(仮訳)パカライマ山脈のベニタケ科菌類 (2):ベニタケ属およびLactifluus属の新種
Miller, SL., Aime, MC. & Henkel, TW., 2013. Russulaceae of the Pakaraima Mountains of Guyana 2. New species of Russula and Lactifluus. Mycotaxon. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2012/00000121/00000001/art00027 [Accessed July 26, 2014].
【R3-00942】2014/07/27投稿

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3行まとめ

ガイアナのパカライマ山脈からベニタケ属の3種とLactifluus属のL. subiculatusを新種記載した。
各種について形態および生態の記載、写真、スケッチ、分類学的議論を掲載した。
また、ベニタケ科の大規模データベースを用いて、配列データを基にガイアナで採集された分類群の系統関係を確かめた。
Guyana, Region 8 Potaro-Sipiruni, Pakaraima Mountains, Upper Potaro River Basin

(新種)

Lactifluus subiculatus S.L. Mill., Aime & T.W. Henkel
語源…子実体形成菌糸層(スービクル)の
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【よく似た種との区別】
Lactarius multiceps
新熱帯に分布する
子実体形成菌糸層を有する
本種より柄のサイズが小さい
本種と異なり柄が中心生ではなく偏心生
Lactarius brunellus
新熱帯に分布する
子実体形成菌糸層を有する
本種と異なり子実体がハラタケ型に近くなくヒラタケ型
Lactarius panuoides
新熱帯に分布する
子実体形成菌糸層を有する
本種と異なり子実体がハラタケ型に近くなくヒラタケ型
Guyana, Pakaraima Mountains, Upper Potaro River Basin, near Hogback Ridge

(新種)

Russula myrmecobroma S.L. Mill., Aime & T.W. Henkel
語源…アリの食べ物の(子実体がアリによく食べられることから)
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【よく似た種との区別】
Russula batistae
ガイアナに分布する
子実体に辛い~非常に辛い味がある
子実体がアリによく食べられる(誘引する?)
子実層に長い柄を持つマクロシスチジアを豊富に含む
傘表皮に上皮シスチジアが埋生する
粘質原菌糸を豊富に含む
スルフォバニリンで強い陽性反応を示す
分子系統解析で近縁(未発表)
本種と異なり傘の縁部に規則的な短い条線ではなく深い溝線が走る
本種と異なり襞の幅がかなり狭いのではなく広い
本種と異なり襞が規則的ではなく不規則
本種と異なり襞の間隔が密ではなく疎~やや疎
本種と異なり小襞を欠く
Guyana, Pakaraima Mountains, Upper Potaro River Basin, vicinity of Potaro Base Camp

(新種)

Russula paxilliformis S.L. Mill., Aime & T.W. Henkel
語源…ヒダハタケ型の(傘の色と形態から)
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【よく似た種との区別】
Russula matoubensis
子実層に厚壁シスチジアを有する
傘表皮が斜上する菌糸からなる糸状の柵状被
稀に上皮シスチジアを有する
傘表皮内層が織り合わさった菌糸からなる
傘表皮内層の細胞が不規則に厚壁になる
傘表皮内層の菌糸が酸に難溶の多量の付着物に覆われる
傘表皮の剥片がKOHで速やかに暗褐色に呈色する
分子系統解析で近縁(未発表)
本種と異なり傘が帯黄褐色・黄金褐色・暗帯黄褐色ではなくより明るい橙色
本種と異なり傘表面が類綿毛状、のちに微細な粒状で亀裂により小区画に分かれ、小鱗片が生じる
本種より傘の肉がずっと淡色
Russula aurantiofloccosa
形態的に類似している
傘表面が長軟毛状~ビロード状
傘表面に縁部に向かって放射状の亀裂が生じる
柄表面または肉が帯褐色に退色する
担子胞子の装飾間に細かい連結を有する
担子胞子にしばしば大型のアミロイドの胞子盤を有する
表皮が球形~円筒形の鎖生した細胞多数からなる
表皮の細胞が多量の付着物に覆われる
本種と異なりガイアナではなくアフリカに分布する
Russula brunneofloccosa
形態的に類似している
傘表面が長軟毛状~ビロード状
傘表面に縁部に向かって放射状の亀裂が生じる
柄表面または肉が帯褐色に退色する
担子胞子の装飾間に細かい連結を有する
担子胞子にしばしば大型のアミロイドの胞子盤を有する
表皮が球形~円筒形の鎖生した細胞多数からなる
表皮の細胞が多量の付着物に覆われる
本種と異なりガイアナではなくアフリカに分布する
Russula testaceoaurantiaca
形態的に類似している
傘表面が長軟毛状~ビロード状
傘表面に縁部に向かって放射状の亀裂が生じる
柄表面または肉が帯褐色に退色する
担子胞子の装飾間に細かい連結を有する
担子胞子にしばしば大型のアミロイドの胞子盤を有する
表皮が球形~円筒形の鎖生した細胞多数からなる
表皮の細胞が多量の付着物に覆われる
本種と異なりガイアナではなくアフリカに分布する
Russula binganensis
形態的に類似している
傘表面が長軟毛状~ビロード状
傘表面に縁部に向かって放射状の亀裂が生じる
柄表面または肉が帯褐色に退色する
担子胞子の装飾間に細かい連結を有する
担子胞子にしばしば大型のアミロイドの胞子盤を有する
表皮が球形~円筒形の鎖生した細胞多数からなる
表皮の細胞が多量の付着物に覆われる
本種と異なりガイアナではなくアフリカに分布する
Guyana, Pakaraima Mountains, Upper Ireng River Basin, east bank of Ireng River, 1 km downstream from Kurutuik Falls

(新種)

Russula gelatinivelata S.L. Mill., Aime & T.W. Henkel
語源…ゼラチンの被膜の(若い子実体の内被膜がゼラチン質であることから)
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【よく似た種との区別】
Russula nauseosa(コヨヘイジ)
担子胞子の装飾が互いに連結しない
分子系統解析で近縁(未発表)
本種と異なり熱帯ではなく温帯に分布する
本種と異なり表皮のシスチジア状要素の細胞壁が強い塩基性フクシン染色性を示すという特徴を欠くと見られる
Russula cessans
分子系統解析で近縁(未発表)
本種と異なり熱帯ではなく温帯に分布する
本種と異なり担子胞子の装飾が互いに連結しないのではなく少なくとも部分的に網目状である
本種と異なり表皮のシスチジア状要素の細胞壁が強い塩基性フクシン染色性を示すという特徴を欠くと見られる
Russula laricina
担子胞子の装飾が互いに連結しない
分子系統解析で近縁(未発表)
本種と異なり熱帯ではなく温帯に分布する
本種と異なり表皮のシスチジア状要素の細胞壁が強い塩基性フクシン染色性を示すという特徴を欠くと見られる
Russula aurea(ニシキタケ)
分子系統解析で近縁(未発表)
本種と異なり熱帯ではなく温帯に分布する
本種と異なり担子胞子の装飾が互いに連結しないのではなく少なくとも部分的に網目状である
本種と異なり表皮のシスチジア状要素の細胞壁が強い塩基性フクシン染色性を示すという特徴を欠くと見られる
Russula romellii
分子系統解析で近縁(未発表)
本種と異なり熱帯ではなく温帯に分布する
本種と異なり担子胞子の装飾が互いに連結しないのではなく少なくとも部分的に網目状である
本種と異なり表皮のシスチジア状要素の細胞壁が強い塩基性フクシン染色性を示すという特徴を欠くと見られる