(仮訳)Mycoleptodiscus属菌および形態的に類似する菌類の再検討
Hernández-Restrepo, M. et al., 2019. Re-evaluation of Mycoleptodiscus species and morphologically similar fungi. Persoonia. Available at: https://doi.org/10.3767/persoonia.2019.42.08 [Accessed May 12, 2019] 【R3-06211】2019/5/12投稿

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3行まとめ

Mycoleptodiscus属を中心とする菌類の再検討を実施し、本属が多系統群であることを示した。
基準種のM. sphaericusをシノニムに落とし、新種M. suttoniiを記載したほか、新属新種Neomycoleptodiscus venezuelenseを記載した。
本属菌の一部をMuyocopron属やOmnidemptus属に移したほか、系統解析の結果に基づきそれらの属に計3新種を記載した。
Australia, Queensland, Logan (Greenbank)

(新種)

Muyocopron alcornii Hern.-Restr., J.D.P. Bezerra & Y.P. Tan
語源…オーストラリアの菌学者John L. Alcornに献名
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【よく似た種との区別】
Muyocopron sahnii
スポロドキアのサイズの範囲が重なる
分生子が三日月形および紡錘形
分生子の両端に付属糸を有することがある
本種より分生子形成細胞のサイズが小さい
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子の隔壁数が0-1(-2)ではなく0
USA, Florida

(新種)

Muyocopron zamiae Hern.-Restr. & Crous
語源…Zamia属の
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【よく似た種との区別】
Muyocopron sahnii
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
分生子が三日月形および紡錘形
分生子の両端に付属糸を有することがある
分生子の隔壁数が0
本種より分生子のサイズが小さい
Muyocopron atromaculans
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
分生子の両端に付属糸を有する
分生子の隔壁数が0
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子が三日月形および紡錘形ではなく三日月形または広鎌形
本種より分生子の付属糸が短い
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Muyocopron geniculatum
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
分生子のサイズの範囲が重なる
分生子の両端に付属糸を有する
分生子の隔壁数が0
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子形成細胞のカラレットのサイズが大きい
本種より分生子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり分生子がなだらかに屈曲するのではなく膝折状
本種より分生子の付属糸が長い
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, Itabuna, Asha Ram, Centro de Pesquisas do Cacau

(新種)

Mycoleptodiscus suttonii Hern.-Restr., J.D.P. Bezerra & Crous
語源…イギリスの菌学者、Brian C. Sutton氏に献名
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【よく似た種との区別】
Mycoleptodiscus terrestris
分生子の形態が非常に類似している
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Venezuela

(新種)

Neomycoleptodiscus venezuelense Hern.-Restr., J.D.P. Bezerra & Crous
語源…ベネズエラ産の
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【よく似た種との区別】
Mycoleptodiscus disciformis
形態的に識別困難なほど類似している
分生子が円筒形
分生子の両端に付属糸を有する
分生子の隔壁数が1
本種より分生子の付属糸が長い
Spain, Navarra, Robledal de Orgi

(新種)

Omnidemptus graminis Hern.-Restr., Gené & Guarro
語源…イネ科の
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(新組み合わせ)

Muyocopron atromaculans (Bills & Polishook) Hern.-Restr., J.D.P. Bezerra & Crous
旧名:Mycoleptodiscus atromaculans Bills & Polishook
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【よく似た種との区別】
Muyocopron zamiae
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
分生子の両端に付属糸を有する
分生子の隔壁数が0
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子が三日月形または広鎌形ではなく三日月形および紡錘形
本種より分生子の付属糸が長い
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Muyocopron coloratum
分生子の両端に付属糸を有する
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくオーストラリアに分布する
本種と異なりヒノキ属ではなくCattleya属植物を宿主とする
本種より分生子形成細胞のサイズが大きい
本種より分生子形成細胞のカラレットが長い
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子が広鎌形または三日月形ではなく広三日月~左右不等の卵形~楕円形
本種より分生子の付属糸が長い
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Muyocopron taiwanense
分生子の隔壁数が0
分生子の両端に付属糸を有する
分生子の付属糸の長さが類似している
本種と異なり米国ではなく台湾に分布する
本種と異なりヒノキ属ではなくビンロウ属属植物を宿主とする
本種より分生子形成細胞のサイズが小さい
本種より分生子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり分生子が広鎌形または三日月形ではなく広鎌形
本種より付着器の幅が狭い
本種と異なり付着器が広楕円形ではなく棍棒状倒卵状で頂部が広く丸く、直線状または僅かに屈曲する
本種と異なり付着器の隔壁数が0-1ではなく(0-)1(-2)

(新組み合わせ)

Muyocopron coloratum (Alcorn) Hern.-Restr., J.D.P. Bezerra & Crous
旧名:Mycoleptodiscus coloratus Alcorn
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【よく似た種との区別】
Muyocopron atromaculans
分生子の両端に付属糸を有する
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなく米国に分布する
本種と異なりCattleya属ではなくヒノキ属植物を宿主とする
本種より分生子形成細胞のサイズが小さい
本種より分生子形成細胞のカラレットが短い
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子が広三日月~左右不等の卵形~楕円形ではなく広鎌形または三日月形
本種より分生子の付属糸が短い
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新学名)

