異なり頭部の網目の底が凹形ではなく扁平
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Morchella fluvialis
スペインに分布する
トネリコ属植物の樹下に発生することがある
子実体の色が類似している
頭部が細長い
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヤマナラシ属、ニレ属、ユーカリ属植物などの樹下に発生することがある
本種と異なり湿った場所に発生する
本種と異なり頭部が円筒形ではなく円錐状台形
本種と異なり子実体が触れると赤色ではなく橙色に変色する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Morchella americana
ヨーロッパに分布する
砂質土壌に発生する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国などにおける分布が知られている
本種と異なりトネリコ属およびコナラ属ではなく主にヤマナラシ属植物の樹下に発生する
本種より子実体の丈が高い
本種より柄の頂部の幅が広い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Morchella vulgaris
子実体が幼時暗色
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフランスなどにおける分布が知られている
本種と異なり頭部が帯黒灰色
本種と異なり頭部の網目が不規則形
本種と異なり柄の基部が象の足状に膨大し溝を生じる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される