(仮訳)外部寄生菌の新種Rickia lenoiriiおよびアリと関係を持つ世界のラブルベニア目菌類に関するコメント
Santamaria, S. & Espadaler, X., 2014. Rickia lenoirii, a new ectoparasitic species, with comments on world Laboulbeniales associated with ants. Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1340354014000606 [Accessed November 12, 2014].
【R3-01276】2014/11/13投稿

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3行まとめ

ギリシャおよびフランスで採集されたクロナガアリ属昆虫に発生した外部寄生菌を検討し、Rickia lenoiriiとして新種記載した。
本種はperlata形態群に属し、菌体は非常に微小でダニ寄生性の種と類似していた。
アリ寄生性ラブルベニア目菌類の既知の地理的分布に大きな偏りがある原因がデータ不足である可能性を指摘し、現行のデータベースは完全には程遠いとした。
Greece, Aegina Island

(新種)

Rickia lenoirii Santam.
語源…蟻学者で本種の採集者のAlain Lenoir教授に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Rickia wasmannii
ヨーロッパに分布する
フタフシアリ亜科のアリ類を宿主とする
本種と異なりクロナガアリ属ではなくクシケアリ属のアリを宿主とする
本種より菌体のサイズがずっと大きい
本種と異なり細胞Iが非常に細長く、残りの菌体の長さと同等
本種と異なり前方の細胞列が2-3ではなく4-6細胞からなる
本種と異なり中央の細胞列が2-3ではなく6-7細胞からなる
本種と異なり後方の細胞列が4ではなく5-9細胞からなる
Rickia anomala
菌体が非常に小型
本種と異なりギリシャおよびフランスではなく西インド諸島に分布する
本種と異なりアリではなくダニを宿主とする
本種と異なり菌体が屈曲する
本種と異なり後方の細胞列が4ではなく9細胞からなる
Rickia arimensis
菌体が非常に小型
本種と異なりギリシャおよびフランスではなくトリニダードに分布する
本種と異なりアリではなくダニを宿主とする
本種より中央の細胞列の細胞数が多い
本種より後方の細胞列の細胞数が多い
本種と二次付属糸の形態が大きく異なる
Rickia celaenopsis
菌体が非常に小型
本種と異なりギリシャおよびフランスではなくトリニダードに分布する
本種と異なりアリではなくダニを宿主とする
本種と異なり前方および後方の細胞列の最下部の細胞が顕著に突出する
Rickia depauperata
菌体が非常に小型
本種と異なりギリシャおよびフランスではなくハイチに分布する
本種と異なりアリではなくダニを宿主とする
本種より菌体のサイズが小さい
本種と異なり子嚢殻が直立する突起を伴う
Rickia discreta
菌体が非常に小型
本種と異なりギリシャおよびフランスではなくトリニダードに分布する
本種と異なりアリではなくダニを宿主とする
本種と異なり大型の”discrete”な付属糸を有する
Rickia elliptica
本種と異なりギリシャおよびフランスではなくトリニダードに分布する
本種と異なりアリではなくダニを宿主とする
本種より細胞列を構成する細胞数が多い
本種と異なり子嚢殻の先端が伸長する
Rickia euxesti
菌体が小型
小型の標本の形態が本種と非常に類似している
本種と異なりギリシャおよびフランスではなくフィリピンおよびスマトラ島に分布する
本種と異なりアリではなくオオキノコムシ科昆虫を宿主とする
本種と子嚢殻の先端が顕著な截断状であるかどうかが異なる
Rickia pachylaelapis
長い二次付属糸を有する
子嚢殻の頂部が截断状
本種と異なりギリシャおよびフランスではなくポーランドに分布する
本種と異なりアリではなくダニを宿主とする
本種より菌体のサイズが大きい
本種より菌体が丸い
本種と異なり小型で尖った唇を有する
Rickia pstellata
本種と異なりギリシャおよびフランスではなくポーランドに分布する
本種と異なりアリではなくダニを宿主とする
本種と異なり顕著に尖った付属糸を有する
本種と異なり付属糸に狭い褐色の隔壁を欠く
Rickia georgii
本種より菌体のサイズがずっと大きい
本種より細胞列を構成する細胞数がずっと多い(中央の列が2-3ではなく8-10細胞)
本種と異なり後方の細胞列の末端が一次付属糸の顕著な細長い柄となる