(仮訳)ヒポクレア科類似の子座を有する例外的な新種、Nectria eustromatica
Jaklitsch, WM. & Voglmayr, H., 2011. Nectria eustromatica sp. nov., an exceptional species with a hypocreaceous stroma. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/103/1/209.short [Accessed July 15, 2015].
【R3-02011】2015/07/15投稿

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3行まとめ

クロアチアおよびイタリアにおいてHippocrepis emerusの茎に発生した菌を検討し、Nectria eustromaticaとして新種記載した。
本種はテレオモルフとアナモルフの両方を有し、偽柔組織の子座に子嚢殻が埋生すること、大分生子を形成することなどで特徴づけられた。
本種は一見ヒポクレア科菌類のような特異な形態を有しているにもかかわらず、分子系統解析では狭義のNectria属クレードに含まれた。
Croatia, Primorsko-Goranska, Opatija, Mošćenička Draga, village area

(新種)

Nectria eustromatica Jaklitsch & Voglmayr
語源…真の子座の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Nectria pseudotrichia(アカツブタケ)
分生子柄が繰り返し単分枝する
nrLSU+ITS+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアおよびイタリアではなくベネズエラなどに分布する
本種と異なり子嚢胞子が初め単細胞、のちに2細胞なのではなく石垣状
本種と異なりアナモルフがシンネマ形成性のTubercularia
nrLSU+ITS+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Nectria aurantiaca
分生子柄が繰り返し単分枝する
nrLSU+ITS+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアおよびイタリアではなくイギリスなどに分布する
本種と異なりHippocrepis emerusではなくニレ属植物などを宿主とする
本種と異なりアナモルフがシンネマ形成性
本種と異なり大分生子が知られていない
nrLSU+ITS+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Nectria cinnabarina(ベニアワツブタケ)
nrLSU+ITS+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアおよびイタリアではなくオーストリアなどに分布する
本種と異なりHippocrepis emerusではなくFrangula属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子柄が繰り返し単分岐するのではなく頂側生
本種と異なり大分生子が知られていない
nrLSU+ITS+rpb2+EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Nectria catalinensis
偽柔組織からなる子座を形成する
子嚢胞子のサイズが類似している
大分生子の形態が類似している
本種と異なりクロアチアおよびイタリアではなくアルゼンチンに分布する
本種と異なりHippocrepis emerusではなくGleditsia属植物を宿主とする
本種と異なり子座が黒色ではなく赤色系
本種と異なり子座表面が瘤状(子嚢殻が部分的に突出する)
本種と異なり子嚢胞子に条線を有する
本種より大分生子のサイズが小さい
Nectria balansae
偽柔組織からなる子座を形成する
子嚢胞子のサイズが類似している
本種と異なりクロアチアおよびイタリアではなくアルゼンチンに分布する
本種と異なり子座が黒色ではなく赤色系
本種と異なり子座表面が瘤状(子嚢殻が部分的に突出する)
本種と異なり子嚢胞子に条線を有する
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Nectria sordida
偽柔組織からなる子座を形成する
子嚢胞子のサイズが類似している
本種と異なりクロアチアおよびイタリアではなくアルゼンチンに分布する
本種と異なり子座が黒色ではなく赤色系
本種と異なり子座表面が瘤状(子嚢殻が部分的に突出する)
本種より子嚢殻のサイズが顕著に小さい
Peethambara sundara
子嚢胞子の形状が類似している
本種と異なりネクトリア科ではなくバイオネクトリア科に含まれる
本種と異なりクロアチアおよびイタリアではなくインドに分布する
本種と異なり子嚢殻が子座に埋生するのではなく独立して生じる
本種と異なり子嚢殻が黄色
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なりアナモルフがDidymostilbe
本種と異なりアナモルフがシンネマ形成性
本種と異なり分生子が2細胞
Cucurbitaria coronillae
同所的に分布する
同じHippocrepis emerusを宿主とする(同一宿主個体に発生することがある)
子座の形態が一見類似している
本種と異なり子座内部が橙色~橙褐色でない