(仮訳)米国産の有傘Fomitiporia属菌、新組み合わせFomitiporia calkinsiiおよびF. bakeri
Vlasák, J. & Kout, J., 2011. Pileate Fomitiporia species in the USA. New combinations Fomitiporia calkinsii and F. bakeri. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-010-0715-0 [Accessed September 10, 2014].
【R3-01085】2014/09/10投稿

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3行まとめ

Fomitiporia robusta種複合体の分子系統解析の結果に基づき、米国におけるF. robustaの発生を疑問とした。
米国で知られていたF. robusta類似の多孔菌がFomes calkinsiiに相当し、F. robustaと明白に別種であることを確かめた。
同じくF. robusta類似のPhellinus bakeriも検討し、両種をFomitiporia属に移す措置を行った。

(新組み合わせ)

Fomitiporia calkinsii (Murrill) Vlasák & Kout
旧名:Fomes calkinsii (Murrill) Sacc. & D. Sacc.
(基礎異名はPyropolyporus calkinsii Murrill)
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【よく似た種との区別】
Fomitiporia robusta(カシサルノコシカケ)
形態的に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくヨーロッパに分布する
本種と異なり傘の色がさび褐色~褐色ではなく暗い帯黒褐色~いくぶん黒色
本種と異なり傘表面が通常縁部を除き藻類により緑色になる
本種と異なり不明瞭な殻皮を有するのではなく厚い殻皮に覆われる
本種より孔口のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より骨格菌糸の幅が顕著に広い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fomitiporia bakeri
米国に分布する
子実体の形態が概ね類似している
本種と異なりコナラ属・ペカン属ではなくカバノキ属植物を宿主とする
本種と異なりほとんどの場合生木の幹に発生するのではなく枯れ木の幹に発生する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より子実体が明色
本種より孔口のサイズが大きい
本種と異なり孔口がやや不規則
本種と異なり肉がしばしば非常に厚くなる
本種より肉が黄褐色を帯びる
本種と異なり肉に顕著な光沢がある
本種ほど子実体が硬くない

(新組み合わせ)

Fomitiporia bakeri (Murrill) Vlasák & Kout
旧名:Phellinus bakeri (Murrill) A. Ames
(基礎異名はPyropolyporus bakeri Murrill)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Fomitiporia robusta(カシサルノコシカケ)
肉眼的形質が非常に類似している
顕微鏡的形質が非常に類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくヨーロッパに分布する
本種と異なりカバノキ属ではなくコナラ属植物を宿主とする
本種と異なり枯れ木の幹ではなくほとんどの場合生木の幹に発生する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITS1に約8-9%、ITS2に約6-7%の差異)
Fomitiporia calkinsii
米国に分布する
子実体の形態が概ね類似している
本種と異なりカバノキ属ではなくコナラ属・ペカン属植物を宿主とする
本種と異なり枯れ木の幹ではなくほとんどの場合生木の幹に発生する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より子実体が暗色
本種より孔口のサイズが小さい
本種と異なり孔口がやや不規則でない
本種と異なり肉がしばしば非常に厚くならない
本種ほど肉が黄褐色を帯びない
本種と異なり肉に顕著な光沢がない
本種より子実体が硬い