(仮訳)多相分類学的データによりAspergillus candidusの2種への分割が支持された:新種Aspergillus dobrogensisの記載
Hubka, V. et al., 2018. Polyphasic data support the splitting of Aspergillus candidus into two species; proposal of Aspergillus dobrogensis sp. nov. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. Available at: http://ijs.microbiologyresearch.org/pubmed/content/journal/ijsem/10.1099/ijsem.0.002583 [Accessed April 21, 2019] 【R3-06149】2019/4/21投稿

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3行まとめ

主に屋内環境、洞窟、臨床検体などに由来するAspergillus candidusの分離菌株を検討し、本種が2種に分けられることを示した。
その片方について、計7ヶ国に由来する22菌株を基に新種A. dobrogensisを記載した。
両種は複数遺伝子に基づく分子系統解析のほか、二次代謝産物プロファイルや分生子柄および頂嚢のサイズなどによっても区別された。
Romania, Movile Cave, 2nd airbell

(新種)

Aspergillus dobrogensis A. Nováková, Jurjević, F. Sklenar, Frisvad, Houbraken & Hubka
語源…ドブロジャ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Aspergillus candidus
チェコ、ルーマニア、米国、オランダに分布する
室内、洞窟、臨床検体、糞などから分離される
形態的に類似している(同種と考えられてきた)
分生子の直径の範囲が重なる
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子柄のサイズが有意に小さい
本種より頂嚢が有意に短い
本種と異なりCYA培地で菌核を形成する菌株の割合がほぼ全てではなく少数
本種と異なりMEA35°Cで生育可能
本種より25°Cでの平均生長測度が一般的に遅い
本種と異なりバルセロネイン酸C、カンジドゥシン類、テルフェニリン、およびアスペルギラジンAの産生が知られている
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus campestris
米国に分布する
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーが硫黄色
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus pragensis
米国、チェコに分布する
臨床検体、室内環境から分離される
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロニーのリバースが2-3週の培養で赤褐色になる
本種より全培地全温度でのコロニーの生長が遅い
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus subalbidus
室内環境から分離される
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジル、ドイツ、ガーナにおける分布が知られている
本種よりMEA培地での分生子柄が短い
本種よりコロニーの生長が僅かに遅い
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus tritici
チェコに分布する
臨床検体から分離される
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりインドにおける分布が知られている
本種と異なりコムギの穀粒、ミミズ堆肥、小麦粉などから分離される
本種と異なり37°Cで生育可能
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Aspergillus taichungensis
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり台湾における分布が知られている
本種と異なり土壌から分離される
本種と異なり37°Cで生育可能
benA+CaM+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される