(仮訳)インド、シッキム・ヒマラヤ産の新規あるいは興味深いベニタケ属菌
Das, K., Van de Putte, K., Buyck, B. 2010. New or interesting Russula from Sikkim Himalaya (India). Cryptogamie, Mycologie. Available at: https://www.researchgate.net/profile/Kanad_Das3/publication/272996940_New_or_interesting_Russula_from_Sikkim_Himalaya_India_Cryptogam_Mycol/links/54f7fb470cf2ccffe9dc4c43.pdf [Accessed July 9, 2016].
【R3-03090】2016/07/09投稿

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3行まとめ

インド、シッキム州において採集されたベニタケ属菌を検討し、Russula khanchanjungaeおよびR. tsokaeの2新種を記載した。
前者は傘表面が小区画状、襞の間隔が密で塩素臭を有する点、後者は傘が帯赤褐色で柄が帯黄褐色、担子胞子の類網目状装飾の丈が非常に高い点などでそれぞれ特徴づけられた。
また、インド新産種として従来中国から知られていたR. griseocarnosaを報告し、インドにおける宿主が同様にマテバシイ属植物であることを示した。
India, Sikkim, Khanchanjunga Biosphere Reserve, path from Tsoka to Djongri

(新種)

Russula khanchanjungae Van de Putte, K. Das & Buyck
語源……カンチェンジュンガ(生物圏保護区)産の
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【よく似た種との区別】
Russula eccentrica
同じCompacta亜属に含まれる
子実体に不快臭を有する
担子胞子の形態が非常に類似している
子実層シスチジアの基部が急に細まり、しばしばほぼ截断状
“marginal cell”の形態が非常に類似している
傘シスチジアの形態が非常に類似している
本種と異なりインドではなく北米などに分布する
本種と異なり傘表面が小区画状~亀裂状という特徴を欠く
本種と異なり襞の色が成熟しても不変または傷つくと緩やかに桃褐色を帯びるのではなく成熟すると顕著に帯褐桃色~帯桃褐色に変色する
本種と襞の間隔が異なる
Russula subfistulosa
傘表面が小区画状~亀裂状
襞の幅が狭い
襞の間隔が非常に密
柄が比較的長い
柄表面が小区画状~亀裂状
肉がしっかりとしている
本種と異なりインドではなく熱帯アフリカなどに分布する
本種と異なり肉が露出すると帯桃赤色、次いで帯灰黒色に変色するのではんかう桃色を帯びる
本種と異なり味が非常に辛い
本種と異なり塩素臭があるのではなく無臭
本種と顕微鏡的形態が大きく異なる
Russula subnigricans(ニセクロハツ)
同じCompacta亜属に含まれる
地理的分布が類似している
肉に強い変色性を欠く
本種ほど襞の幅が狭くない
本種より襞の間隔が広い
本種と顕微鏡的形態が異なる
Russula indica
同じCompacta亜属に含まれる
地理的分布が類似している
本種と異なり肉が強く黒変する
Russula purpureonigra
同じCompacta亜属に含まれる
地理的分布が類似している
本種と異なり肉が強く黒変する
Russula compacta(アカカバイロタケ)
同じCompacta亜属に含まれる
傘表面が小区画状になることがある
襞が傷つくと褐変する
襞の間隔が密
子実体に強い不快臭を有する
本種と異なりインドのみではなく広範に分布する
本種と傘表皮の顕微鏡的形態がかなり異なる
India, Sikkim, Tsoka

(新種)

Russula tsokae K. Das, Van de Putte & Buyck
語源…Tsoka産の
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【よく似た種との区別】
Russula senecis(オキナクサハツ)
インド、シッキム州に分布する
傘表面に粘性を有する
傘に小瘤状の条線を有する
柄が帯黄色
柄の内部に小室を有する
担子胞子の畝状および瘤状装飾の丈が高い
本種と異なり日本などにおける分布が知られている
本種と異なりツガ属およびヒメツバキ属ではなくコナラ属およびマテバシイ属植物の樹下に発生する
本種と異なり襞が帯黄白色で赤褐色に変色するのではなくクリーム色で褐色の縁取りを有する
本種と異なり柄表面に黄褐色~褐色の点を生じる
Russula periglypta
同じIngratula亜属に含まれる
インドに分布する
傘表面に粘性を有する
傘縁部に小瘤状の条線を有する
担子胞子の形態が非常に類似していることがある
本種と異なりスリランカなどにおける分布が知られている
本種と異なり傘が帯赤褐色ではなく全体的に淡い帯黄色
本種と異なり柄が帯黄褐色ではなく白色
Russula fuscogrisea
同じIngratula亜属に含まれる
本種と異なりインドではなくスリランカなどに分布する
本種と異なり担子胞子の装飾が畝状および疣状ではなく密な疣状

(インド新産種)

Russula griseocarnosa X.H. Wang, Zhu L. Yang & Knudsen
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【よく似た種との区別】
Russula olivacea(クサイロアカネタケ)
子実体の色が類似している
傘表皮の形態が類似している
本種と異なり肉に強い黒変性を有するという特徴を欠く
本種と異なり肉が硫酸鉄で緑色に呈色するという特徴を欠く
本種と異なり胞子紋が白色でない