(仮訳)ロシア産の新種、Dematiopleospora fusiformisの系統分類
Huang, S. et al., 2017. Phylogenetic taxonomy of Dematiopleospora fusiformis sp. nov. (Phaeosphaeriaceae) from Russia. Phytotaxa. Available at: https://www.biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.316.3.3 [Accessed November 19, 2017].
【R3-04593】2017/11/20投稿

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3行まとめ

ロシア、ロストフ州においてAchillea millefoliumの枯茎に生じた菌を検討し、Dematiopleospora fusiformisとして新種記載した。
本種は子嚢果の孔口に剛毛を伴い、子嚢胞子が淡褐色紡錘形で石垣状であることなどで特徴づけられた。
本種をD. mariaeおよびD. cirsiiとともに狭義のDematiopleospora属菌として扱うべきとした。
Russia, Rostov Region, Shakhty City, near 20 th anniversary of Red Army Microdistrict

(新種)

Dematiopleospora fusiformis S.K. Huang & K.D. Hyde
語源…紡錘形の(子嚢胞子の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Dematiopleospora mariae
子嚢果が単室
孔口に褐色の剛毛を伴う
子嚢が円筒形
子嚢胞子が紡錘形
子嚢胞子が石垣状
ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりロシアではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりAchillea millefoliumではなくOnonis spinosaなどを宿主とする
本種と異なり子嚢果が埋生しのちに破出するのではなく表在性
本種より子嚢果の長径が大きい
本種と異なり子嚢果が球形~類球形ではなく長楕円形
本種より子嚢のサイズが小さい
本種と異なり子嚢が円筒形ではなく円筒状棍棒形~円筒形
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子が淡褐色ではなく帯黄褐色
本種と異なり子嚢胞子が紡錘形~類紡錘形で僅かに屈曲するのではなく楕円形~類紡錘形で僅かに屈曲する
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が横5-7×縦0-1ではなく横5-9×縦3-6
本種と異なり子嚢胞子が粘液質の鞘に包まれる
ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Dematiopleospora luzulae
宿主の枯茎に生じる
ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりロシアではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりAchillea millefoliumではなくスズメノヤリ属の一種などを宿主とする
本種と異なり子嚢果が埋生しのちに破出するのではなく埋生する
本種より子嚢果のサイズが小さい
本種と異なり子嚢果が球形~類球形ではなく球形
本種と異なり子嚢果に剛毛を欠く
本種より子嚢が短い
本種と異なり子嚢が円筒形ではなく円筒状棍棒形
本種より子嚢胞子が短い
本種より子嚢胞子の幅が広い
本種と異なり子嚢胞子が淡褐色ではなく褐色
本種と異なり子嚢胞子が紡錘形~類紡錘形で僅かに屈曲するのではなく卵形~楕円形で屈曲するものもあり、末端が狭く丸い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が横5-7×縦0-1ではなく横4-6×縦3-4
本種と異なり子嚢胞子が粘液質の鞘に包まれる
ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Dematiopleospora alliariae
宿主の枯茎に生じる
子嚢が円筒形
ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりロシアではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりAchillea millefoliumではなくAlliaria periolataなどを宿主とする
本種と異なり子嚢果が埋生しのちに破出するのではなく埋生し僅かに破出する
本種と異なり子嚢果が球形~類球形ではなく類球形~洋梨形
本種と異なり子嚢果に剛毛を欠く
本種より子嚢のサイズが小さい
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり子嚢胞子が淡褐色ではなく帯黄褐色
本種と異なり子嚢胞子が紡錘形~類紡錘形で僅かに屈曲し、末端が丸いのではなく楕円形~紡錘形で末端が狭く丸い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が横5-7×縦0-1ではなく縦3、横0-3(-4)
本種と異なり子嚢胞子が粘液質の鞘に包まれる
ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Dematiopleospora cirsii
同じキク科植物を宿主とする
ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりロシアではなくイタリアなどに分布する
本種と異なりAchillea millefoliumではなくアザミ属の一種などを宿主とする
本種と異なり子嚢果が埋生しのちに破出するのではなく埋生~半埋生
本種より子嚢果の長径が小さい
本種と異なり子嚢果が球形~類球形ではなく広長楕円形で扁平
本種より子嚢のサイズが小さい
本種と異なり子嚢が円筒形ではなく円筒状棍棒形~円筒形
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり子嚢胞子が淡褐色ではなく黄金褐色
本種と異なり子嚢胞子が紡錘形~類紡錘形で僅かに屈曲し、末端が丸いのではなく楕円形~類紡錘形で僅かに屈曲し、末端が丸い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が横5-7×縦0-1ではなく縦6-7、横1
本種と異なり子嚢胞子が粘液質の鞘に包まれる
ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Muriphaeosphaeria galatellae
子嚢果が単室
孔口に褐色の菌糸を伴う
子嚢が円筒形
子嚢胞子が淡褐色
子嚢胞子が紡錘形
子嚢胞子が石垣状
本種と異なり子嚢果が埋生するのではなく表在性
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が横5-7ではなく横4-5
ITS+nrLSU+nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される