(仮訳)ノルウェー・スピッツベルゲン島産の新種Rhytisma polaris:形態および分子に基づく特徴づけ
Masumoto, S. et al., 2014. Rhytisma polaris: morphological and molecular characterization of a new species from Spitsbergen Island, Norway. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-013-0918-2 [Accessed February 9, 2014].
【R3-00376】2014/02/10投稿

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3行まとめ

ノルウェー・スピッツベルゲン島でキョクチヤナギに黒紋病を起こす菌をRhytisma polarisとして新種記載した。
本種は従来R. salicinumと同定されてきたが、詳細な解析は行われてこなかった菌であった。
本種は他のリティズマ属菌よりも子嚢胞子が顕著に幅広いことを特徴とし、分子系統解析でも明瞭に区別された。

関連サイト:

ノルウェー・スピッツベルゲン島における黒紋病菌の新種報告 – 第4回極域科学シンポジウム要旨
北極ツンドラにおいて植物寄生を実現させるためには?-Rhytisma polarisの事例- – 日本生態学会第61回全国大会要旨

Norway, Spitsbergen Island, NyÅlesund

(新種)

Rhytisma polaris S. Masumoto, M. Tojo, M. Uchida & S. Imura
語源…極地の/キョクチヤナギ (Salix polaris) の
※2014年2月10日現在、MycoBank/Species fungorumには登録されていない。

【よく似た種との区別】
Rhytisma salicinum
ヨーロッパに分布する
ヤナギ属植物を宿主とする
形態的に類似している
子座の溝の形状が不規則
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析でごく近縁
本種と異なり子座が葉の両面でなく通常葉の上面にしか形成されない
本種より子嚢胞子の幅が顕著に狭い
本種と異なり子嚢胞子が棍棒形~円筒状棍棒形ではなく紡錘形~棍棒形
ITSおよびLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(ITSの配列類似度88.1-91.2%、LSUの配列類似度96.8-97.3%)
Rhytisma umbonatum
ヤナギ属植物を宿主とする
子座が葉の両面に生じることがある
形態的に類似している
子嚢のサイズの範囲が重なる
本種と異なりノルウェーではなくインドに分布する
本種と子座の形状が異なる
本種と異なり子嚢果の溝が不規則形ではなく円形
本種より子嚢胞子が長い
本種より子嚢胞子の幅が顕著に狭い
本種と異なり子嚢胞子が棍棒形~円筒状棍棒形ではなく紡錘形