(仮訳)形態および分子の証拠により支持された中国南部産の2新種、Russula dinghuensisおよびR. subpallidirosea
Zhang, J. et al., 2017. Russula dinghuensis sp. nov. and R. subpallidirosea sp. nov., two new species from southern China supported by morphological and molecular evidence. Cryptogamie, Mycologie. Available at: https://sciencepress.mnhn.fr/sites/default/files/articles/pdf/crypto-myco2017-v38f2a3.pdf [Accessed February 19, 2021] 【R3-08158】2021/2/19投稿

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3行まとめ

中国広東省の常緑広葉樹林および混交林で採集された2種を検討し、それぞれRussula dinghuensisR. subpallidiroseaとして新種記載した。
前者は傘がオリーブ緑色で襞が白色、担子胞子が球形~楕円形で疣状、傘表皮菌糸の末端細胞が細長く、叉状有隔であることなどで特徴づけられた。
後者は傘が淡赤色~淡い帯灰桃色で襞が白色、担子胞子が類球形~楕円形で疣状、傘表皮菌糸の末端細胞が短く叉状有隔であることなどで特徴づけられた。
中国広東省肇慶市鼎湖区鼎湖山

(新種)

Russula dinghuensis J.B. Zhang & L.H. Qiu
語源…鼎湖産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Russula subpallidirosea
中国に分布する
子実体のサイズが類似している
襞の色が類似している
柄のサイズの範囲が重なる
胞子紋の色が類似している
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子表面が疣状
傘表皮菌糸の末端細胞の形態が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じCyanoxanthinae亜節クレードに含まれる)
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり傘がオリーブ緑色でさび色を帯びるのではなく淡赤色~淡い帯灰桃色で帯黄褐色の斑点をあらわす
本種と異なり襞が叉状になるのが稀ではなく普通
本種より担子器の幅が狭い
本種ほど担子胞子の疣が通常ずんぐりとしていない
本種より側シスチジアのサイズが小さい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
本種ほど縁シスチジアの形状が細長くない
本種と異なり縁シスチジアにしばしば数珠状~乳頭状の付属糸を有する
本種より傘表皮が顕著に薄い
本種より傘シスチジアが短い
本種より傘表皮菌糸の末端細胞の幅が広い
本種より柄シスチジアが長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula cyanoxantha(カワリハツ)
側シスチジアのサイズの範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じCyanoxanthinae亜節クレードに含まれる)
本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する
本種より傘のサイズがしばしば大きい
本種と異なり傘が多色
本種と異なり襞が稀に叉状ではなく柄付近でのみ叉状分岐する
本種より柄のサイズが大きい
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula cyanoxantha f. peltereaui
傘が緑色
Russula cyanoxantha f. cutefracta
傘が緑色
傘表面が亀裂状
Russula variata
広葉樹林に生息する
傘のサイズの範囲が重なる
傘表面がしばしば顕著に崩壊する
襞が叉状
柄のサイズの範囲が重なる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じCyanoxanthinae亜節クレードに含まれる)
本種と異なり中国ではなく北米などに分布する
本種と異なり傘が多色
本種と異なり襞が叉状になるのが稀ではなく頻繁
本種より担子器が長い
本種より側シスチジアのサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula nigrovirens
中国に分布する
傘のサイズの範囲が重なる
襞が稀に叉状分岐する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じCyanoxanthinae亜節クレードに含まれる)
本種と異なり傘がオリーブ緑色でさび色を帯びるのではなく緑白色~帯灰緑色
本種と異なり傘表面に顕著な亀裂が生じる
本種より柄のサイズが大きい
本種より担子器のサイズが大きい
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり担子胞子の装飾に不規則な線状のものが含まれる
本種より側シスチジアが長い
本種より縁シスチジアの幅が広い
本種より傘シスチジアの幅が広い
本種より傘表皮菌糸の末端細胞のサイズが大きい
本種と異なり傘表皮菌糸の末端細胞の形状が細長い
本種と柄シスチジアのサイズの範囲が異なる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula virescens(アイタケ)
傘が緑色
傘表面にやや亀裂を生じる
本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なり胞子紋が淡クリーム色
本種と担子胞子の装飾が異なる
本種と異なり傘表皮がクレシルブルーで”orthochromatic”である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりCyanoxanthinae亜節ではなくVirescentinae亜節クレードに含まれる)
Russula parvovirescens
傘が緑色
傘表面にやや亀裂を生じる
本種と異なり胞子紋が淡クリーム色
本種と担子胞子の装飾が異なる
本種と異なり傘表皮がクレシルブルーで”orthochromatic”である
Russula subgraminicolor
傘が緑色
傘表面にやや亀裂を生じる
本種と異なり胞子紋が淡クリーム色
本種と担子胞子の装飾が異なる
本種と異なり傘表皮がクレシルブルーで”orthochromatic”である
Russula heterophylla(ウグイスハツ)
傘が緑色
傘表面にやや亀裂を生じる
本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なり胞子紋が淡クリーム色
本種と担子胞子の装飾が異なる
本種と異なり傘表皮がクレシルブルーで”orthochromatic”である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりCyanoxanthinae亜節ではなくHeterophyllinae亜節クレードに含まれる)
Russula aeruginea(クサイロハツ)
傘が緑色
傘表面にやや亀裂を生じる
本種と異なり中国ではなくドイツなどに分布する
本種と異なり胞子紋が淡クリーム色
本種と担子胞子の装飾が異なる
本種と異なり傘表皮がクレシルブルーで”orthochromatic”である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりCyanoxanthinae亜節ではなくGriseinae亜節クレードに含まれる)
Russula griseoviridis
傘が緑色
傘表面にやや亀裂を生じる
本種と異なり胞子紋が淡クリーム色
本種と担子胞子の装飾が異なる
本種と異なり傘表皮がクレシルブルーで”orthochromatic”である
Russula sikkimensis
傘が緑色
傘表面にやや亀裂を生じる
本種と異なり胞子紋が淡クリーム色
本種と担子胞子の装飾が異なる
本種と異なり傘表皮がクレシルブルーで”orthochromatic”である
Russula viridella var. yunnanensis
傘が緑色
傘表面にやや亀裂を生じる
本種と異なり胞子紋が淡クリーム色
本種と担子胞子の装飾が異なる
本種と異なり傘表皮がクレシルブルーで”orthochromatic”である
中国広東省肇慶市鼎湖区鼎湖山

