(仮訳)哺乳類に対して軽度の潜在的病原性を有するヒトスポロトリクム症の土壌由来病原菌の新種、Sporothrix chilensis
Rodrigues, AM. et al., 2015. Sporothrix chilensis sp. nov. (Ascomycota: Ophiostomatales), a soil-borne agent of human sporotrichosis with mild-pathogenic potential to mammals. Fungal Biology. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1878614615000884 [Accessed September 10, 2015].
【R3-02181】2015/09/10投稿

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3行まとめ

チリにおいて爪真菌症患者および環境から分離された菌の多相分類学的検討を行い、Sporothrix schenckiiとして新種記載した。
本種はS. pallida種複合体に含まれ、単一のタンパク質コード遺伝子をマーカーとして他種と識別された。
本種はマウスモデルへの接種で軽度の潜在的病原性を示した。
Viña del Mar, Chile

(新種)

Sporothrix chilensis A.M. Rodrigues, R.C. Choappa, G.F. Fernandes, G.S. de Hoog, Z.P. de Camargo
語源…チリ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Sporothrix mexicana
同じSporothrix pallida種複合体に含まれる
ヒトにスポロトリカム症に引き起こす
一次分生子が倒卵形
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン、EF1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチリではなくブラジルやメキシコなどに分布する
本種より一次分生子のサイズが大きい
本種より二次分生子のサイズが大きい
本種と異なり二次分生子が球形ではなく球形~類球形
本種と異なり分生子がPDA、SDA、CMA培地で長く培養すると暗色化する
本種と異なりコロニーがPDA、SDA、CMA培地で長く培養すると暗色化する
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン、EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sporothrix schenckii
マウスへの接種で皮膚に病変を生じる
本種と異なりS. pallida種複合体ではなくS. schenckii種複合体に含まれる
本種と異なりチリではなく日本、米国、フランス、南米、南アフリカなどに分布する
本種と異なり分生子がPDA、SDA、CMA培地で長く培養すると暗色化する
本種と異なりコロニーがPDA、SDA、CMA培地で長く培養すると暗色化する
本種と異なり接種されたマウスが致死的転帰をとる
ITS、β-チューブリン、カルモジュリン、EF1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sporothrix stylites
同じSporothrix pallida種複合体に含まれる
分生子のサイズの範囲が重なる
ITSおよびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチリではなく南アフリカなどに分布する
本種と異なり土壌やヒトではなく材から分離される
本種より分生子柄の小歯のサイズが大きい
本種と異なり分生子が倒卵形ではなく小滴形~紡錘形
β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sporothrix humicola
同じSporothrix pallida種複合体に含まれる
土壌から分離される
ITSおよびβ-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチリではなく南アフリカやオランダなどに分布する
本種より分生子柄の小歯のサイズが大きい
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子が倒卵形ではなく小滴形~紡錘形
β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sporothrix lignivora
分生子のサイズの範囲が重なる
ITS、β-チューブリン、カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりチリではなく南アフリカなどに分布する
本種と異なり土壌やヒトではなく材から分離される
本種と異なり分生子が倒卵形ではなく長楕円形
ITS、β-チューブリン、カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される