2018年9月10日 (仮訳)中国においてトクサバモクマオウに発生したマンネンタケ属2新種の形態および分子に基づく同定 Xing, J-H. et al., 2018. Morphological and molecular identification of two new Ganoderma species on Casuarina equisetifolia from China. MycoKeys. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6002419/ [Accessed September 10, 2018]. 【R3-05477】2018/9/10投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国南東部においてトクサバモクマオウの生木に発生した2種の菌を検討し、それぞれGanoderma angustisporum、G. casuarinicolaとして新種記載した。 前者は子実体が無柄で担子胞子が僅かに截断状の扁桃形であり、既知のどのマンネンタケ属菌よりも担子胞子の幅が狭いことなどで特徴づけられた。 後者は傘が帯赤褐色で強い光沢を有し、担子胞子が截断状の楕円形であることなどで特徴づけられた。 中国福建省福州市平潭県 (新種) Ganoderma angustisporum J.H. Xing, B.K. Cui & Y.C. Dai 語源…幅狭い胞子の 【よく似た種との区別】 Ganoderma casuarinicola 中国に分布する 同じトクサバモクマオウを宿主とする ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が帯赤褐色~暗褐色ではなく帯赤褐色 本種と異なり肉が同質なのではなく完全に同質ではない 本種と異なり肉に黒色のメラニン状の帯線を欠く 本種より担子胞子が短い 本種より担子胞子の幅が広い 本種と異なり担子胞子が扁桃形ではなく楕円形 本種と異なり表皮細胞が薄壁ではなく厚壁 本種と異なり表皮細胞に隔壁を欠く ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma boninense(シママンネンタケ) 子実体が無柄 子実体表面に光沢を有する 担子胞子の幅が比較的狭い ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく日本などに分布する 本種と異なり傘が帯赤褐色~暗褐色ではなく橙色~帯赤褐色でほぼ黒色のこともある 本種と異なり肉に同心円状の生長帯を欠く 本種より担子胞子の幅が僅かに広い ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma ryvardenii 子実体が無柄 子実体表面に光沢を有する ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくカメルーンなどに分布する 本種と異なり子実体が帯赤褐色~暗褐色ではなく帯赤色 本種と異なり子実体縁部が波打つ 本種より孔口のサイズが大きい 本種より担子胞子の幅が広い ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma zonatum 子実体が無柄 子実体表面に光沢を有する ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく米国などに分布する 本種と異なり肉に黒色のメラニン状の帯線を欠く 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国広東省茂名市電白区 (新種) Ganoderma casuarinicola J.H. Xing, B.K. Cui & Y.C. Dai 語源…モクマオウ属に生息する 【よく似た種との区別】 Ganoderma angustisporum 中国に分布する 同じトクサバモクマオウを宿主とする ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が帯赤褐色ではなく帯赤褐色~暗褐色 本種と異なり肉が完全に同質ではないのではなく同質 本種と異なり肉に黒色のメラニン状の帯線を有する 本種より担子胞子が長い 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく扁桃形 本種と異なり表皮細胞が厚壁ではなく薄壁 本種と異なり表皮細胞に隔壁を有する ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma enigmaticum ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく南アフリカなどに分布する 本種と異なり傘が帯赤褐色ではなく黄金色 本種と異なり傘表面に溝線を欠く 本種より担子胞子の幅が狭い ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma aridicola ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなく南アフリカなどに分布する 本種と異なり子実体がやや有柄~有柄ではなく無柄 本種と異なり傘が帯赤褐色ではなく暗褐色~黒色 本種より担子器のサイズが大きい ITS+EF1-α+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Ganoderma tsugae 中国に分布する 傘が帯赤褐色 孔口面が白色 肉に黒色のメラニン状の帯線を欠く 担子胞子の幅が類似している 担子胞子が楕円形 本種と異なり米国における分布が知られている 本種と異なりトクサバモクマオウではなくツガ属、モミ属、カラマツ属など針葉樹のみを宿主とする 本種と異なり肉に同心円状の生長帯を欠く 本種と異なり殻皮直下に淡黄色の層を欠く