Muyocopron freycineticola Hern.-Restr. & Crous
旧名:Mycoleptodiscus freycinetiae Whitton
語源…ツルアダン属に生息する
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【よく似た種との区別】
Muyocopron sahnii
分生子の両端に付属糸を有する
分生子の隔壁数が0
本種と異なり分生子果が球形
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子が広鎌形~三日月形ではなく三日月形および紡錘形

(新組み合わせ)

Muyocopron geniculatum (Alcorn) Hern.-Restr., J.D.P. Bezerra & Crous
旧名:Mycoleptodiscus geniculatus Alcorn
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【よく似た種との区別】
Muyocopron zamiae
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
分生子のサイズの範囲が重なる
分生子の両端に付属糸を有する
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子形成細胞のカラレットのサイズが小さい
本種より分生子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり分生子が膝折状ではなくなだらかに屈曲する
本種より分生子の付属糸が短い
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Muyocopron sahnii
スポロドキアのサイズの範囲が重なる
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
分生子の両端に付属糸を有する
分生子の隔壁数が0
本種より分生子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり分生子が膝折状ではなくなだらかに屈曲する

(新組み合わせ)

Muyocopron laterale (Alcorn & B. Sutton) Hern.-Restr., J.D.P. Bezerra & Crous
旧名:Mycoleptodiscus lateralis Alcorn & B. Sutton
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(新学名)

Muyocopron sahnii Hern.-Restr. & Crous
旧名:Mycoleptodiscus indicus (V.P. Sahni) B. Sutton
(基礎異名はAmerodiscosiella indica 
V.P. Sahni)
語源…インドの菌学者、V.P. Sahni氏に献名
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【よく似た種との区別】
Muyocopron freycineticola
分生子の両端に付属糸を有する
分生子の隔壁数が0
本種と異なり分生子果が球形でない
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子が三日月形および紡錘形ではなく広鎌形~三日月形
Muyocopron zamiae
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
分生子が三日月形および紡錘形
分生子の両端に付属糸を有することがある
分生子の隔壁数が0
本種より分生子のサイズが大きい
Muyocopron alcornii
スポロドキアのサイズの範囲が重なる
分生子が三日月形および紡錘形
分生子の両端に付属糸を有することがある
本種より分生子形成細胞のサイズが大きい
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子の隔壁数が0ではなく0-1(-2)
Muyocopron geniculatum
スポロドキアのサイズの範囲が重なる
分生子形成細胞のサイズの範囲が重なる
分生子の両端に付属糸を有する
分生子の隔壁数が0
本種より分生子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり分生子がなだらかに屈曲するのではなく膝折状

(新組み合わせ)

Muyocopron taiwanense (Matsush.) Hern.-Restr. & Crous
旧名:Mycoleptodiscus taiwanensis Matsush.
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【よく似た種との区別】
Muyocopron atromaculans
分生子の隔壁数が0
分生子の両端に付属糸を有する
分生子の付属糸の長さが類似している
本種と異なり台湾ではなく米国に分布する
本種と異なりビンロウ属ではなくヒノキ属植物を宿主とする
本種より分生子形成細胞のサイズが大きい
本種より分生子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり分生子が広鎌形ではなく広鎌形または三日月形
本種より付着器の幅が広い
本種と異なり付着器が棍棒状倒卵状で頂部が広く丸く、直線状または僅かに屈曲するのではなく広楕円形
本種と異なり付着器の隔壁数が(0-)1(-2)ではなく0-1

(その他掲載種)

Mycoleptodiscus terrestris (Gerd.) Ostaz.
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【よく似た種との区別】
Mycoleptodiscus suttonii
分生子の形態が非常に類似している
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Omnidemptus affinis P.F. Cannon & Alcorn
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【よく似た種との区別】
Omnidemptus lunatus
分生子が鎌形
分生子に隔壁を有する
分生子に付属糸を欠く
付着器のサイズの範囲が重なる
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種よりスポロドキアのサイズが小さい
本種より分生子形成細胞のサイズが小さい
本種より分生子形成細胞のカラレットのサイズが小さい
本種より分生子の幅が僅かに広い
本種と異なり分生子がいくぶん急に端で狭まるのではなく基部にかけて徐々に先細りになる
本種と異なり分生子の隔壁数が1-2(-3)ではなく1
付着器が倒卵状~棍棒形で縁部が波打つのではなく倒卵状、棍棒形~不規則形
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Omnidemptus lunatus (B. Sutton & Alcorn) Hern.-Restr., J.D.P. Bezerra & Crous
旧名:Mycoleptodiscus lunatus B. Sutton & Alcorn
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【よく似た種との区別】
Omnidemptus affinis
分生子が鎌形
分生子に隔壁を有する
分生子に付属糸を欠く
付着器のサイズの範囲が重なる
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種よりスポロドキアのサイズが大きい
本種より分生子形成細胞のサイズが大きい
本種より分生子形成細胞のカラレットのサイズが大きい
本種より分生子の幅が僅かに狭い
本種と異なり分生子が基部にかけて徐々に先細りになるのではなくいくぶん急に端で狭まる
本種と異なり分生子の隔壁数が1ではなく1-2(-3)
付着器が倒卵状、棍棒形~不規則形ではなく倒卵状~棍棒形で縁部が波打つ
ITS+nrLSU+rpb1+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される