(仮訳)「ゾンビアント菌」クレードに属するOphiocordyceps属2新種の形態、系統、および宿主特異性
Tang, D. et al. 2023. Morphology, phylogeny and host specificity of two new Ophiocordyceps species belonging to the “zombie-ant fungi” clade (Ophiocordycipitaceae, Hypocreales). MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/107565/ [Accessed October 24, 2023] 【R3-11090】2023/10/24投稿

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3行まとめ

中国雲南省においてアリに発生した冬虫夏草の2種を検討し、Ophiocordyceps tortuosaO. ansiformisとして新種記載した。
COI配列を用いたDNAバーコーディングにより、両種は同一のヒラズオオアリ属の種を宿主とすることが明らかになった。
2新種を含むO. unilateralis複合種の検索表を掲載した。
中国雲南省普洱市思茅区

(新種)

Ophiocordyceps tortuosa Hong Yu bis, D.X. Tang & J. Zhao
語源…ねじれた(子嚢胞子の子嚢内部での配列から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ophiocordyceps ansiformis
中国に分布する
同じヒラズオオアリ属のアリを宿主とする
宿主が葉を噛んだ状態で死亡する
子嚢果が半球形
子嚢殻がフラスコ形
子嚢が円筒形
子嚢の”prominent cap”のサイズの範囲が同一である
子嚢の”prominent cap”が半球形
子嚢胞子が槍形
無性世代がHirsutella-A型である
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子座が単生~複数生じるのではなく単生する
本種と異なり子座が分枝するのではなく分枝することがない
本種より子嚢果のサイズが小さい
本種より子嚢殻のサイズが小さい
本種より子嚢のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が子嚢内部でねじれて配列するという特徴を欠く
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり子嚢胞子の中位にハンドルのような構造を有する
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が6-7ではなく6-9
本種より無性世代のサイズが短い
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps contiispora
同じヒラズオオアリ属のアリを宿主とする
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子座が分枝するのではなく分枝することがない
本種と異なり子嚢胞子が槍形ではなく紡錘形
本種と異なり子嚢胞子の隔壁が明瞭でない
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州景洪市普文鎮

(新種)

Ophiocordyceps ansiformis Hong Yu bis, D.X. Tang & J. Zhao
語源…ハンドル形の(子嚢胞子の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ophiocordyceps tortuosa
中国に分布する
同じヒラズオオアリ属のアリを宿主とする
宿主が葉を噛んだ状態で死亡する
子嚢果が半球形
子嚢殻がフラスコ形
子嚢が円筒形
子嚢の”prominent cap”のサイズの範囲が同一である
子嚢の”prominent cap”が半球形
子嚢胞子が槍形
無性世代がHirsutella-A型である
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子座が単生するのではなく単生~複数生じる
本種と異なり子座が分枝することがないのではなく分枝する
本種より子嚢果のサイズが大きい
本種より子嚢殻のサイズが大きい
本種より子嚢のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子が子嚢内部でねじれて配列する
本種より子嚢胞子が長い
本種と異なり子嚢胞子の中位にハンドルのような構造を有するという特徴を欠く
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が6-9ではなく6-7
本種より無性世代のサイズが長い
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps contiispora
同じヒラズオオアリ属のアリを宿主とする
子座が分枝することがない
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢果が半球形ではなく盤形
本種と異なり子嚢胞子がハンドルのような構造を伴う槍形ではなく紡錘形
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps acroasca
同じアリ科昆虫を宿主とする
子座が分枝することがない
子嚢果が半球形
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヒラズオオアリ属ではなくオオアリ属のアリを宿主とする
本種と異なり子嚢殻がフラスコ形ではなく卵状
本種より子嚢胞子が長い
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子が槍形ではなく蠕虫形
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiocordyceps septa
同じアリ科昆虫を宿主とする
子座が分枝することがない
子嚢果が半球形
子嚢胞子が槍形
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヒラズオオアリ属ではなくオオアリ属のアリを宿主とする
本種と異なり子嚢殻がフラスコ形ではなく紡錘状楕円形
本種より子嚢胞子の幅が広い
nrLSU+nrSSU+TEF1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される