(仮訳)南北アメリカ大陸産のシダレヤナギ類に発生するさび菌の再評価および新種Melampsora ferriniiの記載
Toome, M. & Aime, MC., 2014. Reassessment of rust fungi on weeping willows in the Americas and description of Melampsora ferrinii sp. nov. Plant Pathology. Available at: http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ppa.12237/full [Accessed August 29, 2014].
【R3-01049】2014/08/29投稿

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3行まとめ

シダレヤナギ類を宿主とするMelampsora属菌はほとんどが形態形質しか検討されていないため、新たな標本を用いて再検討を行った。
形態学的検討および分子系統解析の結果に基づき、米国ルイジニア州で採集された菌をMelampsora ferriniiとして新種記載した。
本種が従来M. epiteaと同定されてきたこと、南米でも1990年代から採集されていたことなど示した。
USA, Louisiana: Orleans Parish, New Orleans, Garden District, Second and Camp Streets

(新種)

Melampsora ferrinii Toome & Aime
語源…採集者のDon Ferrin博士に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Melampsora yezoensis
シダレヤナギ類を宿主とする
冬胞子の形態が類似している
LSU+ITSに基づく分子系統解析で近縁
本種より夏胞子堆のサイズが大きい
本種より冬胞子が短い
LSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Melampsora epitea
シダレヤナギ類を宿主とする
形態的に類似している(本種と誤同定されてきた)
夏胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なりヨーロッパに分布する
本種と異なり米国には分布しないと見られる
本種より夏胞子堆のサイズが大きい
本種より冬胞子堆のサイズが大きい
本種より冬胞子の幅が広い
本種より冬胞子が厚壁
Melampsora chelidonii-pierotii
冬胞子の形態が類似している
ITS領域の塩基配列が類似している(類似度99%)
本種と異なりシダレヤナギ (Salix babylonica) に感染しないことが示されている
本種より夏胞子堆のサイズが大きい
Melampsora abietis-capraearum
シダレヤナギ類を宿主とする
本種と胞子の形態が異なる
Melampsora allii-fragilis
シダレヤナギ類を宿主とする
本種と胞子の形態が異なる
Melampsora microspora
シダレヤナギ類を宿主とする
本種と宿主範囲が異なる
LSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Melampsora bigelowii
北米に分布する
シダレヤナギ類を宿主とする
本種より夏胞子堆のサイズが大きい
本種より冬胞子の幅が広い
LSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Melampsora caprearum
本種より夏胞子堆のサイズが大きい
本種より冬胞子の幅が広い
LSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Melampsora coleosporioides
シダレヤナギ類を宿主とする
本種より冬胞子堆のサイズが大きい
本種より冬胞子が短い
本種より冬胞子の幅が広い
LSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Melampsora paradoxa
北米に分布する
シダレヤナギ類を宿主とする
本種より夏胞子堆のサイズが大きい
本種より冬胞子の幅が広い
本種より冬胞子が厚壁
LSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Melampsora ribesii-purpureae
本種より冬胞子が短い
本種より冬胞子の幅が広い
Melampsora salicis-albae
シダレヤナギ類を宿主とする
本種より冬胞子の幅が広い
LSU+ITSに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Melampsora salicis-warburgii
本種と異なり夏胞子の頂部が平滑
本種より冬胞子の幅が広い
Melampsora choseniae
本種より夏胞子堆のサイズが大きい
本種より冬胞子の幅が顕著に広い
本種より冬胞子が厚壁
Melampsora microsora
本種より冬胞子が短い
本種より冬胞子の幅が顕著に広い