(仮訳)広義Tubakia属の系統分類
Braun, U. et al., 2018. Phylogeny and taxonomy of the genus Tubakia s. lat. Fungal Systematics and Evolution. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7259437/pdf/fuse-2018-1-4.pdf [Accessed January 25, 2021] 【R3-08083】2021/1/25投稿

【お読みください】
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3行まとめ

形態および系統学的データに基づきTubakia属を再検討し、本属に対して新科ツバキア科を提唱した。
Apiognomonioidesなど7新属を提唱したほか、9新種を記載した。
その他、基準種のT. dryinaのエピタイプを指定し、本属の系統的位置と定義を明らかにしたほか、分生子果に基づく広義本属菌の検索表を掲載した。
滋賀県大津市

(新種)

Paratubakia subglobosoides C. Nakash.
語源…Paratubakia subglobosa類似の
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【よく似た種との区別】
Paratubakia subglobosa
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり葉に顕著な病斑を生じるという特徴を欠く
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子が球形~類球形
本種より分生子の長さ/幅比が小さい
本種とMEA培地における培養特性がかなり異なる
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Racheliella wingfieldiana
盾形分生子殻先端の菌糸束が先細りになる
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本ではなく南アフリカに分布する
本種と異なりコナラ属ではなくフトモモ属植物を宿主とする
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が無色~帯黄褐色ではなく無色またはほぼ無色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa, Eastern Cape Province, Haga Haga

(新種)

Racheliella wingfieldiana Crous & U. Braun
語源…Wingfield家(南アフリカの菌学者Michael J. Wingfield氏、その妻で菌類遺伝学者のBrenda D. Wingfield氏、娘でサイクリストのBeverley Wingfield氏、Anthony & Jane Wingfield氏に献名)
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【よく似た種との区別】
Oblongisporothyrium castanopsidis
分生子が無色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり日本などではなく南アフリカに分布する
本種と異なりシイ属などではなくフトモモ属植物を宿主とする
本種より盾形分生子殻のサイズが大きい
本種より分生子柄が短い
本種より分生子の幅が狭い
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Paratubakia subglobosoides
盾形分生子殻先端の菌糸束が先細りになる
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなく日本に分布する
本種と異なりフトモモ属ではなくコナラ属植物を宿主とする
本種より分生子が短い
本種と異なり分生子が無色またはほぼ無色ではなく無色~帯黄褐色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mexico, Aguascalientes, San José de Gracia, Las Manzanitas

(新種)

Sphaerosporithyrium mexicanum O. Moreno-Rico, U. Braun & Marm.
語源…(属名)球形の胞子(分生子)+盾形分生子殻/(種小名)メキシコの
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【よく似た種との区別】
Paratubakia subglobosa
同じコナラ属植物を宿主とする
分生子の形状が類似している
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコではなくアジアなどに分布する
本種と異なりQuercus eduardiではなくQ. glaucaなどを宿主とする
本種と異なり盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, California, Tuolumne County, Groveland

(新種)

Tubakia californica S. Rooney-Latham & U. Braun
語源…カリフォルニアの
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【よく似た種との区別】
Apiognomonia errabunda
同所的に分布する
同時に発生することがある
分生子の長さが類似している
本種と異なり分生子が常に無色である
本種より分生子の幅が狭い
nrLSU、rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Racheliella saprophytica
分生子果のサイズが類似している
分生子形成様式がフィアロ型
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなく米国に分布する
本種と異なりトゲガシ属、Notholithocarpus属、コナラ属ではなくフトモモ属植物を宿主とする
本種より分生子柄が長い
本種と異なり分生子柄が分枝しないのではなく時に分枝する
本種と異なり分生子柄に隔壁を欠くのではなく有する
本種と異なり分生子形成細胞にフレア状で縁部が鋸歯状のカラレットを有する
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
大阪府吹田市

(新種)

Tubakia dryinoides C. Nakash.
語源…Tubakia dryina類似の
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【よく似た種との区別】
Tubakia dryina
形態的に類似している(この種として扱われていた)
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子が少なくとも発芽まで無色またはほぼ無色にとどまるという特徴を欠く
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia paradryinoides
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズがずっと大きい
本種と異なり分生子が初め無色、ほぼ無色だがのちに淡い帯オリーブ色、帯オリーブ褐色~帯褐色なのではなく無色~ほぼ無色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Mexico, Nuevo León, Iturbide, Bosque Escuela

(新種)

