(仮訳)アーバスキュラー菌根菌の新種、Septoglomus jasnowskaeおよびSeptoglomus turnauae
Błaszkowski, J. et al., 2014. Septoglomus jasnowskae and Septoglomus turnauae, two new species of arbuscular mycorrhizal fungi (Glomeromycota). Mycological Progress. …. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-014-0985-z [Accessed April 17, 2015].
【R3-01745】2015/04/18投稿

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3行まとめ

菌根および胞子の形態学的検討およびSSU-ITS-LSUの分子系統解析に基づき、Septoglomus jasnowskaeおよびS. turnauaeを新種記載した。
前者は胞子が小型、黄色~帯褐黄色で壁が2層からなり、後者は胞子壁の4層中2層が有色であることなどで特徴づけられた。
前者はギリシャおよびスペインにおいてそれぞれAmmophila arenariaおよび未同定種と、後者はイタリアにおいてゴジアオイ属植物との菌根形成が認められた。

(新種)

Septoglomus jasnowskae Błaszk., Chwat & Ryszka
語源…ポーランドの植物学教授、Hab. Janina Jasnowska博士に献名
※論文中では本種のホロタイプ標本にポーランドの地名が紐づけられているが、本記事では採用しなかった。トラップカルチャーに用いた土壌がギリシャとスペインのどちらに由来するかは特定されていない。
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【よく似た種との区別】
Septoglomus xanthium
SSU+ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子が集団をなすのではなく単独で形成される
本種と異なり胞子をしばしば根の内部に形成する
本種より胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり胞子壁が2層ではなく3層からなる
本種と異なり胞子壁第1層が消失性ではなく永続性
本種と異なり胞子壁第1層がPVLG(ポリビニルアルコール-乳酸-グリセロール)中で膨大しない
本種と異なり胞子壁第1層がデキストリノイドではなく非デキストリノイド
本種より胞子壁最内層が薄い
本種より”subtending hyphae”の幅が僅かに狭い
本種より”subtending hyphae”の形状が規則的
本種より”subtending hyphae”の壁が厚い(2.0-2.3倍)
本種より”subtending hyphae”の孔の幅が狭い(1.2-2.5倍)
SSU+ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Glomus aureum
同じグロムス科に含まれる
胞子が比較的小型
胞子が淡色
胞子壁が2層
胞子壁第1層がメルツァー液染色性
本種と異なり胞子が密に詰まった胞子果から形成される
本種より球形の胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり胞子が球形ではなく球形または卵形(球形の場合はサイズが異なる)
本種と異なり胞子壁第1層がPVLG(ポリビニルアルコール-乳酸-グリセロール)中で膨大しない
本種より胞子壁第1層のメルツァー液染色性が弱い
本種より”subtending hyphae”の胞子基部の孔がずっと幅狭い
Claroideoglomus etunicatum
胞子が比較的小型
胞子が淡色
胞子壁が2層
胞子壁第1層がメルツァー液染色性
本種と異なりグロムス科ではなくクラロイデオグロムス科に含まれる
本種と異なり胞子が単生または集団状ではなく常に単生する
本種より胞子のサイズがずっと大きいことがある
本種より胞子壁が厚い(2-2.4倍)
本種より”subtending hyphae”がずっと淡色
本種より”subtending hyphae”の形状が規則的
本種より”subtending hyphae”がずっと厚壁
Glomus pallidum
胞子が比較的小型
胞子が淡色
胞子壁が2層
胞子壁第1層がメルツァー液染色性
本種と異なり地下生ではなく地上生の場合がある
本種と異なり胞子果が知られている
本種より胞子のサイズが僅かに小さい
本種より胞子が淡色
本種と異なり”subtending hyphae”が有色ではなく無色
本種より”subtending hyphae”の形状が規則的
Italy, SW-Sardinia, Sulcis-Iglesiente

(新種)

Septoglomus turnauae Błaszk., Chwat & Ryszka
語源…ポーランドのアーバスキュラー菌根菌研究者、Hab. Katarzyna Turnau博士に献名
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【よく似た種との区別】
Septoglomus fuscum
SSU+ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子が常に単生するのではなくほとんどの場合緩い集団をなす
本種より胞子のサイズが常にずっと小さい
本種より胞子が通常淡色
本種と異なり胞子壁が4層ではなく2層からなる
本種より”subtending hyphae”の幅が狭い(2倍以上)
本種より”subtending hyphae”が薄壁(約2.7倍薄い)
本種と異なり”subtending hyphae”の孔がしばしば隔壁により閉鎖するのではなく徐々に狭窄する(胞子壁第2層が”subtending hyphae”のルーメン中心部に向かって厚くなるため)
SSU+ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Septoglomus altomontanum
胞子のサイズがほぼ同一
胞子の色がほぼ同一
本種と異なり胞子壁が4層ではなく2層からなる
本種と異なり胞子壁第1層が成熟するまでに高度に崩壊するか完全に剥離するのではなく半永続性でしばしば成熟時にも無傷
SSU+ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Septoglomus constrictum
胞子のサイズがほぼ同一
胞子の色がほぼ同一
本種と異なり胞子壁が4層ではなく2層からなる
本種と異なり胞子壁第1層が成熟するまでに高度に崩壊するか完全に剥離するのではなく半永続性でしばしば成熟時にも無傷
SSU+ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Septoglomus furcatum
胞子のサイズがほぼ同一
胞子の色がほぼ同一
SSU+ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子壁が4層ではなく3層からなる
本種と異なり胞子壁第2層が永続性ではなく非永続性
本種より胞子壁第2層がずっと薄い
SSU+ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Septoglomus titan
胞子のサイズがほぼ同一
胞子の色がほぼ同一
本種と異なり胞子壁が4層ではなく3層からなる
本種と異なり胞子壁第1層が成熟するまでに高度に崩壊するか完全に剥離するのではなく半永続性でしばしば成熟時にも無傷
SSU+ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される