(仮訳)南アフリカ産の糞生の新種、Mucor renisporus
Jacobs, K. & Botha, A., 2008. Mucor renisporus sp. nov., a new coprophilous species from Southern Africa. Fungal Diversity. Available at: http://www.fungaldiversity.org/fdp/sfdp/29-3.pdf [Accessed February 10, 2017].
【R3-03741】2017/02/10投稿

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3行まとめ

南アフリカ、西ケープ州においてイヌの糞に発生した菌を検討し、Mucor renisporusとして新種記載した。
本種は胞子嚢柄の丈が高く、胞子嚢胞子が腎臓形で、生育適温が同属他種よりも高い20-25°Cであることなどで特徴づけられた。
分子系統解析の結果、ケカビ属が単系統でないことを確かめるとともに、ITSよりもEF1-αおよびアクチン遺伝子が識別により有用であることを示した。
South Africa, Western Cape, Somerset-West

(新種)

Mucor renisporus K. Jacobs & Botha
語源…腎臓形の胞子の(胞子嚢胞子の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Mucor mucedo
糞生菌である
胞子嚢柄の丈が高いかあるいは低い
柱軸の幅が同一
アクチン、EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり水、土壌などからも分離される
本種と異なり胞子嚢柄が分枝しないかシンポジオ状に分枝するのではなく通常分枝しない
本種と異なり胞子嚢柄が15°C以下で屈曲する
本種と異なり柱軸が洋梨形~円筒形ではなく倒卵状~楕円形
本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり胞子嚢胞子が腎臓形~楕円形ではなく球形~楕円形
本種と異なり接合胞子を形成する
本種よりコロニーの丈が低い
アクチン、EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mucor piriformis
胞子嚢柄の丈が高いかあるいは低い
本種と異なり土壌、果実などから分離される
本種と異なり果実にポストハーベスト病害を引き起こすことが知られている
本種と異なり胞子嚢柄が分枝しないかシンポジオ状に分枝するのではなくシンポジオ状に分枝する
本種より柱軸の幅が広い
本種と異なり柱軸が洋梨形~円筒形ではなく様々な形状をとる
本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり胞子嚢胞子が腎臓形~楕円形ではなく楕円形
本種よりコロニーの丈が低い
Mucor grandis
糞生菌である
胞子嚢柄の丈が高い
胞子嚢胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なりコロニー基部に丈の低い胞子嚢柄を生じるという特徴を欠く
本種と異なり胞子嚢柄が分枝しないかシンポジオ状に分枝するのではなく通常分枝しない
本種と異なり胞子嚢柄が時に屈曲する
本種より柱軸の幅が狭い
本種と異なり胞子嚢柄に顕著なカラレットを有するのではなく短い刺の列のみを有する
本種と異なり柱軸が洋梨形~円筒形ではなく円筒状楕円形
本種と異なり胞子嚢胞子が腎臓形~楕円形ではなく楕円形
本種よりコロニーの丈が高い
Mucor minutus
胞子嚢柄の丈が高いかあるいは低い
本種と異なり胞子嚢柄が分枝しないかシンポジオ状に分枝するのではなくシンポジオ状に分枝する
本種より柱軸の幅が狭い
本種と異なり柱軸が洋梨形~円筒形ではなく楕円形~円筒形
本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり胞子嚢胞子が腎臓形~楕円形ではなく類球形
本種よりコロニーの丈が高い
Mucor flavus
糞生菌である
胞子嚢柄の丈が高いかあるいは低い
アクチン、EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり土壌からも分離される
本種と異なり胞子嚢柄が分枝しないかシンポジオ状に分枝するのではなくシンポジオ状に分枝する
本種より柱軸の幅が狭い
本種と異なり柱軸が洋梨形~円筒形ではなく楕円形~洋梨形
本種より胞子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり胞子嚢胞子が腎臓形~楕円形ではなく楕円形
本種と異なり接合胞子を形成する
本種よりコロニーの丈が低い
アクチン、EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mucor plumbeus
ITS、アクチン、EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
ITS、アクチン、EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される