Tubakia melnikiana Marm. & U. Braun
語源…ロシアの菌学者、故Vadim A. Mel’nik氏に献名
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【よく似た種との区別】
Tubakia dryina
同じコナラ属植物を宿主とする
病斑が葉身全体に広がる
形態的に類似する(混同されている)
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
“scutella”の形態に違いがほとんどない
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパ、ニュージーランドにおける分布が知られている
本種と異なりブナ属植物が宿主として知られている
本種と異なり盾形分生子殻先端の菌糸束が鈍頭~尖るのではなく尖る
本種と異なり小分生子が狭楕円形~類円筒形から広楕円形~卵状で頂部が鈍頭~丸く基部が短倒円錐形截断状でない
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
大阪府大和葛城山

(新種)

Tubakia oblongispora C. Nakash.
語源…長楕円形の胞子の(Tubakia dryinaと比較した分生子の形状から)
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【よく似た種との区別】
Oblongisporothyrium castanopsidis
形態的に類似している
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子形成細胞がずっと短い
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子がほぼ無色~淡褐色ではなく無色
本種より分生子の長さ/幅比が小さい
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
茨城県鉾田市

(新種)

Tubakia paradryinoides C. Nakash.
語源…Tubakia dryinoides類似の
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【よく似た種との区別】
Tubakia dryina
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズがずっと小さい
本種と異なり分生子が無色~ほぼ無色ではなく初め無色、ほぼ無色だがのちに淡い帯オリーブ色、帯オリーブ褐色~帯褐色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia dryinoides
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズがずっと小さい
本種と異なり分生子が無色~ほぼ無色ではなく初め無色、ほぼ無色だがのちに淡い帯オリーブ色、帯オリーブ褐色~帯褐色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia seoraksanensis
アジアに分布する
同じコナラ属植物を宿主とする
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりQuercus acutissimaではなくQ. mongolicaを宿主とする
本種より”scutella”のサイズが大きい
本種より分生子形成細胞の幅が広い
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
México, Aguascalientes, San José de Gracia, Laguna Seca

(新種)

Tubakia sierrafriensis O. Moreno-Rico & U. Braun
語源…Sierra Fría(山)の
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【よく似た種との区別】
Oblongisporothyrium castanopsidis
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコに分布しない
本種より”scutella”のサイズが大きい
本種と異なり分生子が初め無色でのちにごく淡い帯オリーブ色ではなく無色
本種と異なり分生子が広楕円形~倒卵状、短円筒形、一部が類球形または不規則形で時に基部が斜めなのではなく長楕円形
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Apiognomonioides supraseptata (S. Kaneko & Tak. Kobay.) U. Braun, J.Z. Groenew. & Crous
旧名:Tubakia supraseptata (S. Kaneko & Tak. Kobay.) T.C. Harr. & McNew
(基礎異名はApiognomonia supraseptata S. Kaneko & Tak. Kobay.)
語源…(属名)Apiognomonia属類似
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【よく似た種との区別】
Tubakia suttoniana
子嚢殻が嘴状
子嚢が8胞子性
子嚢の壁が一重
分生子が無色
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢胞子の頂部付近に1隔壁を有するという特徴を欠く
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Involutiscutellula rubra (T. Yokoyama & Tubaki) U. Braun & C. Nakash.
旧名:Tubakia rubra (T. Yokoy. & Tubaki) B. Sutton
(基礎異名はActinopelte rubra T. Yokoy. & Tubaki)
語源…(属名)内巻きの盾形分生子殻
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(新組み合わせ)

