2024年3月6日 （仮訳）インドのヒマラヤ地域に産したLactarius属4新種の形態および系統分類 Das, K., Verbeken, A. & Nuytinck, J. 2015. Morphology and phylogeny of four new Lactarius species from Himalayan India. Mycotaxon. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2015/00000130/00000001/art00015 [Accessed March 6, 2024] 【R3-11493】2024/3/6投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません（大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため）。 3行まとめ インドのヒマラヤ地域からLactarius olivaceoglutinus、L. pyriodorus、、L. yumthangensis、およびL. indochrysorrheusの4新種を記載した。 前3種はPiperites亜属に含まれ、後1種はRussularia亜属の種と近縁であった。 分子系統解析の結果、Piperites亜属とRussularia亜属の単系統性は認められなかった。 India, Sikkim, North District, Dombang （新種） Lactarius indochrysorrheus K. Das & Verbeken 語源…インドのLactarius chrysorrheus 【よく似た種との区別】 Lactarius chrysorrheus（キチチタケ） 傘の色が類似している 乳液が速やかに硫黄色～帯緑黄色になる ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなくベルギー、フランス、イタリアなどに分布する 本種ほど傘表面に粘性がない 本種と異なり傘表皮が緩く錯綜した平行菌糸被であり、顕著な粘液層を欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius vinaceorufescens 傘の色が類似している 乳液が速やかに硫黄色～帯緑黄色になる ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなくカナダなどに分布する 本種と異なりインドではなく北米などに分布する 本種と異なり傘表皮が比較的薄い粘質平行菌糸被である 本種と異なり柄表皮が粘質平行菌糸被でない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius xanthogalus 傘が淡色～橙色 傘に同心円状の模様がある 乳液が速やかに硫黄色になる 本種と異なりインドではなくパプアニューギニアなどに分布する 本種と異なり担子胞子の装飾がシマウマ模様である India, Sikkim, North District, Shingba Rhododendron sanctuary （新種） Lactarius olivaceoglutinus K. Das & Verbeken 語源…オリーブ色の粘性のある（傘の色と表面性状から） 【よく似た種との区別】 Lactarius albocarneus（ニクイロチチタケ） 傘表皮が厚い粘質毛状被である ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなくフランスなどに分布する 本種と異なり傘が帯オリーブ色ではなく主にクリーム色～せいぜい帯オリーブ黄褐色である 本種と異なり乳液が水っぽい白色でのちに微かに帯桃色なのではなく徐々に硫黄色になる 本種と異なり担子胞子の装飾が細長い～円錐形の疣状になることがない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius caespitosus 傘が灰色～オリーブ褐色 傘表面に粘性がある ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなく北米などに分布する 本種より担子胞子のサイズがわずかに大きい 本種と異なり担子胞子の装飾がシマウマ模様ではなく顕著に丈が低い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius elaioviscidus インドに分布する 傘が帯オリーブ色である 傘表面に粘性がある 乳液が水っぽい白色である 本種と異なり傘に乳頭突起を有する 本種と異なり柄が帯黄白色～帯灰黄色で桃色を帯びない 本種と異なり乳液が長く露出すると黄色～帯黄緑色になる 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子の装飾がシマウマ模様でない India, Sikkim, North District, Dombang （新種） Lactarius pyriodorus K. Das & Verbeken 語源…梨の臭いの（新鮮な子実体の臭いから） 【よく似た種との区別】 Lactarius formosus 同じPiperites亜属に含まれる アジアに分布する 乳液が淡紫色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなくタイなどに分布する 本種と異なり傘表面にゼラチンの毛が束をなす ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius luridus 子実体が暗色 子実体表面にやや同心円状の模様をあらわす ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなくスウェーデン、ベルギーなどに分布する 本種と異なり典型的には広葉樹と関係を持つ 本種と異なり傘表面に斑点をあらわす 本種と異なり傘表面が厚い粘液に覆われない 本種と異なり柄基部表面が決して剛毛状にならない 本種と異なり子実体に独特な梨の臭いを欠く ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius brunneoviolaceus ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなくフランス、スウェーデンなどに分布する 本種と異なりヤナギ属植物と関係を持つ 本種と異なり子実体が非常に小さい 本種と異なり子実体に独特な梨の臭いではなくシダーオイル臭がある 本種と異なり担子胞子がかなり大型である ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius pseudouvidus ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなくスウェーデンなどに分布する 本種と異なりヤナギ属植物と関係を持つ 本種と異なり子実体が非常に小さい 本種より担子胞子の装飾の丈が顕著に低い 本種と異なり子実層シスチジアが類紡錘形～円筒形で頂部が丸い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius uvidus（トビチャチチタケ） 針葉樹の樹下に発生することがある ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなくロシア、フィンランド、スウェーデン、フランスなどに分布する 本種ほど子実体が暗色でない 本種と異なり担子胞子の装飾が丸い疣状および隆起状で不完全な網目をなす ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される India, Sikkim, North District, Yumthang valley of Shingba Rhododendron sanctuary （新種） Lactarius yumthangensis K. Das & Verbeken 語源…ユムサン産の 【よく似た種との区別】 Lactarius flexuosus 形態的にかなり類似している ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなくスウェーデン、チェコなどに分布する 本種と異なり柄頂部が狭窄しない 本種と異なり乳液が露出すると帯緑黄色に変色するのではなく白色で変色しない 本種より胞子紋が僅かに暗色である 本種と異なり縁マクロシスチジア頂部が数珠状になることがある ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Lactarius trivialis（キハダチチタケ） 形態的にかなり類似している ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なりインドではなくロシア、チェコ、スウェーデンなどに分布する 本種より胞子紋が僅かに暗色である 本種より担子胞子のサイズが顕著に大きい 本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなく粘質平行菌糸被～粘質毛状被 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される