(仮訳)ノルウェーおよびスウェーデン新産のMicarea属地衣とヨーロッパ産M. prasinaグループの検索表
Kantelinen, A. et al., 2021. New Micarea records from Norway and Sweden and an identification key to the M. prasina group in Europe. Graphis Scripta. Available at: https://researchportal.helsinki.fi/en/publications/new-micarea-records-from-norway-and-sweden-and-an-identification- [Accessed September 17, 2021] 【R3-08789】2021/9/17投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

スウェーデン新産種としてMicarea czarnotaeおよびM. pseudomicrococca、ノルウェー新産種としてM. fallaxをそれぞれ報告した。
また、スウェーデンにおいてM. laetaM. melanobolaを再発見した。
中欧および北欧産のM. prasinaグループの種の検索表を掲載した。

(スウェーデン新産種)

Micarea czarnotae Launis, van den Boom, Sérusiaux & Myllys
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Micarea micrococca
同じMicarea micrococca複合種に含まれる
形態的に類似している
地衣成分として”methoxymicareic acid”を含む
本種と異なり地衣体がオリーブ緑色ではなく淡オリーブ緑色~明緑色
本種と異なり地衣体が密で連続的な痂状ではなく小粒状
本種と異なり地衣体に結晶性顆粒を含む
本種と異なり子器を豊富に生じるという特徴を欠く
本種と異なり子器が帯灰色ではなくクリーム白色
本種と異なり子実上層がK+紫色ではなくK陰性
本種と異なり子実上層がC+紫色ではなくC陰性
本種より子嚢胞子が長い
本種ほど”mesopycnidia”を多数生じない
Micarea pseudomicrococca
スウェーデンに分布する
形態的に類似している
地衣成分として”methoxymicareic acid”を含む
分子系統解析で近縁(先行研究)
本種と異なり地衣体が密で連続的な痂状ではなく小粒状
本種と異なり地衣体に結晶性顆粒を含む
本種と異なり子器を豊富に生じるという特徴を欠く
本種と異なり子器が帯灰色ではなくクリーム白色(“Sedifolia-grey”色素を含まない)
本種と異なり子実上層がK+紫色ではなくK陰性
本種と異なり子実上層がC+紫色ではなくC陰性
本種より子嚢胞子が長い
本種より側糸の幅が広いことがある
本種ほど”mesopycnidia”を多数生じない

(ノルウェー新産種)

Micarea fallax A. Launis & L. Myllys
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Micarea melanobola
地衣成分として”micareic acid”を含む
分子系統解析で近縁(先行研究)
本種と異なり子器が暗灰色~帯黒色
Micarea prasina
樹上生地衣である
子実層に結晶性顆粒を含むことがある
地衣成分として”micareic acid”を含む
本種と異なり通常樹皮ではなく通常腐朽材に生じる
本種ほど地衣体が通常凝集しない
本種と異なり子実上層に結晶性顆粒を含む
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい
Micarea laeta
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(この種の若くて発達に乏しい標本に類似する)
本種より地衣体が通常濃色
本種より子器のサイズが典型的には大きい
本種と異なり子器が帯灰色~帯褐色ではなくクリーム白色
本種と異なり子器が半球形ではなく固着状
本種ほどゴニオシストが凝集しない
本種と異なり地衣成分として”methoxymicareic acid”ではなく”micareic acid”を含む

(その他掲載種)

Micarea laeta Launis & Myllys
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Micarea fallax
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(本種の若くて発達に乏しい標本に類似する)
本種より地衣体が通常淡色
本種より子器のサイズが典型的には小さい
本種と異なり子器がクリーム白色ではなく帯灰色~帯褐色
本種と異なり子器が固着状ではなく半球形
本種よりゴニオシストが凝集する
本種と異なり地衣成分として”micareic acid”ではなく”methoxymicareic acid”を含む
Micarea byssacea
スウェーデンに分布する
地衣成分として”methoxymicareic acid”を含む
本種と異なり地衣体がオリーブ緑色
本種と異なり地衣体が典型的には凝集したゴニオシストまたは連続的な痂状なのではなく微細な小粒状
本種と異なり子器が通常少なくとも部分的には帯灰色(”Sedifolia-grey”色素を含む)
本種と異なり子実上層がK陰性ではなくしばしばK+紫色
本種と異なり子実上層がC陰性ではなくしばしばC+紫色
Micarea microareolata
スウェーデンに分布する
地衣成分として”methoxymicareic acid”を含む
本種と異なり地衣体が典型的には凝集したゴニオシストまたは連続的な痂状なのではなく少なくとも部分的に小区画状
本種と異なり子器がクリーム白色~淡い帯褐色でない
本種より子嚢胞子の幅が狭い

(その他掲載種)

Micarea melanobola (Nylander) Coppins
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Micarea fallax
地衣成分として”micareic acid”を含む
分子系統解析で近縁(先行研究)
本種と異なり子器が暗灰色~帯黒色でない
Micarea prasinas
形態的に類似している(同種とされたことがよくあった)
地衣成分として”micareic acid”を含む
分子系統解析で近縁(先行研究)
本種より子器の幅が広い
本種異なり子器が暗灰色~帯黒色ではなくより淡色
本種と異なり子実層に結晶性顆粒を含むという特徴を欠く
本種と異なりほとんどの場合子実上層に結晶性顆粒を含む
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい
Micarea nowakii
樹上生地衣である
地衣成分として”micareic acid”を含む
本種と異なり通常樹皮ではなく腐朽材に生じる
本種と異なり日陰の湿った場所ではなく日なたに生じる
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり粉子器が埋生するのではなく”emergent”~短い有柄

(スウェーデン新産種)

Micarea pseudomicrococca Launis & Myllys
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Micarea czarnotae
スウェーデンに分布する
形態的に類似している
地衣成分として”methoxymicareic acid”を含む
分子系統解析で近縁(先行研究)
本種と異なり地衣体が小粒状ではなく密で連続的な痂状
本種と異なり地衣体に結晶性顆粒を含まない
本種と異なり子器を豊富に生じる
本種と異なり子器がクリーム白色ではなく帯灰色(“Sedifolia-grey”色素を含む)
本種と異なり子実上層がK陰性ではなくK+紫色
本種と異なり子実上層がC陰性ではなくC+紫色
本種より子嚢胞子が短い
本種より側糸の幅が広いことがあるという特徴を欠く
本種より”mesopycnidia”を多数生じる
Micarea micrococca
地衣体が小粒状
地衣体に結晶性顆粒を含む
子器がクリーム白色
子器内部がK陰性
子器内部がC陰性
地衣成分として”methoxymicareic acid”を含む
分子系統解析で近縁(先行研究)
本種と異なり地衣体がオリーブ緑色~明緑色ではなく明緑色
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり側糸に2型があるのではなく単型
本種より側糸の幅が狭いことがある