(新種)

Russula subpallidirosea J.B. Zhang & L.H. Qiu
語源…Russula pallidirosea類似の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Russula dinghuensis
中国に分布する
子実体のサイズが類似している
襞の色が類似している
柄のサイズの範囲が重なる
胞子紋の色が類似している
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子表面が疣状
傘表皮菌糸の末端細胞の形態が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じCyanoxanthinae亜節クレードに含まれる)
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘が淡赤色~淡い帯灰桃色で帯黄褐色の斑点をあらわすのではなくオリーブ緑色でさび色を帯びる
本種と異なり襞が叉状になるのが普通ではなく稀
本種より担子器の幅が広い
本種より担子胞子の疣が通常ずんぐりとしている
本種より側シスチジアのサイズが大きい
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
本種より縁シスチジアの形状が細長い
本種と異なり縁シスチジアにしばしば数珠状~乳頭状の付属糸を有するという特徴を欠く
本種より傘表皮が顕著に厚い
本種より傘シスチジアが長い
本種より傘表皮菌糸の末端細胞の幅が狭い
本種より柄シスチジアが短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula pallidirosea
担子器のサイズの範囲が重なる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じCyanoxanthinae亜節クレードに含まれる)
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり傘が淡桃色で帯黄褐色の斑点をあらわすのではなく帯桃色
本種と異なり襞がしばしば叉状分岐するのではなく時に叉状分岐する
本種より柄のサイズが小さい
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
本種より傘シスチジアの幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula vesca(チギレハツタケ)
傘が淡桃色~淡い帯灰桃色
本種と異なり中国ではなくヨーロッパなどに分布する
本種と異なり襞がしばしば叉状分岐するという特徴を欠く
本種と異なり傘表皮に針状の細胞を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(本種と異なりCyanoxanthinae亜節ではなくHeterophyllinae亜節クレードに含まれる)