2024年3月14日 （仮訳）中国産のBotryobasidium属、Coltricia属、およびColtriciella属の材生息菌5新種の系統分類学的解析 Zhou, Q. et al. 2024. Phylogenetic and Taxonomic Analyses of Five New Wood-Inhabiting Fungi of Botryobasidium, Coltricia and Coltriciella (Basidiomycota) from China. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/10/3/205 [Accessed March 14, 2024] 【R3-11516】2024/3/14投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません（大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため）。 3行まとめ 中国雲南省から材生息菌の5新種を記載した。 新種にはBotryobasidiumのB. gossypirubiginosumなど3種とColtricia zixishanensis、Coltriciella yunnanensisが含まれた。 これらの新種はITS+nrLSUおよびITS領域に基づく分子系統解析で独自の系統を形成し、近縁種とは形態的に異なっていた。 中国雲南省曲靖市麒麟区翠山森林公園 （新種） Botryobasidium gossypirubiginosum Q. Zhou & C.L. Zhao 語源…綿毛状の赤みを帯びた（子実体表面の色と性状から） 【よく似た種との区別】 Botryobasidium asperulum 子実層面が”hypochnoid”である “basal hyphae”が厚壁である 本種より担子器のサイズが小さい 本種と異なり担子器が6胞子性 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が楕円形 Botryobasidium danicum 子実層面が”hypochnoid”である “basal hyphae”が厚壁である 本種と異なり子実層面が帯灰白色～帯黄色 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が舟形 Botryobasidium subcoronatum 子実層面が”hypochnoid”である “basal hyphae”が厚壁である 本種と異なり子実層面が帯黄色～黄褐色 本種と異なり担子器が6胞子性 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり生殖菌糸にクランプを有する Botryobasidium robustius ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実層托が平滑 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子がやや舟形～扁桃形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省曲靖市麒麟区翠山森林公園 （新種） Botryobasidium incanum Q. Zhou & C.L. Zhao 語源…灰色の（子実層面の色から） 【よく似た種との区別】 Botryobasidium candicans 子実層面が”hypochnoid”である 本種と異なり担子胞子が類紡錘形 本種と異なり担子胞子が薄壁 Botryobasidium pruinatum 子実層面が”hypochnoid”である 本種と異なり子実層面が帯灰色または帯黄色～淡い帯オリーブ色 本種と異なり担子器が6胞子性 本種より担子胞子の幅が狭い 本種と異なり生殖菌糸が帯黄色～褐色 Botryobasidium sassofratinoense 子実層面が”hypochnoid”である 本種と異なり子実層面が類白色～淡象牙色 本種と異なり担子胞子が舟形 本種と異なり生殖菌糸にクランプを有する Botryobasidium vagum ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実層面が帯黄色～帯灰色 本種と異なり担子器が6胞子性 本種と異なり担子胞子が舟形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省大理市巍山イ族回族自治県青華郷 （新種） Botryobasidium yunnanense Q. Zhou & C.L. Zhao 語源…雲南産の 【よく似た種との区別】 Botryobasidium aureum 担子器が6胞子性 本種と異なり子実層面が白色～帯黄色 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が類円筒形 本種と異なり担子胞子が薄壁 Botryobasidium conspersum 担子器が6胞子性 本種と異なり子実層面が白色～帯黄色 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が類円筒形 本種と異なり担子胞子が薄壁 Botryobasidium robustior 担子器が6胞子性 本種と異なり担子胞子が舟形～扁桃形 Botryobasidium medium 担子器が6胞子性 本種と異なり子実層面が類白色～淡い帯黄色 本種と異なり”basal hyphae”にクランプを有する Botryobasidium indicum ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実層面が黄色 本種と異なり子実層面がビロード状 本種と異なり担子胞子が洋梨形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省楚雄市紫渓山国家森林公園 （新種） Coltricia zixishanensis Q. Zhou & C.L. Zhao 語源…紫渓山産の 【よく似た種との区別】 Coltricia abieticola 担子胞子が楕円形 担子胞子表面が平滑 担子胞子が厚壁 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種より孔口のサイズが小さい 本種より担子胞子のサイズが大きい ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Coltricia tenuihypha 担子胞子が楕円形 担子胞子表面が平滑 担子胞子が厚壁 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が扇形で縁部が裂ける 本種より孔口のサイズが小さい 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり菌糸の幅が狭い 本種と異なり骨格菌糸を有する ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Coltricia wenshanensis 担子胞子が楕円形 担子胞子表面が平滑 担子胞子が厚壁 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より子実体のサイズが大きい 本種と異なり傘表面に顕著な溝状の環紋を有する 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Coltricia confluens ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が不規則な漏斗形に広がる 本種と異なり傘表面が顕著な環紋状 本種より担子胞子のサイズが大きい ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Coltricia perennis（オツネンタケ） ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体に環紋を有する 本種と異なり柄表面がビロード状 本種より担子器が短い 本種より担子胞子が長い ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される 中国雲南省普洱市景東イ族自治県無量山国家級自然保護区 （新種） Coltriciella yunnanensis Q. Zhou & C.L. Zhao 語源…雲南産の 【よく似た種との区別】 Coltriciella baoshanensis 担子胞子が帯黄色～黄金色 担子胞子表面が微細な疣状 担子胞子が厚壁 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり傘が円錐状鐘形 本種と異なり傘表面が綿毛状 本種と異なり柄表面が毛状 本種と異なり担子器が広棍棒形ではなく円筒形 本種と異なり担子器が2胞子性 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が楕円形 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Coltriciella corticicola 担子胞子が帯黄色～黄金色 担子胞子表面が微細な疣状 担子胞子が厚壁 本種と異なり子実体が無柄である 本種より傘のサイズが大きい 本種と異なり傘表面がビロード状 本種と異なり担子胞子がマンゴー形 Coltriciella oblectabilis 担子胞子が帯黄色～黄金色 担子胞子表面が微細な疣状 担子胞子が厚壁 ITS領域に基づく分子系統解析で近縁 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が楕円形 ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される Coltriciella globosa ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体が帯灰褐色 本種と異なり子実体表面がビロード状 本種より柄が長い 本種と異なり担子胞子が球形 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される Coltriciella pseudodependens ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁 本種と異なり子実体に環紋を有する 本種より担子器のサイズが小さい 本種と異なり担子胞子が楕円形～長楕円状楕円形 本種と異なり肉の菌糸が淡黄色 ITSおよびITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される