(仮訳)南極新産の地衣化した菌類
Halici, MG. et al., 2021. New records of lichenized fungi for Antarctica. Polish Polar Research. Available at: https://journals.pan.pl/Content/120587/2021-03-PPR-04-Halici-etal.pdf [Accessed July 15, 2023] 【R3-10788】2023/7/15投稿

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3行まとめ

南極のジェームズ・ロス島からCladonia acuminataRhizocarpon pusillum、およびRhizoplaca parilisを報告した。
これらの種の南極からの報告は初となった。
それぞれについてITS領域の塩基配列データを取得し、分子系統解析を実施した。

(南極新産種)

Cladonia acuminata (Ach.) Norrl.
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【よく似た種との区別】
Cladonia symphycarpa
石灰質基質に生じる
地衣成分としてアトラノリンを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子柄をほとんどの場合欠く
本種と異なり子柄がほとんどの場合分枝しないか稀に先端付近で二叉分岐するという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cladonia cariosa(カリエスゴケ)
石灰質基質に生じる
地衣成分としてアトラノリンを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子柄がほとんどの場合分枝しないか稀に先端付近で二叉分岐するという特徴を欠く
本種と異なり子器が稀ではなくほとんどの場合有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(南極新産種)

Rhizocarpon pusillum Runemark
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【よく似た種との区別】
Rhizocarpon adarense(ナンキョクミズギワノチズゴケ)
南極に分布する
地衣体が黄色
子嚢胞子の隔壁数が1
本種と異なり地衣上生でない
Rhizocarpon superficiale
南極に分布する
地衣体が黄色
子嚢胞子の隔壁数が1
本種と異なり地衣上生でない
Rhizocarpon alpicola
地衣体が黄色
子嚢胞子の隔壁数が1
本種と異なり南極における分布が知られていない
本種と異なり地衣上生のことがない
Rhizocarpon effiguratum
地衣上生のことがある
地衣体が黄色
子嚢胞子の隔壁数が1
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南極における分布が知られていない
本種と宿主地衣の種類が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhizocarpon eupetraeoides(フタゴチズゴケ)
地衣体が黄色
子嚢胞子の隔壁数が1
本種と異なり南極における分布が知られていない
本種と異なり地衣上生のことがない
Rhizocarpon inarense
地衣体が黄色
子嚢胞子の隔壁数が1
本種と異なり南極における分布が知られていない
本種と異なり地衣上生のことがない
Rhizocarpon norvegicum
地衣上生のことがある
地衣体が黄色
子嚢胞子の隔壁数が1
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南極における分布が知られていない
本種と宿主地衣の種類が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Rhizocarpon parvum
地衣上生のことがある
地衣体が黄色
子嚢胞子の隔壁数が1
本種と異なり南極における分布が知られていない
本種と宿主地衣の種類が異なる
Rhizocarpon superficiale
子嚢胞子の隔壁数が1
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(南極新産種)

Rhizoplaca parilis S.D. Leav., Fern.-Mend., Lumbsch, Sohrabi & St. Clair
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【よく似た種との区別】
Rhizoplaca melanophthalma(ナナバケチャシブゴケ)
石灰分に乏しい岩上に生じる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と地衣成分の種類と量が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される