(仮訳)絶滅危惧の水生ツメゴケ属菌の系統的位置づけ、種の境界、シアノビオントの同定
Miadlikowska, J. et al., 2014. Phylogenetic placement, species delimitation, and cyanobiont identity of endangered aquatic Peltigera species (lichen-forming Ascomycota, Lecanoromycetes). American Journal of Botany. …. Available at: http://www.amjbot.org/content/early/2014/07/09/ajb.1400267.abstract [Accessed July 17, 2014].
【R3-00913】2014/07/17投稿

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3行まとめ

ツメゴケ属Hydrothyriae節の水生の絶滅危惧種について、節内での系統的位置および種の境界を検討するとともに、共生シアノバクテリアの同定を試みた。
本節が単系統群のツメゴケ属クレード内部で明瞭なクレードを形成することを示したが、属内での系統的位置は確定しなかった。
本節に3種の隠蔽種を認め、そのうちPeltigera aquaticaを新種記載し、本節の共生シアノバクテリアがNostoc属の単系統群である可能性を示した。
USA, Oregon: Lane County, Ridge Creek, Cougar Reservoir

(新種)

Peltigera aquatica Miadl. & Lendemer
語源…水生の
※本種はLendemer & O’Brien (2011) で「広義のPeltigera gowardii」に含まれていた。
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Peltigera hydrothyria
同じHydrothyriae節に含まれる
水生の種である
形態的に区別できないほど非常に類似している
β-チューブリン+RPB1+EFT2-1+nrLSUおよびβ-チューブリン+RPB1+EFT2-1+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米西部ではなく北米東部に分布する
本種と異なりメチルジロホール酸などの地衣成分を含む
β-チューブリン+RPB1+EFT2-1+nrLSUおよびβ-チューブリン+RPB1+EFT2-1+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基を共有する”polymorphic sites”が34か所)
Peltigera gowardii
同じHydrothyriae節に含まれる
北米西部に分布する
水生の種である
形態的に区別できないほど非常に類似している(かつて同種と見なされていた)
薄層クロマトグラフィーおよび標準的なスポットテストで地衣成分が見出されない
β-チューブリン+RPB1+EFT2-1+nrLSUおよびβ-チューブリン+RPB1+EFT2-1+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種より分布域が北に偏っており、カナダ~アラスカ州にかけても分布する
本種より海辺に分布する傾向がある
β-チューブリン+RPB1+EFT2-1+nrLSUおよびβ-チューブリン+RPB1+EFT2-1+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(塩基を共有する”polymorphic sites”が22か所)