(仮訳)Fuscoporia属の系統分類学的研究:ハワイ産の2新種および北米産の種の検索表
Chen, Q. et al. 2023. Taxonomic and phylogenetic contributions to Fuscoporia (Hymenochaetales, Basidiomycota): two new species from Hawaii with a key to North American species. Frontiers in Cellular and Infection Microbiology. Available at: https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fcimb.2023.1205669/full [Accessed April 21, 2024] 【R3-11631】2024/4/21投稿

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3行まとめ

米国ハワイ州からFuscoporia hawaiianaおよびF. minutissimaの2新種を記載した。
前者はユーカリの生木に発生し、多年生で担子胞子が類球形~広楕円形、子実層剛毛が鉤状であること、後者はMetrosideros polymorphaおよびコアに発生し、多年生で孔口と担子胞子が非常に小型であることなどで特徴づけられた。
北米産の本属菌の検索表を掲載した。
USA, Hawaii, Big Island, Kalopa State Park

(新種)

Fuscoporia hawaiiana Q. Chen, Jing Si & Vlasák
語源…ハワイの
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【よく似た種との区別】
Fuscoporia wahlbergii(ツリバリサルノコシカケ)
米国に分布する
形態的に類似している(従来この種に同定されていた可能性がある)
子実体が傘状
子実層剛毛が鉤状
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヨーロッパ、東アフリカ、オーストラリアにおける分布が知られている
本種より孔口のサイズが小さい
本種と異なりシスチジオールを欠くのではなく有する
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fuscoporia torulosa(コルクタケ)
北米に分布する
本種と異なり子実体がやや蹄形
本種と異なり子実層剛毛が鉤状ではなく直線状
Fuscoporia semihispida
子実体が傘状
子実層剛毛が鉤状
本種より担子胞子の幅が狭い
Fuscoporia australasica
子実体が傘状
子実層剛毛が鉤状
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりハワイではなく中国、ベトナムなどに分布する
本種と異なり子実体表面が無毛
本種と異なりシスチジオールを欠くのではなく有する
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fuscoporia marquesiana
子実体が傘状
子実層剛毛が鉤状
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fuscoporia atlantica
子実体が傘状
子実層剛毛が鉤状
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fuscoporia eucalypti
子実体が傘状
子実層剛毛が鉤状
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fuscoporia rufa
子実体が傘状
子実層剛毛が鉤状
本種より担子胞子の幅が広い
USA. Hawaii, Big Island, Makuala O’oma Trail

(新種)

Fuscoporia minutissima Q. Chen, Jing Si & Vlasák
語源…最小の(孔口のサイズから)
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【よく似た種との区別】
Fuscoporia gilva(ネンドタケ)
北米に分布する
形態的に類似している(従来この種に同定されていた可能性がある)
子実体が多年生
子実体が傘状
傘表面が無毛~皺状で時に結節状
担子胞子が類球形~広楕円形
子実体剛毛が直線状
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で近縁
本種より孔口のサイズが大きい
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fuscoporia plumeriae
子実体が傘状
孔壁が裂ける
担子胞子が楕円形
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生
本種より孔口のサイズが大きい
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fuscoporia chinensis
子実体が傘状
孔壁が裂ける
担子胞子が楕円形
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が多年生ではなく一年生
本種より孔口のサイズが大きい
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fuscoporia rhabarbarina
北米に分布する
形態的に類似している(野外で混同のおそれがある)
子実体が多年生
子実層剛毛が直線状
本種と異なりハワイではなく南米、亜熱帯~熱帯アジアなどに分布する
本種と異なり子実体表面が無毛~ビロード状
本種と異なり子実体基部に褐色の殻皮を有する
ITS+nrLSU+EF1-aに基づく分子系統解析で明瞭に区別される