(仮訳)ペルー産のダニ寄生菌の新種、Hirsutella tunicataの系統および形態
Ciancio, A., Colagiero, M. & Rosso, L., 2013. Phylogeny and morphology of Hirsutella tunicata sp. nov. (Ophiocordycipitaceae), a novel mite parasite from Peru. mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354013000909 [Accessed November 10, 2013].
【R3-00163】2013/12/20投稿

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3行まとめ

ペルー北部でアスパラガスの根圏から採集されたダニに寄生する菌を、Hirsutella tunicataとして新種記載した。
本種のrRNAの解析により、進化の過程で遺伝的組換えが起こったことや、逆位挿入が起こったことが明らかになった。
また、本新種を含む、シンネマを形成しないHirsutella属菌の分類についてまとめた。
Peru, department La Libertad, Virú province, California district, farm Victor Raul

(新種)

Hirsutella tunicata Ciancio, Colagiero & Rosso
エラッタで著者名の修正が行われた
語源…覆われた
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Hirsutella nodulosa
本種と同じくダニに寄生する
分生子のサイズの範囲がほぼ同じ
ITSおよびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で最も近縁な種の一つ
本種と異なり鱗翅目の昆虫に寄生することもある
本種と異なり分生子形成細胞の頂部がらせん状にねじれる
本種と異なり分生子が卵形で基部が截断状になる
本種と異なり分生子が単生せず、粘液に覆われて塊をなす
本種と異なり分生子が成熟しても薄い膜に包まれない
ITSおよびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hirsutella aphidis
ITSおよびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で最も近縁な種の一つ
本種と異なりヨコバイ亜目の昆虫に寄生する
本種より分生子形成細胞が短い
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が単生せず、通常対になって生じる
本種と異なり分生子に2-3つの油滴を含む
本種と異なり分生子が成熟しても薄い膜に包まれない
ITSおよびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hirsutella vermicola
本種と異なり分生子形成細胞の頂部がらせん状にねじれる
本種より分生子形成細胞が急に細まる
本種より分生子のサイズが大きい
Hirsutella tydeicola
本種と同じくダニに寄生する
本種と異なり分生子が紡錘形
本種より分生子の短軸が短い
Hirsutella rhossiliensis
本種と宿主選好性が異なる
本種より分生子形成細胞の基部がより膨大する
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子が単生せず、有色の粘液に包まれて塊をなすことがある
ITSおよびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hirsutella abietina
本種と異なり分生子が4つずつの塊をなす
本種と異なり分生子が卵形または舟形で基部が鈍形になる
本種と異なりシンネマを形成する
Hirsutella besseyi
本種と異なりダニではなく昆虫を宿主とする
本種と異なり分生子形成細胞の基部がほぼ円筒形になる
本種と異なり分生子が幅の狭い長楕円形
本種と異なり分生子がゼラチン質の物質に包まれる
Hirsutella acridiorum
分生子のサイズの範囲がほぼ同じ
本種と異なりダニではなく昆虫(バッタ目およびヨコバイ亜目)を宿主とする
本種と異なり分生子形成細胞に2つの二次頸部を持つ
本種と異なり分生子が単生せず粘液鞘中に塊をなして生じる
Hirsutella necatrix
本種と同じくダニに寄生する
本種と異なり分生子形成細胞に二型がある
本種より分生子が短い
本種と異なり分生子が球形・卵状楕円形または疣状
Hirsutella gregis
分生子のサイズの範囲がほぼ同じ
本種より分生子形成細胞がより細長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hirsutella kirchneri
分生子のサイズの範囲がほぼ同じ
本種より分生子形成細胞がより細長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hirsutella satumaensis
分生子が分生子形成細胞の先端に単生する
分生子形成細胞が菌糸末端に生じることがある
本種の分生子を覆う膜が外れた際の形状(嘴形~レモン形)が類似している
本種と異なりダニではなくカイコを宿主とする
本種と異なりシンネマを形成する
Ophiocordyceps cochlidiicola
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される