(仮訳)AgaricusPseudochitonia亜属の系統分類、および1新節およびオマーン産の1新種の記載
Hussain, S. et al. 2022. Phylogeny of Agaricus subgenus Pseudochitonia with the description of a new section and a new species from Oman. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-022-01819-8 [Accessed May 1, 2024] 【R3-11660】2024/5/1投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

オマーン、ドファール特別行政区で採集されたAgaricusPseudochitonia亜属の菌について分子系統解析を実施した。
形態形質、系統樹の統計的支持、および分岐年代を根拠に、縁シスチジアが鎖生し、独特なフェノール臭などで特徴づけられる新節Catenulatiを提唱した。
また、オマーンの砂漠地帯から子実体が中型、傘が凸形で帯褐色の繊維に覆われ、担子胞子が楕円形~長楕円形であり、縁シスチジアが規則的に鎖生することなどで特徴づけられた新種A. arabiensisを記載した。
Oman, Dhofar, Salalah, Wadi Darbat

(新種)

Agaricus arabiensis S. Hussain & Al-Sadi
語源…アラビアの
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Agaricus lannaensis
アジアに分布する
子実体がKOHで帯黄色に呈色する
シェーファー反応陰性である
ITSおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオマーンではなくタイなどに分布する
本種と異なり傘が帯赤褐色ではなく淡橙色
本種と異なり傘が扁平凸形ではなく鐘形
本種と異なり傘表面が小鱗片状ではなくいくぶん繊維状
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が楕円形
本種と異なり縁シスチジアが鎖生するという特徴を欠く
本種と異なり縁シスチジアが有柄
ITSおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Agaricus erectosquamosus
アジアに分布する
縁シスチジアの形状がいくぶん類似している
ITSおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオマーンではなくタイなどに分布する
本種と異なり傘表面に中央部に密集し、直立する独特の小鱗片を有する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が長楕円形~楕円形
本種と異なり縁シスチジアが規則的に鎖生するのではなく時に短く鎖生する
ITSおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Agaricus pallidobrunneus
アジアに分布する
ITSおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオマーンではなく中国などに分布する
本種より子実体のサイズが比較的大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘が帯褐橙色
本種と異なり傘表面が繊維状~小鱗片状
本種より柄のサイズが大きい
本種と異なり縁シスチジアが規則的に鎖生するのではなく時に短く鎖生する
ITSおよびITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される