(仮訳)Glutinoglossum属菌の研究
Hustad, VP. & Miller, AN., 2015. Studies in the genus Glutinoglossum. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/107/3/647.short [Accessed July 7, 2016].
【R3-03087】2016/07/08投稿

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3行まとめ

Glutinoglossum属菌の包括的な研究を実施し、従来G. glutinosumと同定されていた菌における隠蔽的種分化を示した。
分子系統解析の結果を基にG. americanumなど4新種を記載し、それに伴いG. glutinosumの種概念を修正した。
また、本属菌の既知種の検索表を掲載した。
USA, Tennessee, Sevier County, Great Smoky Mountains National Park, 5 miles east of Gatlinburg, Greenbrier, trail to Whaley Cemetery

(新種)

Glutinoglossum americanum Hustad & A.N. Mill.
語源…アメリカの
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【よく似た種との区別】
Geoglossum affine
地理的分布が類似している
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子実体に粘性を有する
子嚢胞子のサイズが類似している
本種と異なり側糸の頂部に密に隔壁を有する
本種と異なり側糸頂部の細胞が様々に膨大する
Glutinoglossum heptaseptatum
北半球に分布する
子嚢胞子の隔壁数が主に7
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢の幅が広い
本種と異なり子嚢の無色の基部が全長の25-45%ではなく最大25%までを占める
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, South Canterbury, Peel Forest, Fern Walk

(新種)

Glutinoglossum australasicum Hustad & A.N. Mill.
語源…オーストララシア産の
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【よく似た種との区別】
Glutinoglossum exiguum
ニュージーランドに分布する
子嚢胞子のサイズの範囲が大幅に重なる
子嚢胞子の隔壁数が主に7
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種ほど子実体が多く生じない
本種より子実体のサイズが一般的に小さい
本種より子嚢のサイズが一般的に小さい
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり側糸頂部の細胞が棍棒状円筒形に近いのではなく顕著な球形~洋梨形
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Taupo, Whiranaki Forest Park, Whiranaki Waterfall Trail

(新種)

Glutinoglossum exiguum Hustad & A.N. Mill.
語源…小型の(子実体および子嚢胞子のサイズから)
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【よく似た種との区別】
Glutinoglossum australasicum
ニュージーランドに分布する
子嚢胞子のサイズの範囲が大幅に重なる
子嚢胞子の隔壁数が主に7
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体が多く生じる
本種より子実体のサイズが一般的に大きい
本種より子嚢のサイズが一般的に大きい
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり側糸頂部の細胞が顕著な球形~洋梨形ではなく棍棒状円筒形に近い
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Marlborough, Mount Richmond Forest Park, Nydia Track

(新種)

Glutinoglossum methvenii Hustad & A.N. Mill.
語源…Andrew Methven氏に献名
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【よく似た種との区別】
Glutinoglossum glutinosum(ナナフシテングノハナヤスリ)
子嚢胞子の隔壁数が主に3
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストララシアではなく北半球に分布する
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が成熟時に7のことがある
本種と異なり側糸が時に屈曲するか鉤状という特徴を欠く
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Glutinoglossum glutinosum (Pers.) Hustad, A.N. Mill, Dentinger & P.F. Cannon
ナナフシテングノハナヤスリ
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【よく似た種との区別】
Glutinoglossum methvenii
子嚢胞子の隔壁数が主に3
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北半球ではなくオーストララシアに分布する
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が成熟時に7のことがあるという特徴を欠く
本種と異なり側糸が時に屈曲するか鉤状
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Glutinoglossum heptaseptatum Hustad, A.N. Mill, Dentinger, P.F. Cannon
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【よく似た種との区別】
Glutinoglossum americanum
北半球に分布する
子嚢胞子の隔壁数が主に7
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子嚢の幅が狭い
本種と異なり子嚢の無色の基部が全長の最大25%までではなく25-45%を占める
ITS+nrLSU+MCM7+RPB1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される