(仮訳)タイ産の腹菌型イグチ類の新属、Spongiforma
Desjardin, DE. et al., 2009. Spongiforma, a new genus of gasteroid boletes from Thailand. Fungal Diversity. Available at: http://www2.clarku.edu/faculty/dhibbett/mbinder/pdf/Spongioforma.pdf [Accessed May 10, 2017].
【R3-04009】2017/05/10投稿

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3行まとめ

タイ中部で採集された腹菌の一種を検討し、新属新種Spongiforma thailandicaとして記載した。
本種は子実体が地上生でスポンジ状、強いコールタール臭があることなどで特徴づけられ、フタバガキ科植物を宿主とする菌根菌と推測された。
本種は分子系統解析でイグチ科クレードに含まれ、担子胞子表面が小皺状ではなく平滑なPorphyrellus属と姉妹群を形成した。
Thailand, Nakorn Nayok Province, Khao Yai National Park, Princess Trail ca 2 km from Visitor Center

(新種)

Spongiforma thailandica Desjardin, Manf. Binder, Roekring & Flegel
語源…(属名)スポンジの形/(種小名)タイの
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Gymnopaxillus nudus
子実体が明るい鉄さび色
子実体が脳状
子実体表面に外皮を欠く
子実体に比較的大型の小室を含む
子実体基部に柱軸を有する
子実体が無柄
担子胞子がコットンブルー染色性
本種と異なりタイではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なりフタバガキ科ではなくユーカリ属植物と関係を持つ
本種と異なり地上生ではなく主に地下生である
本種より柱軸のサイズが大きい
本種より柱軸が良好に発達する
本種と異なり子実体に強いコールタール臭があるという特徴を欠く
本種と異なり子実体にKOHに対する紫色の呈色反応を欠く
本種と異なり担子胞子が左右対称の扁桃形ではなく楕円形~類紡錘状
本種より担子胞子が長い
本種と異なり担子胞子がKOH中で帯紫灰色ではなく黄金色
本種と異なり担子胞子表面が小皺状~粗面ではなく平滑
本種と異なり担子胞子頂部に小型の孔を欠く
分子系統解析で遠縁
Austroboletus tristis
担子胞子がKOH中で紫色~帯紫灰色
担子胞子表面が小皺状~小皺点状
本種と異なり担子胞子頂部に孔を欠く
Austroboletus longipes
担子胞子がKOH中で紫色~帯紫灰色
担子胞子表面が小皺状~小皺点状
本種と異なりマレーシアなどにおける分布が知られている
本種と異なり担子胞子頂部に孔を欠く