(仮訳)チュニジアの果樹園のリンゴから見出されたアオカビ属Ramosa節の新種、Penicillium tunisiense
Ouhibi, S. et al., 2018. Penicillium tunisiense sp. nov., a novel species of Penicillium section Ramosa discovered from Tunisian orchard apples. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. Available at: https://www.microbiologyresearch.org/content/journal/ijsem/10.1099/ijsem.0.002962 [Accessed July 17, 2020] 【R3-07508】2020/7/17投稿

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3行まとめ

チュニジアにおいて果樹園で栽培されたリンゴの果実から分離された菌を検討し、Penicillium tunisienseとして新種記載した。
本種からはIDH遺伝子断片が検出されず、HPLCの結果からもパツリン産生能が陰性と判定された。
本種は分子系統解析でRamosa節クレードに含まれ、同節他種とは分生子柄、分生子の形態や30°Cでの生育の有無などが異なっていた。
Tunisia, Tunis

(新種)

Penicillium tunisiense S. Ouhibi, C. Santos, R. Ghali, C. Soares, A. Hedhili, R. Paterson & N. Lima
語源…チュニジア産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Penicillium chroogomphum
分生子柄が気生菌糸から生じる
水溶性色素を産生しない
ITS+benA+CALに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子柄の最大長が短い
本種より分生子柄の幅が広い
本種と異なりメトレの数が4-5ではなく2-3
本種と異なりフィアライドの数が4-6ではなく3-8
本種よりフィアライドのサイズが大きい
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子が楕円形で少数が類球形なのではなく楕円形
本種と異なり分生子表面が微細な粗面ではなく平滑
本種よりCYA 25°Cでの生長が遅い
本種と異なりCYA 25°Cでのコロニーが帯緑灰色ではなく淡緑色
本種よりYES 25°Cでの生長が遅い
本種と異なり7日後のコロニーにおける胞子形成が盛んではなく中程度
本種と異なりCYA 30°Cで生育可能
ITS+benA+CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium lenticrescens
分生子のサイズの範囲が重なる
水溶性色素を産生しない
CYA 30°Cで生育不能
YES 25°Cでの生長速度の範囲が重なる
ITS+benA+CALに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子柄のサイズが大きい
本種よりフィアライドのサイズが大きい
本種と異なり分生子が楕円形で少数が類球形なのではなく類球形で少数が楕円形
本種と異なり分生子表面が微細な粗面ではなく平滑
本種よりCYA 25°Cでの生長が速い
本種と異なりCYA 25°Cでのコロニーが帯緑灰色ではなく帯灰緑色
本種と異なり7日後のコロニーにおける胞子形成が盛んではなく疎ら
ITS+benA+CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Penicillium soppi
分生子の長さの範囲が重なる
ITS+benA+CALに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子柄が気生菌糸ではなく気生菌糸または表面の菌糸から生じる
本種より分生子柄のサイズが大きい
本種と異なりメトレの数が4-5ではなく3-5
本種と異なりフィアライドの数が4-6ではなく5-8
本種よりフィアライドのサイズが大きい
本種と異なり分生子が楕円形で少数が類球形なのではなく初め楕円形で成熟すると球形~類球形
本種と異なり分生子表面が微細な粗面ではなく平滑および粗面またはごく微細な粗面
本種と異なり菌核を形成する
本種よりCYA 25°Cでの生長が速い
本種と異なりCYA 25°Cでのコロニーが帯緑灰色ではなく鈍緑色
本種と異なり7日後のコロニーにおける胞子形成が盛んではなく疎ら
ITS+benA+CALに基づく分子系統解析で明瞭に区別される