(仮訳)接合菌Lichtheimia属の種認識および臨床的意義
Alastruey-Izquierdo, A. et al., 2010. Species Recognition and Clinical Relevance of the Zygomycetous Genus Lichtheimia (syn. Absidia Pro Parte, Mycocladus). Journal of clinical Microbiology. …. Available at: http://jcm.asm.org/content/48/6/2154.short [Accessed January 7, 2015].
【R3-01442】2015/01/07投稿

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3行まとめ

GCPSR、交配試験、形態学的・生理学的形質の検討の3つの手法を用いて、Lichtheimia属菌の種の境界を検討した。
系統学的種を7種認めたが、うち2組み合わせでは生殖隔離が起こっていなかったため、結果的に本属に5種を認めた。
新種Lichtheimia sphaerocystisを記載し、新組み合わせL. ornataを提唱し、L. blakesleeanaL. hyalosporaのシノニムとした。
India

(新種)

Lichtheimia sphaerocystis A. Alastruey-Izquierdo & G. Walther
語源…球形のシストの
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【よく似た種との区別】
Lichtheimia hyalospora
43°Cで連続的に生長することがない
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で近縁
“giant cell”が常に球形なのではなく、より菌糸状で不規則に膨大し、盛んに分枝することがあり、球形になることがない
本種よりコロニーの生長が速い
本種と異なり最大生長温度が37°Cではなく40°C(ただし、本種にも40°Cで生育する菌株がある)
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
β-チューブリン、RPB2、RPB1、EF1-α、COIの塩基配列が異なる

(新組み合わせ)

Lichtheimia ornata (A. K. Sarbhoy) A. Alastruey-Izquierdo & G. Walther
旧名:Absidia ornata A. K. Sarbhoy
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【よく似た種との区別】
Lichtheimia corymbifera
臨床検体から分離されることがある
胞子嚢柄の形態が非常に類似している
胞子嚢胞子の形状が類似している
mtSSUの塩基配列が一致する
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりYEA2週間の培養で”giant cell”を形成しない
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
β-チューブリン、RPB2、RPB1、EF1-α、COIの塩基配列が異なる
Lichtheimia ramosa
臨床検体から分離されることがある
胞子嚢柄の形態が非常に類似している
胞子嚢胞子の形状が類似している
mtSSUの塩基配列が一致する
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子嚢胞子が常に楕円形~円筒形になることはないという特徴を欠く
本種と異なり顕著な指状の付属物を有する球形または細長い厚壁の構造を形成するという特徴を欠く
本種より43°Cでの生長が速い
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
β-チューブリン、RPB2、RPB1、EF1-α、COIの塩基配列が異なる

(その他掲載種)

Lichtheimia corymbifera (Cohn) Vuill.
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【よく似た種との区別】
Lichtheimia ornata
臨床検体から分離されることがある
胞子嚢柄の形態が非常に類似している
胞子嚢胞子の形状が類似している
mtSSUの塩基配列が一致する
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりYEA2週間の培養で”giant cell”を形成する
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
β-チューブリン、RPB2、RPB1、EF1-α、COIの塩基配列が異なる
Lichtheimia ramosa
臨床検体から分離されることがある
胞子嚢柄の形態が非常に類似している
胞子嚢胞子の形状が類似している
mtSSUの塩基配列が一致する
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子嚢胞子が常に楕円形~円筒形になることはないという特徴を欠く
本種と異なり顕著な指状の付属物を有する球形または細長い厚壁の構造を形成するという特徴を欠く
本種より43°Cでの生長が速い
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
β-チューブリン、RPB2、RPB1、EF1-α、COIの塩基配列が異なる

(その他掲載種)

Lichtheimia ramosa (Zopf) Vuill.
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【よく似た種との区別】
Lichtheimia corymbifera
臨床検体から分離されることがある
形態的に類似している(同種とされたこともある)
胞子嚢柄の形態が非常に類似している
胞子嚢胞子の形状が類似している(中間的な形状のものがある)
mtSSUの塩基配列が一致する
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子嚢胞子が常に楕円形~円筒形になることはない
本種より43°Cでの生長が遅い
本種より49°Cで生育可能な菌株の割合が少ない
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
β-チューブリン、RPB2、RPB1、EF1-α、COIの塩基配列が異なる
Lichtheimia ornata
臨床検体から分離されることがある
胞子嚢柄の形態が非常に類似している
胞子嚢胞子の形状が類似している
mtSSUの塩基配列が一致する
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり胞子嚢胞子が常に楕円形~円筒形になることはない
本種と異なり顕著な指状の付属物を有する球形または細長い厚壁の構造を形成する
本種より43°Cでの生長が遅い
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
β-チューブリン、RPB2、RPB1、EF1-α、COIの塩基配列が異なる

(その他掲載種)

Lichtheimia hyalospora (Saito) Kerst. Hoffman, Walther & K. Voigt
※L. blakesleeanaを本種のシノニムとした。
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【よく似た種との区別】
Lichtheimia sphaerocystis
43°Cで連続的に生長することがない
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で近縁
“giant cell”が菌糸状で不規則に膨大し、盛んに分枝することがあり、球形になることがないのではなく常に球形
本種よりコロニーの生長が遅い
本種と異なり最大生長温度が40°Cではなく37°C(ただし、L. sphaerocystisにも40°Cで生育する菌株がある)
ITS、アクチン、LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
β-チューブリン、RPB2、RPB1、EF1-α、COIの塩基配列が異なる