(仮訳)エキビョウキン属ITSクレード6の新種、Phytophthora borealisおよびPhytophthora riparia
Hansen, EM., Reeser, PW. & Sutton, W., 2012. Phytophthora borealis and Phytophthora riparia, new species in Phytophthora ITS Clade 6. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/early/2012/08/14/11-349.abstract [Accessed October 10, 2014].
【R3-01179】2014/10/11投稿

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3行まとめ

米国の3州において、林内の小川でエキビョウキン属菌の調査を行った。
培養性状の検討、分子系統解析、交配試験などの結果から、ITSクレード6の2新種としてPhytophthora borealisおよびP. ripariaを記載した。
両種は形態的に非常に類似していたが、分子系統解析のほか、前者がオレゴン州で見出されない点、生長適温が低い点などで区別された。
Bear Creek, Alaska

(新種)

Phytophthora borealis E Hansen, Sutton and Reeser
語源…北方の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phytophthora gonapodyides
同所的に分布する(アラスカ州)
形態的に非常に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる)
本種より遊走子嚢の平均サイズが小さい
本種とコロニーの生長パターンが異なる
本種と最適生長温度が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phytophthora megasperma
形態的に非常に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる)
本種と異なり病原菌として知られている
本種より遊走子嚢の平均サイズが小さい
本種とコロニーの生長パターンが異なる
本種と最適生長温度が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phytophthora riparia
同所的に分布する(アラスカ州)
形態的に非常に類似している
基本的に不稔である
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる)
本種と異なり米国オレゴン州に分布する
本種より遊走子嚢の平均サイズが小さい
本種と異なり最適生長温度が15-20℃ではなく30℃
本種と異なりCA培地での生育が25℃以上で乏しくなるのではなく35℃まで生育可能
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Oak Creek near Corvallis, Oregon

(新種)

Phytophthora riparia Reeser, Sutton and E Hansen
語源…河川の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Phytophthora riparia
同所的に分布する(アラスカ州)
形態的に非常に類似している
基本的に不稔である
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる)
本種と異なり米国オレゴン州での分布が知られていない(広範な調査でも見出されなかった)
本種より遊走子嚢の平均サイズが大きい
本種と異なり最適生長温度が30℃ではなく15-20℃
本種と異なりCA培地で35℃まで生育可能ではなく25℃以上で乏しい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phytophthora gonapodyides
同所的に分布する(アラスカ州)
形態的に非常に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる)
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Phytophthora megasperma
形態的に非常に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード6に含まれる)
本種と異なり病原菌として知られている
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される