Oblongisporothyrium castanopsidis (T. Yokoy. & Tubaki) U. Braun & C. Nakash.
旧名:Tubakia castanopsidis (T. Yokoy. & Tubaki) B. Sutton
(基礎異名はActinopelte castanopsidis T. Yokoy. & Tubaki)
語源…(属名)長楕円形の胞子(分生子)+盾形分生子殻
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【よく似た種との区別】
Paratubakia subglobosa
盾形分生子殻縁部がやや内巻きである
分生子形成細胞が無色~有色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
本種と異なり分生子が長楕円形ではなく球形~類球形
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia sierrafriensis
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりメキシコに分布する
本種より”scutella”のサイズが小さい
本種と異なり分生子が無色ではなく初め無色でのちにごく淡い帯オリーブ色
本種と異なり分生子が長楕円形ではなく広楕円形~倒卵状、短円筒形、一部が類球形または不規則形で時に基部が斜め
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia oblongispora
形態的に類似している
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子形成細胞がずっと長い
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子が無色ではなくほぼ無色~淡褐色
本種より分生子の長さ/幅比が大きい
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Racheliella wingfieldiana
分生子が無色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなく日本などに分布する
本種と異なりフトモモ属ではなくシイ属植物などを宿主とする
本種より盾形分生子殻のサイズが小さい
本種より分生子柄が長い
本種より分生子の幅が広い
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Paratubakia subglobosa (T. Yokoyama & Tubaki) U. Braun & C. Nakash.
旧名:Tubakia subglobosa (T. Yokoy. & Tubaki) B. Sutton
(基礎異名はActinopelte subglobosa T. Yokoy. & Tubaki)
語源…(属名)Tubakia属類似
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【よく似た種との区別】
Sphaerosporithyrium mexicanum
同じコナラ属植物を宿主とする
分生子の形状が類似している
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアジアなどではなくメキシコに分布する
本種と異なりQuercus glaucaではなくQ. eduardiなどを宿主とする
本種と異なり盾形分生子殻先端の菌糸束が尖るという特徴を欠く
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Paratubakia subglobosoides
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり葉に顕著な病斑を生じる
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子が球形~類球形でない
本種より分生子の長さ/幅比が大きい
本種とMEA培地における培養特性がかなり異なる
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Oblongisporothyrium castanopsidis
盾形分生子殻縁部がやや内巻きである
分生子形成細胞が無色~有色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり盾形分生子殻先端の菌糸束が尖るという特徴を欠く
本種と異なり分生子が球形~類球形ではなく長楕円形
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia dryina
盾形分生子殻の先端が鈍頭~尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が球形~類球形でない
本種より分生子の長さ/幅比が大きい
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia iowensis
盾形分生子殻の先端が鈍頭~尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が球形~類球形でない
本種より分生子の長さ/幅比が大きい
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Racheliella saprophytica (Tangthir., S. Philippe, Bhat & K.D. Hyde) Crous & U. Braun
旧名:Greeneria saprophytica Tangthir., S. Philippe, Bhat & K.D. Hyde
語源…(属名)2018年生まれのWingfield夫妻の初孫Rachelに献名
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【よく似た種との区別】
Tubakia californica
分生子果のサイズが類似している
分生子形成様式がフィアロ型
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなく米国に分布する
本種と異なりフトモモ属ではなくChrysolepis属、Notholithocarpus属、コナラ属植物を宿主とする
本種より分生子柄が短い
本種と異なり分生子柄が時に分枝するのではなく分枝しない
本種と異なり分生子柄に隔壁を有するのではなく欠く
本種と異なり分生子形成細胞にフレア状で縁部が鋸歯状のカラレットを有するという特徴を欠く
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Saprothyrium thailandense
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり盾形分生子殻を形成する
本種と異なり子座状分生子果を形成しない
本種と異なり分生子柄が時に分枝するのではなく分枝しない
本種と異なり分生子柄に隔壁を有するのではなく欠く
本種と異なり分生子が無色
本種と異なり分生子が類球形
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Saprothyrium thailandense (Senan., Tangthir. & K.D. Hyde) U. Braun, Crous & J.Z. Groenew.
旧名:Tubakia thailandensis Senan., Tangthir. & K.D. Hyde
語源…(属名)腐生性+盾形分生子殻
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【よく似た種との区別】
Racheliella saprophytica
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり盾形分生子殻を形成しない
本種と異なり子座状分生子果を形成する
本種と異なり分生子柄が分枝しないのではなく時に分枝する
本種と異なり分生子柄に隔壁を欠くのではなく有する
本種と異なり分生子が無色でない
本種と異なり分生子が類球形でない
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Tubakia americana (Höhn.) T.C. Harr. & McNew
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【よく似た種との区別】
Tubakia dryina
樹木の枝に生じる
形態的にかなり類似している
盾形分生子殻が痂状
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり盾形分生子殻の菌糸束先端が鈍頭ではなく尖る
本種より培養下での菌糸体がずっと暗色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia suttoniana
同じコナラ属植物を宿主とする
分生子が有色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米ではなくイタリアに分布する
本種より分生子のサイズがやや大きい
本種と異なり小分生子が紡錘形で頂部および基部にかけて先細りになるのではなく短円筒形~類棍棒形で頂部が丸く、基部が広截断状
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Tubakia chinensis U. Braun, S. Bien & Hantsch
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【よく似た種との区別】
Tubakia japonica
同じクリ属植物を宿主とする
分生子がかなり大型
本種より分生子のサイズがずっと大きい
本種と異なり分生子が無色
本種と異なり小分生子を形成する
Tubakia seoraksanensis
本種より”scutella”のサイズが小さい
本種より分生子形成細胞の幅が狭い
本種より分生子のサイズがずっと小さい
Italy, Veneto, Treviso, Fagaré Forest

