2021年4月26日 (仮訳)中国産のスッポンタケ科の2新種、Phallus dongsunおよびP. lutescens Li, T. et al., 2020. Phallus dongsun and P. lutescens, two new species of Phallaceae (Basidiomycota) from China. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.443.1.3 [Accessed April 26, 2021] 【R3-08358】2021/4/26投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 中国において食用にされる「冬蓀」がPhallus impudicusとは別種であることを示し、P. dongsunとして新種記載した。 また、中国南部から別の本属菌を発見し、P. lutescensとして新種記載した。 菌網を欠く本属菌と有色の菌網を有する本属菌のそれぞれの検索表を作成した。 中国貴州省貴陽市息烽県 (新種) Phallus dongsun T.H. Li, T. Li, Chun Y. Deng, W.Q. Deng & Zhu L. Yang 語源…中国語名の「冬蓀」から 【よく似た種との区別】 Phallus impudicus(スッポンタケ) アジアに分布する 形態的に類似している(従来この種に誤同定されてきた) 托が白色 托表面が網目状 偽柄表面に孔を欠く ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり北マケドニア、エストニア、ノルウェー、イギリス、ドイツなどに分布する 本種ほど托の網目模様が深くない 本種より担子胞子が長い 本種より担子胞子の幅が狭い 本種より担子胞子のQm値が大きい ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国広東省広州市華南植物園 (新種) Phallus lutescens T.H. Li, T. Li & W.Q. 語源…黄色になる(菌網の色から) 【よく似た種との区別】 Phallus luteus(ウスキキヌガサタケ) 中国に分布する 菌網が黄色系 托表面が網目状 ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり日本における分布が知られている 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり菌網がほぼ地面に達する 本種と異なり菌網が初めクリーム白色で成熟または乾燥すると黄色または橙黄色になるという特徴を欠く 本種と異なり托が淡黄色~帯黄橙色 本種と異なり偽柄がクリーム白色~淡黄色で基部が桃色~帯赤色 本種と異なりつぼが白色~微かに帯桃色ではなく帯桃色~帯赤紫色 本種より担子胞子が僅かに短い 本種より担子胞子の幅が広い ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phallus multicolor 菌網が黄色系 托表面が網目状 ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくオーストラリアなどに分布する 本種と異なり托が明橙色 本種と異なり菌網が明るいレモン色 本種と異なり菌網が偽柄の中ほどまでしか延びない 本種と異なり偽柄が淡クリーム黄色 ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phallus atrovolvatus ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくコスタリカなどに分布する 本種と異なりウッドチップまたは植物残渣に生じる 本種と異なり子実体が群生する 本種と異なり托表面が網目状ではなく小皺状~皺状 本種と異なりつぼが黒色 本種と異なりグレバが帯黄緑色 本種と異なりグレバに甘い香りあるいは芳香を有する 本種より担子胞子のサイズが大きい ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phallus cinnabarinus 東アジアに分布する 托表面が網目状 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり菌網が偽柄の2/3-5/6ではなく2/3-3/4ほどまで延びる 本種と異なり菌網が朱色または鮭肉色 本種と異なり托が朱赤色 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phallus flavidus 托表面が網目状 本種と異なり中国ではなくアフリカなどに分布する 本種と異なり草地に生じる 本種より子実体のサイズが小さい 本種より偽柄の幅が狭い 本種と異なり偽柄がクリーム色~橙色 本種より担子胞子が短い Phallus haitangensis 東アジアに分布する 托表面が網目状 本種より子実体の丈が高い 本種より托のサイズが大きい 本種と異なり托が帯黄白色~淡黄色ではなく顕著な黄金橙色~暗橙色 本種と異なり菌網がほぼ地上に達する 本種と異なり菌網が淡橙色 本種と異なり偽柄がクリーム白色 本種と異なりつぼが帯黄白色 Phallus indusiatus f. citrinus アジアに分布する 托表面が網目状 本種と異なり托がレモン色~橙色 本種と異なりつぼが鈍白色、褐色~暗ワイン色 Phallus nanchangensis 東アジアに分布する 托表面が網目状 本種と異なり托が橙色~帯赤色 本種と異なり菌網が偽柄の全長の2/3-5/6ではなく1/4-1/3までしか延びない 本種と異なり菌網が淡橙赤色~パステルレッド 本種と異なり偽柄が淡橙色~帯赤色 Phallus denigricans 菌網が偽柄の2/3の長さまで延びる 菌網が白色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくブラジルなどに分布する 本種と異なり菌網が黄変しない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phallus purpurascens 菌網が偽柄の2/3の長さまで延びる 菌網が白色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくブラジルなどに分布する 本種と異なり菌網が黄変しない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Phallus squamulosus 菌網が偽柄の2/3の長さまで延びる 菌網が白色 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり中国ではなくブラジルなどに分布する 本種と異なり菌網が黄変しない ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される