(仮訳)新属新種Neomensularia duplicataおよび2新組み合わせ
Wu, F., Zhou, L-W. & Dai, Y-C., 2016. Neomensularia duplicata gen. et sp. nov. (Hymenochaetales, Basidiomycota) and two new combinations. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.3852/16-020 [Accessed May 11, 2017].
【R3-04014】2017/05/12投稿

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3行まとめ

中国海南省においてシイ属の材に発生した菌を検討し、新属新種Neomensularia duplicataとして記載した。
本属は子実体が一年生で傘状、褐色~黒褐色で肉が2層からなり、2菌糸型であることなどで特徴づけられた。
また、中米産のInonotus crocitinctusおよびアジア産のFulvifomes kanehiraeの2種を再検討し、新属に移した。
中国海南省陵水リー族自治県吊羅山森林公園

(新種)

Neomensularia duplicata F. Wu, L.W. Zhou & Y.C. Dai
語源…(属名)新しいMensularia属/(種小名)二重の(肉が2層からなることから)
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【よく似た種との区別】
Neomensularia kanehirae(ユラタケ)
中国に分布する
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり台湾などにおける分布が知られている
本種と異なりシイ属ではなくヒメツバキ属植物などを宿主とする
本種と異なり子実体が一年生ではなく多年生
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり無柄ではなく側生する柄を有する
本種と異なり担子胞子がコットンブルー染色性
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Neomensularia crocitincta
本種と異なり中国ではなくコスタリカ、ベネズエラなどに分布する
本種と異なりシイ属ではなくマキ属植物などを宿主とする
本種より担子胞子のサイズが大きい
Mensularia radiata(ミヤマウラギンタケ)
担子胞子が有色
担子胞子が厚壁
子実層剛毛が屈曲状~鉤状
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり温帯林に分布する
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり肉が2層からなるのではなく同質
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子がコットンブルー染色性
本種と異なり菌糸構成が2菌糸型ではなく1菌糸型
本種と異なり剛毛が菌糸状
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Neomensularia crocitincta (Berk. & M.A. Curtis) F. Wu, L.W. Zhou & Y.C. Dai
旧名:Inonotus crocitinctus (Berk. & M.A. Curtis) Ryvarden
(基礎異名はPolyporus crocitinctus Berk. & M.A. Curtis)
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【よく似た種との区別】
Neomensularia duplicata
本種と異なりコスタリカ、ベネズエラなどではなく中国に分布する
本種と異なりマキ属ではなくシイ属植物などを宿主とする
本種より担子胞子のサイズが小さい

(新組み合わせ)

Neomensularia kanehirae (Yasuda) F. Wu, L.W. Zhou & Y.C. Dai
ユラタケ
旧名:Fulvifomes kanehirae (Yasuda) Y.C. Dai
(基礎異名はPolyporus kanehirae Yasuda)
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【よく似た種との区別】
Neomensularia duplicata
中国に分布する
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり台湾などにおける分布が知られていない
本種と異なりヒメツバキ属などではなくシイ属植物を宿主とする
本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生
本種より孔口のサイズが小さい
本種と異なり側生する柄を有するのではなく無柄
本種と異なり担子胞子がコットンブルー染色性でない
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される