(その他掲載種)

Tubakia dryina (Sacc.) B. Sutton
※本種のエピタイプおよびレクトタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Tubakia americana
樹木の枝に生じる
形態的にかなり類似している
盾形分生子殻が痂状
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり盾形分生子殻の菌糸束先端が尖るのではなく鈍頭
本種より培養下での菌糸体がずっと明色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia paradryinoides
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズがずっと大きい
本種と異なり分生子が初め無色、ほぼ無色だがのちに淡い帯オリーブ色、帯オリーブ褐色~帯褐色なのではなく無色~ほぼ無色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia melnikiana
同じコナラ属植物を宿主とする
病斑が葉身全体に広がる
形態的に類似する(混同されている)
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
“scutella”の形態に違いがほとんどない
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパ、ニュージーランドにおける分布が知られていない
本種と異なりブナ属植物が宿主として知られていない
本種と異なり盾形分生子殻先端の菌糸束が尖るのではなく鈍頭~尖る
本種と異なり小分生子が狭楕円形~類円筒形から広楕円形~卵状で頂部が鈍頭~丸く基部が短倒円錐形截断状である
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia dryinoides
形態的に類似している(本種として扱われていた)
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子が少なくとも発芽まで無色またはほぼ無色にとどまる
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Paratubakia subglobosa
盾形分生子殻の先端が鈍頭~尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子が短い
本種と異なり分生子が球形~類球形
本種より分生子の長さ/幅比が小さい
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia iowensis
盾形分生子殻の形態が識別困難なほど類似している
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり葉身全体に病斑が散在するのではなく病徴が葉脈に限定される
本種より小分生子の幅が狭い
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia liquidambaris
葉身全体に病斑を生じる
形態的に類似している(通常本種のシノニムとして扱われてきた)
盾形分生子殻の形態がほぼ識別不能なほど類似している
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブナ属およびコナラ属ではなくフウ属植物を宿主とする
nrLSU、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Tubakia hallii T.C. Harr. & McNew
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【よく似た種との区別】
Tubakia iowensis
宿主の葉に生じる
盾形分生子殻のサイズの範囲が重なる
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
小分生子のサイズの範囲が重なる
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり宿主範囲が狭いとみられる
本種と異なり葉脈の壊死および葉身全体の病斑を引き起こすのではなく葉脈の壊死を引き起こす
本種より盾形分生子殻の最大サイズが小さい
本種と異なりMEA培地での分生子形成が珍しくないのではなく稀
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia macnabbii
北米に分布する
同じブナ科植物を宿主とする
葉に病斑を生じる
スポロドキアを形成する
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり痂状分生子果を有する
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Tubakia iowensis T.C. Harr. & McNew
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Paratubakia subglobosa
盾形分生子殻の先端が鈍頭~尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子が短い
本種と異なり分生子が球形~類球形
本種より分生子の長さ/幅比が小さい
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia hallii
宿主の葉に生じる
盾形分生子殻のサイズの範囲が重なる
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
小分生子のサイズの範囲が重なる
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり宿主範囲が広いとみられる
本種と異なり葉脈の壊死ではなく葉脈の壊死および葉身全体の病斑を引き起こす
本種より盾形分生子殻の最大サイズが大きい
本種と異なりMEA培地での分生子形成が稀ではなく珍しくない
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia dryina
盾形分生子殻の形態が識別困難なほど類似している
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり病徴が葉脈に限定されるのではなく葉身全体に病斑が散在する
本種より小分生子の幅が広い
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia macnabbii
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり病変が葉脈に限られるのではなく病斑が葉身全体に生じる
本種より分生子のサイズが僅かに小さい
本種より小分生子の幅が広い
本種と異なり培養下で分生子を容易に産生する
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
茨城県かすみがうら市千代田

(その他掲載種)

