(仮訳)日本で採集された不稔糸状地衣の新種、Racoleus japonicus
Miyazawa, K. & Ohmura, Y. 2023. Racoleus japonicus sp. nov. (Teratosphaeriaceae, Ascomycota), a new sterile filamentous lichen collected from Japan. Taiwania. Available at: http://tai2.ntu.edu.tw/taiwania/pdf/tai.2023.68.417.pdf [Accessed April 3, 2024] 【R3-11577】2024/4/3投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

日本の北海道から九州にかけての岩場で採集された地衣の一種を検討し、Racoleus japonicusとして新種記載した。
本種は微小な帯黒褐色糸状で刺を側生し、菌糸が垂直に配列し、共生藻がスミレモ属であることなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析でテラトスフェリア科に含まれ、外観が類似するCystocoleus属やRacodium属とは系統的に近縁でなかった。
長野県南佐久郡川上村梓山

(新種)

Racoleus japonicus K. Miyaz. & Y. Ohmura
イワゴケ
語源…日本の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Racoleus trichophorus
東アジアに分布する
地衣体が密である
地衣体が帯黒褐色
地衣体が微小な糸状である
本種と異なり日本ではなくコートジボワール、中国、ペルーなどに分布する
本種より地衣体のフィラメントの幅が狭い
本種と異なり刺が不規則に波打つのではなく直線状
本種より菌糸細胞のサイズが小さい
Racodium rupestre(イワゴケモドキ)
日本に分布する
形態的に類似している(この種に同定されていたことがあり、混同のおそれがある)
地衣体が帯黒褐色
地衣体が糸状
共生藻がスミレモ属である
本種と異なり菌糸が垂直に配列するという特徴を欠く
nrSSU+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cystocoleus ebeneus
形態的に類似している(混同のおそれがある)
地衣体が帯黒褐色
地衣体が糸状
共生藻がスミレモ属である
本種と異なり菌糸が垂直に配列するのではなく若干ねじれる
nrSSU+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Spilonema spp.
地衣体が帯黒色
本種より地衣体のフィラメントの幅が広い
本種より地衣体が硬い
本種と異なり子器を形成する
本種と異なり共生藻がスミレモ属ではなくシアノバクテリアである
Thermutis spp.
地衣体が帯黒色
本種より地衣体のフィラメントの幅が広い
本種より地衣体が硬い
本種と異なり子器を形成する
本種と異なり共生藻がスミレモ属ではなくシアノバクテリアである