(仮訳)全世界のExsudoporus属菌の複数遺伝子系統解析、形態、および生物地理に基づく再評価、およびAmoenoboletus属についての洞察
Biketova, AYu. et al., 2022. Reappraisal of the Genus Exsudoporus (Boletaceae) Worldwide Based on Multi-Gene Phylogeny, Morphology and Biogeography, and Insights on Amoenoboletus. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/8/2/101 [Accessed January 27, 2022] 【R3-09186】2022/1/27投稿

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3行まとめ

全世界のExsudoporus属菌についてタイプ標本を含む形態学的検討および分子系統解析を実施し、全種の検索表を作成した。
基準種のE. permagnificusをイスラエルから初めて報告し、東アジア産のLeccinum rubrumを本属に移すとともにBoletus kermesinusをそのシノニムとした。
Boletus weberiおよびXerocomus cf. mcrobbiiは本属クレードの外に位置したためAmoenoboletus属に移した。

(イスラエル新産種)

Exsudoporus permagnificus (Pöder) Vizzini, Simonini & Gelardi
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【よく似た種との区別】
Exsudoporus floridanus
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパおよび西アジアではなく北米東部および南東部に分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘の直径が大きい
本種と異なり傘がアンモニアで帯オリーブ黒色に呈色する
本種と異なり柄が典型的には棍棒形
本種より担子胞子の幅が僅かに狭い
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Exsudoporus frostii
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパおよび西アジアではなく北米東部などに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より子実体がしっかりとしている
本種より傘の直径が大きい
本種と異なり傘が血赤色~キャンディアップルレッド
本種と異なり傘表面が磨かれたような光沢を有し湿時粘性
本種と異なり柄が通常棍棒形
本種と異なり柄表面の全長にわたって、帯赤色の地に帯黄色の隆起し粗くて深くて目立つ網目状~小室状の模様がある
本種と異なり子実体組織が緩やかに不規則に淡青色に変色する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より傘表皮菌糸の幅が狭い
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Exsudoporus ruber
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパおよび西アジアではなく東アジアに分布する
本種と異なり亜高山針葉樹林に生じる
本種より子実体のサイズが僅かに大きい
本種より傘の最大直径が大きい
本種と異なり傘が暗赤色、帯褐赤色~紫褐色
本種と異なり傘表面に磨かれたような光沢を有する
本種と異なり傘肉が露出しても変色しないか非常に緩やかに淡い青色に変色する
本種と異なり柄全体が帯赤色
本種と異なり柄の特に下半分が老成すると崩壊して不規則な鱗片状のパッチ状をなす
本種より担子胞子が長い
本種より縁シスチジアの幅が僅かに狭い
本種と異なり縁シスチジアが類円筒形
本種より傘表皮菌糸の幅が狭い
本種より柄シスチジアが長い
本種より柄実質菌糸の幅が狭い
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amoenoboletus weberi
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマツが優占するブナ科樹木との混交林に生じる
本種より子実体のサイズが小さい
本種より傘のサイズが小さい
本種より柄のサイズが小さい
本種と異なり柄基部に白色の菌糸体を伴う
本種と異なり子実体組織が傷ついても変色しない
本種より担子器の幅が僅かに狭い
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
本種と異なり傘表皮の末端細胞の幅が狭い
本種より柄シスチジアのサイズが小さい
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Florida, Alachua Co., Gainesville, University of Florida Campus, Fifield Hall

(その他掲載種)

Exsudoporus floridanus (Singer) Vizzini, Simonini & Gelardi
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Exsudoporus permagnificus
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米東部および南東部ではなくヨーロッパおよび西アジアに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘がアンモニアで帯オリーブ黒色に呈色するという特徴を欠く
本種と異なり柄が典型的には棍棒形という特徴を欠く
本種より担子胞子の幅が僅かに広い
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Exsudoporus frostii (J.L. Russell) Vizzini, Simonini & Gelardi
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【よく似た種との区別】
Exsudoporus permagnificus
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米東部などではなくヨーロッパおよび西アジアに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種ほど子実体がしっかりとしていない
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘が血赤色~キャンディアップルレッドでない
本種と異なり傘表面が磨かれたような光沢を有し湿時粘性という特徴を欠く
本種と異なり柄が通常棍棒形という特徴を欠く
本種と異なり柄表面の全長にわたって、帯赤色の地に帯黄色の隆起し粗くて深くて目立つ網目状~小室状の模様があるという特徴を欠く
本種と異なり子実体組織が緩やかに不規則に淡青色に変色するという特徴を欠く
本種より担子胞子の幅が広い
本種より傘表皮菌糸の幅が広い
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Exsudoporus ruber (M. Zang) Gelardi, Biketova & Vizzini
アカネアミアシイグチ
旧名:Leccinum rubrum M. Zang
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【よく似た種との区別】
Exsudoporus permagnificus
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり東アジアではなくヨーロッパおよび西アジアに分布する
本種と異なり亜高山針葉樹林に生じるという特徴を欠く
本種より子実体のサイズが僅かに小さい
本種より傘の最大直径が小さい
本種と異なり傘が暗赤色、帯褐赤色~紫褐色でない
本種と異なり傘表面に磨かれたような光沢を有するという特徴を欠く
本種と異なり傘肉が露出しても変色しないか非常に緩やかに淡い青色に変色するという特徴を欠く
本種と異なり柄全体が帯赤色でない
本種と異なり柄の特に下半分が老成すると崩壊して不規則な鱗片状のパッチ状をなすという特徴を欠く
本種より担子胞子が短い
本種より縁シスチジアの幅が僅かに広い
本種と異なり縁シスチジアが類円筒形でない
本種より傘表皮菌糸の幅が広い
本種より柄シスチジアが短い
本種より柄実質菌糸の幅が広い
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Amoenoboletus weberi (Singer) Biketova, M.E. Sm. & Gelardi
旧名:Boletus weberi Singer
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【よく似た種との区別】
Exsudoporus permagnificus
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりマツが優占するブナ科樹木との混交林に生じるという特徴を欠く
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種より柄のサイズが大きい
本種と異なり柄基部に白色の菌糸体を伴うという特徴を欠く
本種と異なり子実体組織が傷ついても変色しないという特徴を欠く
本種より担子器の幅が僅かに広い
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
本種と異なり傘表皮の末端細胞の幅が広い
本種より柄シスチジアのサイズが大きい
ITS+nrLSU+tef1-α+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Amoenoboletus mcrobbii (McNabb) G. Wu, E. Horak & Zhu L. Yang
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