(仮訳)温泉から分離された神経向性病原菌Ochroconis gallopavaの姉妹種、O. calidifluminalis
Yarita, K. et al., 2010. Ochroconis calidifluminalis, a Sibling of the Neurotropic Pathogen O. gallopava, Isolated from Hot Spring. Mycopathologia. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11046-010-9292-7 [Accessed November 11, 2014].
【R3-01272】2014/11/11投稿

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3行まとめ

箱根の温泉の河川から分離されたOchroconis gallopava類似の耐熱性菌を検討し、O. calidifluminalisとして新種記載した。
本種のDNAはO. gallopava特異的に設計されたPCR法およびLAMP法で増幅され、バンドパターンでも区別不能であったが、ITSおよびD1/D2の塩基配列が大きく異なっていた。
マウスへの接種試験では、本種はO. gallopavaと異なり脳ではなく主に腎臓に感染し、致死性を示さなかった。
神奈川県箱根町

(新種)

Ochroconis calidifluminalis Yarita, Sano, de Hoog et Nishimura
語源…熱い川の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ochroconis gallopava
同所的に分布する(箱根)
温泉の河川から分離される
菌体がメラニン化する
分生子が棍棒形
分生子が2細胞からなる
PDA培地における新鮮なコロニーがオリーブ緑色
耐熱性菌であり42℃で旺盛に生育する
50℃で生育不能
抗真菌薬感受性が類似している
ゼラチン液化能を欠く
シクロヘキシミド耐性を欠く
 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
O. gallopava種特異的PCR (OgF3/OgB3) 陽性でバンドパターンでも区別不能
O. gallopava種特異的LAMP法陽性でバンドパターンでも区別不能
本種と異なり温泉の浴槽から分離される(理由は不明)
本種よりコロニーが濃色(新鮮な菌株同士の比較で)
本種よりミカファンギンに対する感受性が高い
本種と異なり接種試験でマウスに対する致死性を有する
本種と異なり接種試験でマウスの腎臓ではなく脳に集中して感染する(強い神経向性が示唆される)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度79.2%)
D1/D2領域の塩基配列が異なる(配列類似度95.9%)