(仮訳)台湾において海岸生草本のツキイゲから分離されたエンドファイトの新種、Sarocladium spinificis
Yeh, Y. & Kirschner, R., 2014. Sarocladium spinificis, a new endophytic species from the coastal grass Spinifex littoreus in Taiwan. Botanical Studies. Available at: http://link.springer.com/article/10.1186/1999-3110-55-25 [Accessed March 3, 2014].
【R3-00458】2014/03/04投稿

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3行まとめ

台湾において、ツキイゲの葉から分離された1670菌株を検討し、Sarocladium spinificisを新種記載した。
本種は、他のSarocladium属菌とは分子系統解析のほか、主に分生子柄の分枝や分生子のサイズなどで区別された。
また、Sarocladium属の既知種および新種、計12種を含む検索表を掲載した。
台湾桃園県観音郷彭厝

(新種)

Sarocladium spinificis Yu Hung Yeh & R. Kirschner
語源…ツキイゲ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Sarocladium strictum
形態的に最も類似している
コロニーが黄色~橙色系になることがある
本種と異なり分生子柄が分枝することがある
本種より分生子が短く、8 μmに達しない
本種と異なりコロニーが桃色系になることがある
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
ITS領域の塩基配列が明瞭に異なる(類似度94-95%)
Sarocladium bacillisporum
同じイネ科植物を宿主とする
分生子柄が分枝しない
コロニーが黄色~橙色系
本種より分生子が短く、8 μmに達しない
本種と異なり分生子が鎖状になる
Sarocladium kiliense
コロニーが黄色~橙色系
本種と異なり分生子柄が分枝することがある
本種と異なり厚壁胞子を形成する
Sarocladium mycophilum
コロニーが黄色~橙色系
本種と異なり分生子柄が分枝することがある
Sarocladium ochraceum
分生子柄が分枝しない
コロニーが黄色~橙色系
本種より分生子が短く、8 μmに達しない
本種と異なり、分生子の色によりコロニーが黄褐色になる
本種と異なり分生子形成によりコロニーの表面が埃っぽく乾燥する
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sarocladium zeae
同じイネ科植物を宿主とする
コロニーが黄色~橙色系
本種と異なりツキイゲではなくトウモロコシを宿主とする
本種と異なり分生子柄が分枝することがある
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sarocladium attenuatum
同じイネ科植物を宿主とする
LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりツキイゲではなくイネを宿主とする
本種と異なり分生子柄が分枝することがある
本種と異なりコロニーが黄色~橙色系でない
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sarocladium oryzae
同じイネ科植物を宿主とする
LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりツキイゲではなくイネを宿主とする
本種と異なり分生子柄が分枝することがある
本種より分生子が短く、8 μmに達しない
本種と異なりコロニーが黄色~橙色系でない
LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他の分類学的措置)

  • イネに病害を起こし、互いに形態的に明瞭に区別できないS. attenuatumS. oryzaeS. sinenseが同種ではないかと考えた。そのうち、S. attenuatumS. oryzaeをシノニムとする説はBridge et al. (1989) によって提唱されており、著者らはそれを支持した。