(仮訳)形態形質および分子系統解析により明らかになった中国産のRussula亜属3新種
Chen, B. et al., 2022. Morphological Characters and Molecular Phylogeny Reveal Three New Species of Subgenus Russula from China. Life. Available at: https://www.mdpi.com/2075-1729/12/4/480 [Accessed March 29, 2022] 【R3-09368】2022/3/29投稿

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3行まとめ

中国からRussula leucomarginataR. roseola、およびR. subsanguinariaの3新種を記載した。
R. leucomarginataは傘縁部が帯黄白色~帯赤白色、R. roseolaは傘縁部が桃色~ばら色で傘シスチジアが時に3細胞からなり、R. subsanguinariaは傘が帯赤褐色~暗褐色で担子胞子が疣状、子実層シスチジアがSV+帯赤黒色であることなどで特徴づけられた。
分子系統解析でこれらの3新種はRussula亜属クレードにおいて独自の系統を形成した。
中国雲南省シャングリラ市小中甸鎮上吉沙

(新種)

Russula leucomarginata B. Chen, J. F. Liang and X. M. Jiang
語源…白い縁部の(傘の色から)
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【よく似た種との区別】
Russula rhodocephala
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく米国などに分布する
本種と異なりマツ属樹木と関係を持つ
本種と異なり子実体が非常に堅固である
本種と異なり傘が帯赤橙色
本種と異なり傘縁部に条線を欠く
本種より担子器がしばしば長い
本種と異なり担子胞子の”suprahilar spot”が強いアミロイド性を示すパッチ状である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula subsanguinaria
中国に分布する
ITSおよびnrLSU+RPB1+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマツ属樹木と関係を持つ
本種と異なり傘縁部が帯赤橙色~帯褐赤色
本種より側シスチジアが短い
本種より縁シスチジアが短い
本種より傘シスチジアがしばしば長い
ITSおよびnrLSU+RPB1+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula sanguinaria
ITSおよびnrLSU+RPB1+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくドイツ、モンテネグロなどに分布する
本種と異なり主にマツ属の樹下に生じる
本種と異なり傘の直径に変異が大きい
本種と異なり傘縁部表面が常に平滑
本種と異なり傘の表皮が剥がれない
本種と異なり子実体に果実臭がある
本種と異なり側シスチジアがやや鋭頭~鋭頭
本種より縁シスチジアが通常短い
ITSおよびnrLSU+RPB1+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国四川省美姑県大風頂国家級自然保護区洪渓保護局

(新種)

Russula roseola B. Chen, J. F. Liang and X. M. Jiang
語源…ばら色の(傘の色から)
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【よく似た種との区別】
Russula americana
同じモミ属、ツガ属樹木と関係を持つ
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくカナダなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula thindii
アジアに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくインドなどに分布する
本種と異なり傘が黄褐色~血赤色
本種と異なり柄が帯赤色~帯ワイン色
本種と異なり胞子紋が淡黄色
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より側シスチジアが長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula salishensis
同じツガ属樹木と関係を持つ
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく米国などに分布する
本種と異なりトガサワラ属樹木と関係を持つ
本種と異なり傘中央部が濃ワイン色
本種と異なり傘縁部が帯黄色または帯桃色~肉色で淡い帯緑灰色を帯びる
本種と異なり子実体に果実臭がある
本種より担子器の幅が狭い
本種と異なり担子胞子の装飾がやや網目状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula queletii
同じマツ属樹木と関係を持つ
ITSおよびnrLSU+RPB1+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくドイツなどに分布する
本種と異なり主にトウヒ属樹木と関係を持つ
本種と異なり傘が帯ワイン赤色~紫色
本種と異なり柄が帯ワイン赤色~紫色
本種と異なり子実体に強い果実臭がある
ITSおよびnrLSU+RPB1+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula fuscorubroides
同じマツ属樹木と関係を持つ
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくドイツなどに分布する
本種と異なり通常トウヒ属の樹下に生じる
本種と異なり傘がワイン色~帯黒深紅色
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国吉林省延辺朝鮮族自治州安図県長白山脈

(新種)

Russula subsanguinaria B. Chen, J. F. Liang and X. M. Jiang
語源…Russula sanguinaria類似
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【よく似た種との区別】
Russula leucomarginata
中国に分布する
ITSおよびnrLSU+RPB1+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマツ属樹木と関係を持つという特徴を欠く
本種と異なり傘縁部が帯赤橙色~帯褐赤色でない
本種より側シスチジアが長い
本種より縁シスチジアが長い
本種より傘シスチジアがしばしば短い
ITSおよびnrLSU+RPB1+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula sanguinaria
ITSおよびnrLSU+RPB1+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種と異なり中国ではなくドイツ、モンテネグロなどに分布する
本種と異なり傘が明るい洋紅赤色
本種と異なり傘縁部が平滑
本種と異なり子実体に果実臭がある
本種より側シスチジアのサイズがしばしば大きい
ITSおよびnrLSU+RPB1+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula americana
同じマツ科樹木と関係を持つ
形態的に類似している(混同のおそれがある)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマツ属ではなくモミ属およびツガ属樹木と関係を持つ
本種と異なり襞が頻繁に叉状分岐する
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula rhodocephala
形態的に類似している(混同のおそれがある)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が非常にしっかりとしている
本種と異なり傘が明緋色
本種より担子器のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子の”suprahilar spot”が強いアミロイド性を示すパッチ状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula salishensis
同じマツ科樹木と関係を持つ
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマツ属ではなくトガサワラ属およびツガ属樹木と関係を持つ
本種と異なり傘縁部が淡い帯緑灰色
本種と異なり子実体に果実臭がある
本種より担子器が長い
本種と異なり担子胞子の装飾がやや網目状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される