(仮訳)セレナ科の新種および新組み合わせ
Nakasone, KK. & Ortiz-Santana, B. 2022. New species and combinations in the Cerrenaceae (Polyporales, Basidiomycota). Lilloa. Available at: https://www.lillo.org.ar/journals/index.php/lilloa/article/view/1644 [Accessed December 30, 2023] 【R3-11291】2023/12/30投稿

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3行まとめ

セレナ科の4属について属を区別する形態形質を検討し、2属の属概念を修正するとともに、各属の検索表を掲載した。
ブラジル産のIrpiciporus rajchenbergiiおよび米国産のPseudospongipellis tomsovskyiを新種記載した。
4種について新組み合わせを提唱し、2種をシノニムとした。
Brazil, São Leopoldo, Rio Grande do Sul

(新種)

Irpiciporus rajchenbergii Nakasone
語源…アルゼンチンの菌学者、Mario Rajchenberg氏に献名
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【よく似た種との区別】
Irpiciporus pachyodon(オオナガバタケ)
本種と異なりブラジルではなく北米、ヨーロッパなどに分布する
本種と異なり子実体が背着生ではなく傘状~半背着生
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり担子胞子がシアノフィリックでない
Irpiciporus revolubilis
南米に分布する
子実体が背着生である
本種と異なりブラジルではなくベネズエラに分布する
本種と異なり子実層托が刺状ではなく刺状~やや襞状である
本種より担子器が長い
本種より担子胞子のサイズが小さい
Irpiciporus decolorans
子実体が背着生である
本種と異なりブラジルではなくキューバなどに分布する
本種より針が粗いか扁平である
本種より担子胞子のサイズが小さい
U.S.A. Arizona, Cochise County, Coronado National Forest, Chiricahua Mountains, Rucker Canyon

(新種)

Pseudospongipellis tomsovskyi Nakasone & B. Ortiz
語源…チェコの菌学者、Michal Tomšovský氏に献名
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【よく似た種との区別】
Pseudospongipellis unicolor
北米に分布する
同じコナラ属樹木に生じる
子実体が傘状である
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国南西部ではなく北米東部~中西部に分布する
本種と異なりコナラ属樹木を選好するのではなくカエデ属、ブナ属、クルミ属、フウ属などにも生じる
本種より孔口のサイズが典型的には小さい
本種より孔口が波状である
本種より孔壁が薄い
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Irpiciporus africanus (Ipulet & Ryvarden) Nakasone
旧名:Spongipellis africana Ipulet & Ryvarden
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【よく似た種との区別】
Irpiciporus africanus
本種と異なり子実体が背着生である

(新組み合わせ)

Irpiciporus decolorans (Cooke) Nakasone
旧名:Cristinia decolorans (Cooke) Nakasone
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【よく似た種との区別】
Irpiciporus rajchenbergii
子実体が背着生である
本種と異なりキューバなどではなくブラジルに分布する
本種ほど針が粗いか扁平でない
本種より担子胞子のサイズが大きい
Irpiciporus revolubilis
子実体が背着生である
本種と異なり子実層托がやや襞状である
本種より担子胞子が長い

(新組み合わせ)

Irpiciporus revolubilis (Hjortstam & Ryvarden) Nakasone
旧名:Radulodon revolubilis Hjortstam & Ryvarden
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【よく似た種との区別】
Irpiciporus rajchenbergii
南米に分布する
子実体が背着生である
本種と異なりベネズエラではなくブラジルに分布する
本種と異なり子実層托が刺状~やや襞状ではなく刺状である
本種より担子器が短い
本種より担子胞子のサイズが大きい
Irpiciporus decolorans
子実体が背着生である
本種と異なり子実層托がやや襞状でない
本種より担子胞子が短い
Irpiciporus africanus
本種と異なり子実体が背着生でない

(新組み合わせ)

Pseudolagarobasidium cirrhatinum (Hjortstam & Spooner) Nakasone
旧名:Radulodon cirrhatinus Hjortstam & Spooner
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(その他掲載種)

Pseudospongipellis unicolor (Fr.) Y.C. Dai & Chao G. Wang
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【よく似た種との区別】
Pseudospongipellis tomsovskyi
北米に分布する
同じコナラ属樹木に生じる
子実体が傘状である
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米東部~中西部ではなく米国南西部に分布する
本種と異なりカエデ属、ブナ属、クルミ属、フウ属などにも生じるのではなくコナラ属樹木を選好する
本種より孔口のサイズが典型的には大きい
本種ほど孔口が波状でない
本種より孔壁が厚い
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される