(仮訳)中国産Antrodia heteromorpha複合種の系統解析および分類
Chen, Y-Y. & Cui, B-K. 2016. Phylogenetic analysis and taxonomy of the Antrodia heteromorpha complex in China. Mycoscience. Available at: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354015000650 [Accessed April 9, 2018].
【R3-05019】2018/4/10投稿

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3行まとめ

中国産Antrodia heteromorpha複合種を検討し、A. subserpensを新種記載した。
本種は褐色腐朽菌であり、子実体が一年生で背着生~半背着生、担子胞子が楕円形~長楕円形、シスチジオールが棍棒形、2菌糸型であることなどで特徴づけられた。
A. heteromorpha複合種の検索表および形質比較表を掲載した。
中国浙江省杭州市臨安市天目山自然保護区

(新種)

Antrodia subserpens B.K. Cui & Yuan Y. Chen
語源…Antrodia serpens類似の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Antrodia serpens
被子植物を宿主とする
子実体が半背着生~背着生
孔口面が白色~淡黄褐色
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なり子実層托が規則的な孔口状~襞状ではなく規則的な孔口状
本種より孔口のサイズが僅かに大きい
本種と異なり孔壁が全縁~不規則な切れ込み状ではなく全縁
本種より担子器のサイズが大きい
本種より担子胞子が長い
本種と異なり担子胞子が楕円形~長楕円形ではなく広楕円形~楕円形
本種よりシスチジオールのサイズが大きい
本種と異なり子実層托実質が不規則に配列するのではなく緊密な類並行型
本種と異なり生殖菌糸の量が乏しいのではなく豊富
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia tanakae
中国に分布する
孔口面が白色~淡黄褐色
孔壁が全縁~不規則な切れ込み状
担子胞子のサイズの範囲が重なる
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本、フィンランド、ロシアなどにおける分布が知られている
本種と異なり被子植物ではなく被子植物および針葉樹を宿主とする
本種と異なり子実体が半背着生~背着生ではなく通常傘状で時に半背着生~背着生
本種と異なり子実層托が規則的な孔口状~襞状ではなく規則的な孔口状~細長い孔口状
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が楕円形~長楕円形ではなく狭楕円形~円筒形
本種よりシスチジオールが長い
本種と異なり生殖菌糸の量が乏しいのではなく中程度
本種と異なり子実層托実質が不規則に配列するのではなく緊密でいくぶん並行型
本種と異なり生殖菌糸の量が乏しいのではなく中程度
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia heteromorpha(ミヤマシロアミタケ)
中国に分布する
担子器のサイズの範囲が重なる
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくアメリカおよびユーラシアにおける分布が知られている
本種と異なり被子植物ではなく被子植物および針葉樹を宿主とする
本種と異なり子実体が半背着生~背着生ではなく完全な背着生または半背着生でしばしば傘状
本種と異なり子実体がクリーム色、灰色、汚褐色
本種と異なり子実層托が規則的な孔口状~襞状ではなく全縁~歯牙状
本種と異なり孔口面が白色~淡黄褐色ではなく白色~黄褐色
本種と異なり孔壁が全縁~不規則な切れ込み状ではなく全縁~鋸歯状
本種より孔口のサイズが顕著に大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が楕円形~長楕円形ではなく狭楕円形~広楕円形
本種よりシスチジオールが長い
本種と異なり子実層托実質が不規則に配列するのではなく緊密な類並行型
本種と異なり生殖菌糸の量が乏しいのではなく中程度
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia favescens
形態的に類似している(混同のおそれがある)
孔口のサイズの範囲が重なる
孔壁が全縁~不規則な切れ込み状
生殖菌糸に乏しい
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく北米などに分布する
本種と異なり被子植物ではなく被子植物および針葉樹を宿主とする
本種と異なり子実体が半背着生~背着生ではなく通常傘状で時に半背着生~背着生
本種と異なり子実層托が規則的な孔口状~襞状ではなく規則的な孔口状~細長い孔口状
本種と異なり孔口面が白色~淡黄褐色ではなくクリーム色~黄褐色
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が楕円形~長楕円形ではなく狭楕円形~円筒形
本種よりシスチジオールが長い
本種と異なり子実層托実質が不規則に配列するのではなく緊密な類並行型
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia macra
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくチェコなどに分布する
本種と異なり子実体がクリーム色~材木色
本種より孔口のサイズがずっと小さい
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia mappa
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくカナダ、米国、フィンランドなどに分布する
本種と異なり菌糸構成が2菌糸型ではなく1菌糸型あるいは僅かに骨格菌糸を含むのみである
ITS+nrLSUおよびITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Antrodia albida(ヒメシロアミタケ)
中国に分布する
被子植物を宿主とする
本種と異なり日本などにおける分布が知られている
本種と異なり被子植物ではなく針葉樹などを宿主とする
本種と異なり子実体が半背着生~背着生ではなく傘状
本種と異なり傘表面が僅かに環紋状~溝状
本種と異なり子実層托が管孔状ではなく襞状のことがある
本種より担子胞子のサイズが小さい