Tubakia japonica (Sacc.) B. Sutton
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Tubakia chinensis
同じクリ属植物を宿主とする
分生子がかなり大型
本種より分生子のサイズがずっと小さい
本種と異なり分生子が無色でない
本種と異なり小分生子を形成するという特徴を欠く
Tubakia seoraksanensis
アジアに分布する
同じコナラ属植物を宿主とする
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より宿主範囲が狭い
本種より分生子のサイズがずっと小さい
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Tubakia liquidambaris (Tehon & Stout) T.C. Harr. & McNew
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【よく似た種との区別】
Tubakia dryina
葉身全体に病斑を生じる
形態的に類似している(通常この種のシノニムとして扱われてきた)
盾形分生子殻の形態がほぼ識別不能なほど類似している
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフウ属ではなくブナ属およびコナラ属植物を宿主とする
nrLSU、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia macnabbii
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
MYEA培地での培養性状が類似している
nrLSU、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフウ属ではなくブナ科植物を宿主とする
本種よりコロニーの生長が速い
本種と異なり同心円状のスポロドキアから豊富に分生子を産生するという特徴を欠く
nrLSU、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Tubakia macnabbii T.C. Harr. & McNew
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【よく似た種との区別】
Tubakia liquidambaris
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
MYEA培地での培養性状が類似している
nrLSU、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブナ科ではなくフウ属植物を宿主とする
本種よりコロニーの生長が遅い
本種と異なり同心円状のスポロドキアから豊富に分生子を産生する
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia hallii
北米に分布する
同じブナ科植物を宿主とする
葉に病斑を生じる
スポロドキアを形成する
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり痂状分生子果を欠く
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia iowensis
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり病斑が葉身全体に生じるのではなく病変が葉脈に限られる
本種より分生子のサイズが僅かに大きい
本種より小分生子の幅が狭い
本種と異なり培養下で分生子を容易に産生するという特徴を欠く
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia tiffanyae
北米に分布する
同じコナラ属植物を宿主とする
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり病斑が特徴的な円形である
本種と異なりスポロドキアが病斑上ではなく壊死葉脈上に生じる
本種と異なり痂状分生子果が越冬葉に見られる
本種より分生子のサイズがやや大きい
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia suttoniana
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり盾形分生子殻先端の菌糸束が尖るのではなく鈍頭
本種と異なり小分生子が短円筒形~類棍棒形で頂部が丸く、基部が広截断状
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Tubakia seoraksanensis H.Y. Yun
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【よく似た種との区別】
Tubakia japonica
アジアに分布する
同じコナラ属植物を宿主とする
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種より宿主範囲が広い
本種より分生子のサイズがずっと大きい
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia chinensis
本種より”scutella”のサイズが大きい
本種より分生子形成細胞の幅が広い
本種より分生子のサイズがずっと大きい
Tubakia paradryinoides
アジアに分布する
同じコナラ属植物を宿主とする
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりQuercus mongolicaではなくQ. acutissimaを宿主とする
本種より”scutella”のサイズが小さい
本種より分生子形成細胞の幅が狭い
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新学名)

Tubakia suttoniana U. Braun & Crous
旧名:Dicarpella dryina Belisario
語源…イギリスの菌学者、B.C. Suttonに献名
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【よく似た種との区別】
Apiognomonioides supraseptata
子嚢殻が嘴状
子嚢が8胞子性
子嚢の壁が一重
分生子が無色
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢胞子の頂部付近に1隔壁を有する
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia macnabbii
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり盾形分生子殻先端の菌糸束が鈍頭ではなく尖る
本種と異なり小分生子が短円筒形~類棍棒形で頂部が丸く、基部が広截断状という特徴を欠く
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tubakia americana
同じコナラ属植物を宿主とする
分生子が有色
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリアではなく北米に分布する
本種より分生子のサイズがやや小さい
本種と異なり小分生子が短円筒形~類棍棒形で頂部が丸く、基部が広截断状なのではなく紡錘形で頂部および基部にかけて先細りになる
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Tubakia tiffanyae T.C. Harr. & McNew
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【よく似た種との区別】
Tubakia macnabbii
北米に分布する
同じコナラ属植物を宿主とする
盾形分生子殻先端の菌糸束が尖る
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり病斑が特徴的な円形でない
本種と異なりスポロドキアが壊死葉脈上ではなく病斑上に生じる
本種と異なり痂状分生子果が越冬葉に見られるという特徴を欠く
本種より分生子のサイズがやや小さい
nrLSU、rpb2、ITS+tef1+tub2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される