(仮訳)バンレイシ科植物を宿主とするさび菌類:Sphaerophragmium
Beenken, L. & Berndt, R. 2010. Rust fungi on Annonaceae: the genus Sphaerophragmium. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.3852/09-173?journalCode=umyc20 [Accessed December 6, 2019] 【R3-06837】2019/12/6投稿

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3行まとめ

バンレイシ科植物を宿主とするSphaerophragmium属さび菌の7種を検討した。
そのうちコートジボワール産のXylopia acutifloraを宿主とする種をS. xylopiaeとして新種記載した。
また、Uropyxis gerstneriを本属に移し、S. pulchrumDicheirinia属に移した。
Côte d’Ivoire, Tienkulà

(新種)

Sphaerophragmium xylopiae Beenken & Berndt
語源…Xylopia属の
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【よく似た種との区別】
Sphaerophragmium artabotrydis
冬胞子の細胞数が4のことがある
本種と異なり冬胞子が帯黄淡褐色ではなく暗褐色
本種と異なり冬胞子壁の突起が円錐形で鋭く尖るのではなく叉状分岐するか鈍頭
本種と異なり冬胞子に発芽孔を欠くのではなく有する
本種と異なり冬胞子の柄が長い
Sphaerophragmium evernium
西アフリカに分布する
短世代型生活環を有する
冬胞子の形態が類似している
糸状体を欠く
本種と異なりコートジボワールではなくシエラレオネなどに分布する
本種と異なりXylopia属ではなくDialium属植物などを宿主とする
本種より冬胞子のサイズがずっと大きい
本種と異なり冬胞子表面に長い刺を有する
Sphaerophragmium albiziae
本種と異なりコートジボワールではなくフィリピンなどに分布する
本種と異なりXylopia属ではなくネムノキ属植物などを宿主とする
本種と異なり夏胞子世代を有する
本種と異なり冬胞子壁の突起が円錐形で鋭く尖るのではなく鈍頭
本種より冬胞子がずっと厚壁
Sphaerophragmium irregulare
本種と異なりコートジボワールではなくフィリピンおよびインドネシアなどに分布する
本種と異なりXylopia属ではなくヒスイカズラ属植物などを宿主とする
本種と異なり夏胞子世代を有する
本種より冬胞子が長い
本種と異なり冬胞子が不規則形

(その他掲載種)

Sphaerophragmium chevalieri Har. & Pat.
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【よく似た種との区別】
Sphaerophragmium monodorae
同じMonodora属植物を宿主とする
形態的に類似している(同種とする意見もある)
本種より冬胞子のサイズが小さい
本種と異なり冬胞子の細胞が不規則に配列するという特徴を欠く
本種と異なり冬胞子の柄表面が平滑ではなく皺状
本種と異なり冬胞子の柄がKOHで膨大しないのではなく膨大する

(その他掲載種)

Sphaerophragmium monodorae Vienn.-Bourg.
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【よく似た種との区別】
Sphaerophragmium chevalieri
同じMonodora属植物を宿主とする
形態的に類似している(同種とする意見もある)
本種より冬胞子のサイズが大きい
本種と異なり冬胞子の細胞が不規則に配列する
本種と異なり冬胞子の柄表面が皺状ではなく平滑
本種と異なり冬胞子の柄がKOHで膨大するのではなく膨大しない
Sphaerophragmium annulatipes
同じMonodora属植物を宿主とする
形態的に類似している(同種と推定されている)
冬胞子のサイズが同一に見える
冬胞子の細胞数が同一に見える
冬胞子の細胞の配列が同一に見える
冬胞子の柄の形状が同一に見える
冬胞子の柄の壁の形態が同一に見える
本種と異なり冬胞子表面の刺が分枝しない

(その他掲載種)

Sphaerophragmium annulatipes Eboh
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【よく似た種との区別】
Sphaerophragmium monodorae
同じMonodora属植物を宿主とする
形態的に類似している(同種と推定されている)
冬胞子のサイズが同一に見える
冬胞子の細胞数が同一に見える
冬胞子の細胞の配列が同一に見える
冬胞子の柄の形状が同一に見える
冬胞子の柄の壁の形態が同一に見える
本種と異なり冬胞子表面の刺が分枝しないという特徴を欠く

(その他掲載種)

Sphaerophragmium artabotrydis Doidge
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【よく似た種との区別】
Sphaerophragmium quadricellulare
冬胞子の細胞数が4のことがある
本種と異なり南アフリカ、タンザニア、ウガンダ、ザンビアではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なりオウソウカ属ではなくアカシア属植物などを宿主とする
本種と異なり冬胞子堆に糸状体を含む
本種より冬胞子壁の付属糸が長い
Sphaerophragmium gerstneri
ほとんどの形態形質が類似している
冬胞子の色が類似している
冬胞子の1つの細胞のサイズが類似している
冬胞子の装飾が類似している
冬胞子の1細胞あたりの発芽孔の数が類似している
冬胞子の発芽孔の配列が類似している
冬胞子の柄のKOHに対する反応が類似している
本種と異なり冬胞子の細胞数が(3)4(5)ではなく2

(新組み合わせ)

Sphaerophragmium gerstneri (Doidge) Beenken & Berndt
旧名:Diorchidium gerstneri (Doidge) A.R. Wood
(基礎異名はUropyxis gerstneri Doidge)
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【よく似た種との区別】
Sphaerophragmium artabotrydis
ほとんどの形態形質が類似している
冬胞子の色が類似している
冬胞子の1つの細胞のサイズが類似している
冬胞子の装飾が類似している
冬胞子の1細胞あたりの発芽孔の数が類似している
冬胞子の発芽孔の配列が類似している
冬胞子の柄のKOHに対する反応が類似している
本種と異なり冬胞子の細胞数が2ではなく(3)4(5)

(その他掲載種)

Sphaerophragmium boanense Cummins
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(新組み合わせ)

Dicheirinia pulchra (M. Piepenbr.) R. Berndt & Beenken
旧名:Sphaerophragmium pulchrum M. Piepenbr.
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【よく似た種との区別】
Dicheirinia spinulosa
同じマメ科植物を宿主とする
冬胞子の形態が細胞数同一の時にほとんど区別できないほど類似している
本種と異なりネムノキ属ではなくキンゴウカン属植物などを宿主とする
本種と異なり精子世代を有する
本種と異なり冬胞子の遠位細胞の数が4-5ではなくほとんどの場合2
Sphaerophragmium debile
形態的に類似している(同種との疑いがある)
Allotelium calliandrae
本種と異なり冬胞子堆がクチクラ下に生じる
本種と異なり冬胞子の近位細胞が扁圧されるという特徴を欠く