(仮訳)中国南西部産のClavulina属1新種の形態および分子的根拠
He, G., Chen, S-L. & Yan, S-Z. 2016. Morphological and molecular evidence for a new species in Clavulina from southwestern China. Mycoscience. Available at: https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/57/4/57_MYC57255/_article/-char/en [Accessed May 11, 2024] 【R3-11689】2024/5/11投稿

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3行まとめ

中国貴州省で採集された菌を検討し、Clavulina lividaとして新種記載した。
本種は子実体が灰色で分枝しないか掌状に分枝し、担子器が2胞子性、担子胞子が球形~類球形でシスチジアを欠き、クランプを豊富に有することなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析でも独自の系統を形成し、中国産の6番目のClavulina属菌として報告された。
中国貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州茘波県茂蘭国家級自然保護区

(新種)

Clavulina livida Shu Z. Yan, G. He & Shuang L. Chen
語源…帯青灰色の(子実体の色から)
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【よく似た種との区別】
Clavulina amethystinoides(ムラサキホウキタケモドキ)
アジアに分布する
子実体が分枝しないか掌状に分枝することもある
シスチジアを欠く
菌糸にクランプを有する
本種と異なり中国ではなく北米、インドなどに分布する
本種と子実体の色が異なり”pale livid flesh”、”pale drab”、帯桃黄褐色、またはごく淡い紫色などで先端が顕著に黒色になる
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく類球形~広楕円形
Clavulina cavipes
本種と異なり子実体が白色で枝が帯桃色または”vinaceous drab”である
本種より担子胞子のサイズが小さい
Clavulina leveillei
子実体の枝の形状が類似している
本種と異なり子実体が純白色またはクリーム白色で先端が帯黄褐色
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
Clavulina ornatipes
中国に分布する
子実体が掌状に分枝する
本種と異なり米国における分布が知られている
本種と異なり柄表面が剛毛状の毛状である
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり菌糸の壁が無色ではなく褐色
本種と異なり菌糸にクランプを有するのではなく欠く
Clavulina lilliputiana
本種と異なり中国ではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なり子実体が微小である
本種と異なり子実体が白色~オリーブ灰色で触れると間もなく灰褐色に変色する
本種と異なり子実体が分枝しないか裂けて脳状になる
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
Clavulina cinerea(ハイイロカレエダタケ)
中国に分布する
本種と異なり子実体が白色
本種と異なり子実体が多数分枝する
本種と子実体の枝の形状が顕著に異なる
本種より担子胞子の幅が僅かに狭い
Clavulina cinereoglebosa
本種と子実体の形状が顕著に異なる
本種と子実体の枝の形状が顕著に異なる
Clavulina tepurumenga
本種と異なり中国ではなくギアナ楯状地などに分布する
本種と異なり子実体が淡紫灰色~濃紫灰色
本種と異なり子実体が盛んに3-6(-9)回複数平面で分枝する
本種より担子胞子のサイズが小さい
Clavulina monodiminutiva
本種と異なり中国ではなくガイアナなどに分布する
本種と異なり地上ではなく腐朽枝、材の断片、および葉などに生じる
本種と異なり子実体のサイズが非常に小さい
本種と異なり子実体が分枝しない
Clavulina griseohumicola
本種と異なり子実体が暗い帯青灰色
本種より担子胞子のサイズが小さい
Clavulina copiosocystidiata
子実体が灰色
本種と異なり中国ではなくニュージーランドなどに分布する
本種と異なり子実体が幼時類白色でのちに鼠色~帯褐灰色で頂部が老成すると象牙色になる
本種と異なり柄が老成すると象牙色になる
Clavulina copiosocystidiata
子実体の形状が類似していることがある
本種より子実体のサイズが小さい
本種より担子器が短い
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
Clavulina nigricans
子実層面が淡灰色で老成すると黒変する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が叢生する
本種と異なり子実体が盛んに分枝する
本種と異なり担子器が4-5胞子性
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavulina pakaraimensis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくガイアナなどに分布する
本種と異なり子実体が帯桃灰色~肉灰色
本種と異なり子実体が叢生する
本種と異なり子実体が盛んに分枝する
本種と異なり担子器が2-4胞子性
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavulina dicymbetorum
子実体のサイズが類似している
子実体が分枝しないことがある
担子器が2胞子性
本種と異なり中国ではなくガイアナなどに分布する
本種と異なり子実層面が帯灰青色で紫色を帯びる
本種と異なり柄が暗い帯紫褐色
本種より担子胞子のサイズが小さい
Clavulina amethystina
本種と異なり子実体が淡紫色~紫色
本種と異なり子実体が多数分枝する
Clavulina samuelsii
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくニュージーランドなどに分布する
本種と異なり子実体の色が”tilleul buff”である
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なりシスチジアを欠くのではなく有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavulina coralloides(カレエダタケ)
中国に分布する
子実体が分枝することがある
本種と異なり子実体が白色
Clavulina rugosa(カレエダタケモドキ)
中国に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が白色~クリーム色
本種と異なり子実体表面が典型的には縦方向の小皺状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Clavulina subrugosa
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくニュージーランドなどに分布する
本種と異なり子実体が分枝しないか糸状~扁平に分枝する
本種より担子胞子のサイズがかなり小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される