(仮訳)系統解析により広義Megasporoporia属に4新種が明らかになった
Wang ,YR. et al. 2021. Phylogenetic analysis demonstrating four new species in Megasporoporia sensu lato (Polyporales, Basidiomycota). Mycosphere. Available at: https://www.mycosphere.org/pdf/MYCOSPHERE_12_1_11.pdf [Accessed February 23, 2024] 【R3-11456】2024/2/23投稿

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3行まとめ

Megasporoporia属について詳細な解析を行い、3グループ21系統を認めた。
オーストラリア、中国、マレーシア、シンガポールから計3新種を記載するとともに、Megasporoporiella属の基準種が誤同定に基づくものであったため別の種を選択した。
Megasporoporia属菌の形質比較表と検索表を掲載した。
中国海南省海口市金牛嶺公園

(新種)

Megasporia bambusae Y.C. Dai, Yuan Yuan & Ya.R. Wang
語源…タケの
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【よく似た種との区別】
Megasporia cystidiolophora
中国に分布する
孔口のサイズがほぼ同一である
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子胞子が楕円形でない
本種と異なり担子胞子が薄壁
本種と異なり樹枝状糸状体を欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia guangdongensis
中国に分布する
孔口のサイズがほぼ同一である
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子胞子が楕円形でない
本種と異なり担子胞子が薄壁
本種と異なり樹枝状糸状体を欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporoporiella rhododendri
中国に分布する
孔口のサイズがほぼ同一である
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタケではなくツツジ属植物などに生じる
本種と異なり担子胞子が薄壁
本種と異なり樹枝状糸状体を有するのではなく欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia ellipsoidea
中国に分布する
担子胞子が楕円形
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタケではなく被子植物に発生する
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が薄壁
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia yunnanensis
中国に分布する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタケではなく被子植物に発生する
本種と異なり担子胞子が楕円形でない
本種と異なり担子胞子が薄壁
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia major
中国に分布する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタケではなく被子植物に発生する
本種と異なり担子胞子が楕円形でない
本種と異なり担子胞子が薄壁
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia hexagonoides
中国に分布する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタケではなく被子植物に発生する
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が薄壁
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia fusiformis
アジアに分布する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくマレーシアに分布する
本種と異なりタケではなく被子植物に発生する
本種と異なり担子胞子が楕円形ではなく紡錘形
本種と異なり担子胞子が薄壁
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia rimosa
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタケではなく被子植物に発生する
本種と異なり担子胞子が楕円形でない
本種と異なり担子胞子が薄壁
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Malaysia, Selangor, Kota Damansara, Community Forest Reserve

(新種)

Megasporia fusiformis Y.C. Dai, Yuan Yuan & Ya.R. Wang
語源…紡錘形の(担子胞子の形状から)
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【よく似た種との区別】
Megasporia bambusae
アジアに分布する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマレーシアではなく中国に分布する
本種と異なり被子植物ではなくタケに発生する
本種と異なり担子胞子が紡錘形ではなく楕円形
本種と異なり担子胞子が薄壁でない
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia rimosa
アジアに分布する
子実体が極めて薄い
孔口面が白色~クリーム色
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマレーシアではなく中国などに分布する
本種と異なり担子胞子が紡錘形ではなく円筒形
本種と異なり骨格菌糸に隔壁を欠く
本種と異なり骨格菌糸がデキストリノイドである
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia hexagonoides
アジアに分布する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマレーシアではなく中国などに分布する
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり樹枝状糸状体を欠く
本種と異なり骨格菌糸に隔壁を欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Malaysia, Selangor, Kota Damansara, Community Forest Reserve

(新種)

Megasporoporia inflata Y.C. Dai, Yuan Yuan & Ya.R. Wang
語源…膨大する(骨格菌糸がKOH中で膨らむことから)
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【よく似た種との区別】
Megasporia tropica
アジアに分布する
孔口のサイズがほぼ同一
骨格菌糸が強いデキストリノイドである
ハイファルペグを欠く
樹枝状糸状体を欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマレーシアおよびシンガポールではなく中国などに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なりシスチジオールを有する
本種と異なり骨格菌糸がKOH中で膨大するのではなく変化しない
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia bannaensis
アジアに分布する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマレーシアおよびシンガポールではなく中国などに分布する
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり骨格菌糸がKOH中で膨大するという特徴を欠く
本種と異なりハイファルペグを欠くのではなく有する
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia. Melbourne. Dandenong Ranges Botanic Garden

(新種)

Megasporoporiella australiae Y.C. Dai, Yuan Yuan & Ya.R. Wang
語源…オーストラリアの
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【よく似た種との区別】
Megasporia cystidiolophora
孔口のサイズがほぼ同一
担子胞子のサイズがほぼ同一
樹枝状糸状体を欠く
ハイファルペグを欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなく中国などに分布する
本種と異なりグレオシスチジオールを有するのではなく欠く
本種と異なり骨格菌糸が非デキストリノイドではなくデキストリノイドである
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporia hengduanensis
孔口のサイズがほぼ同一
担子胞子のサイズがほぼ同一
樹枝状糸状体を欠く
ハイファルペグを欠く
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなく中国などに分布する
本種と異なりグレオシスチジオールを有するのではなく欠く
本種と異なり骨格菌糸が非デキストリノイドではなくデキストリノイドである
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporoporia cavernulosa
孔口のサイズがほぼ同一
担子胞子のサイズがほぼ同一
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなく米国などに分布する
本種と異なり骨格菌糸がデキストリノイドである
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megasporoporiella rhododendri
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなく中国などに分布する
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり担子胞子が楕円形
本種と異なり骨格菌糸がデキストリノイドである
ITS+nrLSUおよびITS+nrLSU+mtSSU+TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Megasporoporiella hubeiensis (Hai J. Li & B.K. Cui) Y.C. Dai, Yuan Yuan & Ya.R. Wang
旧名:Dichomitus hubeiensis Hai J. Li & B.K. Cui
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