(仮訳)中米産テングタケ属菌の研究 (1):コスタリカおよびホンジュラス産の3新種
Tulloss, RE., Halling, RE. & Mueller, GM., 2011. Studies in Amanita (Amanitaceae) of Central America. 1. Three new species from Costa Rica and Honduras. Mycotaxon. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2011/00000117/00000001/art00019 [Accessed October 28, 2016].
【R3-03425】2016/10/28投稿

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3行まとめ

コスタリカにおいて15年間大型菌類の調査を実施し、テングタケ属に12分類群を認めた。
ここにAmanita conaraA. costaricensis、およびA. garabitoanaの3新種を加えた。
また、Vittadiniae亜節の未記載種を加えたコスタリカ・ホンジュラス産マツカサモドキ節の検索表を掲載した。
Costa Rica, Prov. San José, San Gerardo de Dota no. 1

(新種)

Amanita garabitoana Tulloss, Halling & G.M. Muell.
語源…コスタリカ先住民の軍事的・政治的指導者、Garabitoに献名
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【よく似た種との区別】
Amanita arkansana
本種と異なりコスタリカおよびホンジュラスではなく米国などに分布する
本種と異なり子実体が非常に脆い
本種と異なり傘が濃い赤褐色ではなく、黄橙色でオリーブ色を帯びることもない
本種と異なり傘の半径の半分以下ではなく75-85%において肉が膜より薄い
本種と異なり柄表面のパッチが汚黄色~オリーブ色ではなく柄と同色の黄色
本種より柄の”central cylinder”の柄の直径における割合が大きい
本種と異なりチロシナーゼに対して強い呈色反応を示すのではなく反応が僅かである
本種より担子胞子のサイズがやや小さい
Costa Rica, Prov. Cartago, Estrella

(新種)

Amanita conara Tulloss & Halling
語源…肥えた(柄の基部が大きな塊茎状になることから)
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【よく似た種との区別】
Amanita gymnopus(カブラテングタケ)
本種と異なりコスタリカではなくマレーシア、中国、日本などに分布する
本種と異なり傘表面の被膜の名残が疣状ではなくやや膜状
本種と異なり柄の基部に顕著な仮根を伴う
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が球形~類球形
Amanita ochraceobulbosa
本種と異なり傘がクリーム色、クリーム黄褐色、黄橙クリーム色
本種と異なり傘表面にしばしば大型ピラミッド状の疣状の被膜の名残を有する
本種と異なり襞が白色~クリーム色
本種と異なり柄の基部の塊茎にピラミッド状の疣を時に伴う
本種と異なり肉が傷ついても変色しない
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形
Amanita ochrophylla
本種と異なりコスタリカではなくオーストラリアなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子のQ値が大きい
Amanita ochrophylloides
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なりコスタリカではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なりユーカリ属の一種の樹下に発生する
本種と異なり傘が短褐色
本種と異なり傘表面に松笠状の疣を伴う
本種と異なり襞が淡い黄金色
本種と異なり柄の基部の塊茎に僅かにつぼ状の縁取りを有する
本種と異なり子実体が触れると暗色になる傾向を持つ
本種と異なり子実体に微かな穀粉臭がある
本種と異なり担子胞子が主に類球形、広楕円形、楕円形
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり傘表面の外被膜に屈折性の高い菌糸を含む
Costa Rica, Prov. San José, Ctn. Dota

(新種)

Amanita costaricensis Tulloss, Halling, G.M. Muell. & Singer
語源…コスタリカ産の
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【よく似た種との区別】
Amanita atkinsoniana(アケボノドクツルタケ)
本種と異なりコスタリカおよびホンジュラスではなく米国、カナダ、メキシコなどに分布する
本種と異なり子実体が白色~淡色
本種と異なり傘表皮に帯灰色、のちに帯赤褐色の疣を伴う
本種と異なり柄の基部の塊茎が通常蕪形または洋独楽形
本種と異なり柄の基部の塊茎の周囲に少なくとも6重の同心円状に帯赤褐色、細かい疣状の外被膜を伴う
本種と異なりつばが黄白色になって柄に残ることがある
本種と異なりつばがスライム状になることがある
本種と異なりチロシナーゼ陰性ではなく陽性
本種より担子胞子のサイズが小さい
Amanita onusta
本種と異なりコスタリカおよびホンジュラスではなく北米東部のカナダや米国などに分布する
本種より子実体が淡色でほとんど褐色を帯びない
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり襞が速やかに黄色を帯びる
本種と異なりチロシナーゼ陰性ではなく陽性
本種と異なりパラクレゾール陰性ではなく陽性
本種より担子胞子のサイズが小さい

(その他掲載種)

Amanita flavoconia var. inquinata Tulloss, Ovrebo & Halling
Amanita flavoconia var. sinapicolorを本変種のシノニムとした。
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